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VizableはMobile端末での操作に特化した分析”アプリ”
このブログでも使ってみた記事を執筆している分析ツールTableau Desktopを製作しているTableau社が、新しい分析ツールである「Vizable」をリリースしました(なお、Tableauに関する記事はコチラ)。このツールは、ExcelファイルやCSVファイルのデータをiPadで分析できるツールです。具体的には下記のようなことができます。
- 指標の合計値・平均値・最大値・最小値を棒グラフと折れ線グラフで表現できる。なお、棒グラフでは、複数の指標を横に並べることができる。
- ある分析軸で指標を切ることができる。なお、棒グラフでは、複数の軸で切ることができる。
- タブレット特有の動作(上下左右へのフリック/スワイプ・タップ・ピンチイン/アウトなど)で直感的な操作ができる。
Vizableにはテストデータが用意されており、手元にデータがなくても扱うことができるので、興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。特に、上記のキャプチャで使用した映画に関するデータは楽しんで分析させていただきました。もちろん、お持ちのデータを分析することも可能ですが、データをiCloud Drive経由でダウンロードする必要があります。
VizableはTableau DesktopのMobile版になりえる!
Tableau社の分析ツールは、他にもTableau Desktop、Tableau Server、Tableau Mobileがありますが、これらのツールを「①操作のしやすさ」「②使用するデバイス」「③ツールにおける軸や指標変更の自由度」「④扱えるデータ」という4つの評価ポイントで評価してみました。
まとめると、Vizableには2つの特徴があると感じています。
分析ツールになじみのない層も簡単に操作できる
Tableau Desktopで扱っているような集計する前のデータ(トランザクションデータなど)ではなく、ある程度集計して分析軸も整理されたファイルを扱うので、SQLなどの特別な知識が必要にならず、データに不可解な点がありそうであればExcelで調査できます。また、Tableau ServerやTableau Mobileのようにインターネット接続が必要ではありませんし、分析軸や表示する指標を自分で変更する作業が比較的容易に行えます。
経営層を巻き込んだ高度な分析ができる
Vizableは、わざわざPCを起動する必要もなく、インターネット接続も最初にデータを落としてしまえば不要という特徴があります。分析担当者がTableau Desktopで分析軸や指標にあたりをつけ、Vizable向けのExcelファイルを作成し、経営者がiPadを使用して分析を行うといった連携が可能になります。このようにすることで、時間の取れない経営者は隙間時間などに手軽に分析を行うことができるようになるでしょう。
Tableau Desktopをうまく”アプリ”に落とし込んだ
Vizableで分析できることや表現できることはまだまだ限定的ですが、Tableau Desktopをアプリで実現した製品という印象を受けました。(Tableau Mobileというアプリがありますが、こちらは分析というよりは共有されたレポートを閲覧するための共有アプリという認識でいます)Tableau社が掲げる「誰でもデータを見て理解できることをサポートする」というミッションをうまくMobileで体現した新しい形の”分析アプリ”だと思います。今後の機能追加に期待しています。
萩原 亮(はぎはら りょう)
金融業勘定システム・流通業管理会計システム・ゲームログ集約/分析システムなどの構築・運用や、SNS/ゲームログの分析を経験し、現職。現在は Business Analyticsチームの一員として、データを可視化してアブダクションする業務に従事。今、興味をもっているツールはTableauと QuickSight。お気に入りのサービスはRedshift。