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ギックスの本棚/ひらめきスイッチ大全(サンクチュアリ出版)

AUTHOR :  田中 耕比古

ひらめくためのTips集

ひらめきスイッチ大全 (Sanctuary books)

この本では、ひらめきのアイデアが構造化・体系化されているわけではありません。(コンサルタント的には「体系化してほしいな」と思ってしまうわけですが)

表紙を開くと、帯の折り返し部分に「使い方」が書いてありますので引用します。

いま、考えるべきことを心の中で思い返しましょう

直感にしたがって本を開きます

そこに、ひらめきのヒントがあります

つまり、「いろいろな発想法を、いろんな書籍・文献からまとめてきたから、運試し感覚・占い感覚で開いてみたらどうよ?」というスタンスなわけですね。

では、単なる情報の寄せ集めで何の示唆も得られないのか、といえば、全くそんなことはありません。

  • 各Tips=「SWITCH」は、見開き2ページで完結し、非常にわかりやすい(1トピック1メッセージを徹底)
  • 見出し部分は、執筆陣がキチンと考えて、クリスタライズしている(サマリー力が高い)
  • 書いてある内容は、どれも「なるほど」と思える(セレクト力が高い)

といった優れた点が多いです。

さて、それではこの本はどのように読む・使うべきなのか。これは、おそらく、読者の状況によって違います。

TYPE A)なんとなく、アイデアの出し方を知りたい人

このタイプの方は、おそらく、最初から最後まで通読する感じになると思います。その結果、世の中に「どういう考え方があるのか」ということを、広く浅く知ることができます。そこから興味を持った「SWITCH」に関して、参考文献を読み漁ることで深堀していくのが良いと思います。但し、一つ注意が必要なのは、この本は「ドアオープン」をしてくれるだけで、具体的且つ詳細な方法論については、非常なる努力により掘り下げていかねば身に付かないということです。ですので、興味本位でこの本を手に取っただけでは「ふーん」と思うだけで霧散してしまいます。それでは、2,000円をドブに捨てるようなものですので、この本を買ったら、少なくとも2~3領域の興味のあるSWITCHに対して関連書籍を購入し、きちんと学びましょう。

TYPE B)アイデアを今すぐ出さねばならず、リアルに困っている人

このタイプの方は、本書の「使い方」に従って、強く念じてから「えいやっ」と開いてください。本書に書いてることは、全て、なんらかの役に立ちます。イマイチ状況に当てはまらないなーというときは、自分の運が無かったのだと思い、気を取り直してもう一度開いてみてください。3~4回くりかえせば、なんらかのヒントがあります。(30分散歩しよう とかいうSWITCHって、やっぱり素敵じゃないですか。)アイデアは天啓のように”降りてくる”ものなので、何卒、ご武運をお祈り申し上げます。May the forth be with you.

TYPE C)思考法については一家言ある、その道のプロ

このタイプの人にとっては、この本に書いてあることは全て「知ってること」「当たり前のこと」です。しかし、残念ながら「忘れていること」でもあります。ですので、10分で流し読みすることをお奨めします。見出しだけザザザッと舐めていけば、皆さんには十分です。そこで、「あ、確かにそうだったな」と本書の内容が直接ヒットすることもあれば、「そういえば、こないだから悩んでたあの件は、別のプロジェクトでやったあの方法論が嵌るな」と間接的に”記憶を呼び起こす手助け”になることもあるでしょう。また、巻末の100冊を超える参考文献リストには目を通す価値ありです。ベタな本も相当数含まれてますが、ダ・ヴィンチ 天才の仕事―発明スケッチ32枚を完全復元 とか、物理学はいかに創られたか(上) (岩波新書)とかって読まれたことありました?興味をそそる掘り出し物に出会える気がします。

 

内容の割に分厚いので、持ち歩くには不便かなと思いますが、枕元・トイレなどに置いておいて、ふと手に取ってみると有用なインプットを得られるかもしれませんね。

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