本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
負けず嫌いを育てる環境を整備しよう
今回は、プレイヤータイプのひとつであるKillersとはどのようなタイプであるかを紹介します。そして、Killersを把握するために必要なログについて考えてみます。
Killersとは、他人を打ち負かすことに快感を覚えるタイプです。他人を打ち負かせようとするため、ランキングなどの競争ごとや、ユーザ間での対戦などに興味を示す可能性が高いです。
Age of EmpiresはKillersに刺さったゲーム
Age of Empiresというゲームをご存知でしょうか。リアルタイムストラテジーの代表格であるこのゲームは、世界中の様々な文明の創始者となって、文明を発展させ、軍備を整え、他の文明を侵略して、勝ち上がるゲームです。1プレイ1時間程度の中に、文明を発展させていく楽しさと、軍隊を率いて敵を倒す楽しさを両立させています。
また、このゲームは、インターネットを通じて他のユーザと対戦することができます。対コンピュータ戦だけではなく、対人戦でもプレイできる点がKillersに刺さったのではないでしょうか。彼らは、相手に勝つために、より早く文明を発展させて強い都市を作り上げる方法を考えることに楽しみを見出しています。
誰と対戦させるかをうまくコントロールできていますか?
複数のユーザに同じゲームコアをプレイさせ、その結果で優劣を競うソーシャルゲームは数多くあります。その際、ゲームシステム側が対戦相手を決定することがほとんどです。対戦相手を抽出する処理のことをマッチングと呼び、対戦相手を抽出するアルゴリズムのことをマッチングロジックと呼んでいます。
同じぐらいの人で競って負けた場合、人は『悔しい』という感情を抱きますが、かけ離れた人と競った場合は『負けて当たり前』という感情を抱きます。前者の感情を抱いたユーザは、負けないように努力して、負けず嫌いに育っていきます。しかし、後者の感情を抱いたユーザは、諦めて、ゲームを離脱することにつながりかねません。例えば、ゲームに参入したばかりのユーザがトップランカーと競わされた場合、確実に負けるでしょうし、ゲームに参入したばかりのユーザはそのゲームをやめてしまうでしょう。
マッチングロジックには、常に同じぐらいのゲームスキルの人を抽出するように調整する必要があります。マッチングロジックを正しく評価できるようなログを出力しているでしょうか。例えば、各ユーザのプレイ結果が僅差であれば、非常によいマッチングロジックだと推測できます。ユーザに常に悔しいと思わせるようなマッチングロジックを採用し、負けず嫌いを育てるような環境を構築しましょう。
連載記事リスト
- 第1回:ゲームへのモチベーションを掻き立てる要因とは?
- 第2回:Explorersとは探究を求めるプレイヤー
- 第3回:Achieversとは達成感の虜になったプレイヤー
- 第4回:Socializersとは人との繋がりを重視するプレイヤー
- 第5回:Killersとは負けず嫌いなプレイヤー (本稿)