「人」の単位で、インタレストフラグを設定し、マーケティングに活かす
株式会社ギックスは、2013年12月6日に、「ソーシャルデータを活用したマーケティング支援」にまつわる特許を取得いたしました。同社は、本特許を元に、ソーシャルリスニングをマーケティングに活用する新サービス「gaap(ギャープ)」を提供します。
特許の概要
ソーシャルメディアにおける「発言」を、「発言者(ID)」の単位で集約し、「人」毎に、興味・関心フラグ(インタレストフラグ)を設定します。
ソーシャルリスニングにおける革新性
従来のソーシャルリスニングは、特定キーワード数の増減やポジティブ/ネガティブの比率、係り受けワードの把握程度の分析を主にしており、安価に手軽に「自社/他社の製品・サービスに関する世の中の”発言傾向”を捉えられる」というソリューションが主流です。まず、最初に分析をしてみる、という観点では、これらのソリューションで問題はありませんが、より少し深い顧客理解を行うためには、キーワードの発言者単位での分析が必要となります。
本特許により、個人(匿名)の単位で分析を行い、「どういう趣味嗜好のある集団が、自社/他社の製品・サービスに対して興味を持っているのか」を把握することが可能となります。
マーケティングリサーチにおける革新性
従来の調査は、顧客に直接話を聞く・アンケートで回答してもらう・顧客を観察するなどが主流でしたが、顧客にあえて謝礼を払い回答してもらうため、少なからずバイアスがかかった回答となります。一方、ソーシャルメディアでの発言は、誰かに頼まれてたわけでもない”消費者”が自発的に発言しているため、マーケットの”生の声”と言う観点からは、非常に有益なマーケティング情報として活用することができます。
本特許によって、発言内容を「発言者」に紐付けることによる「インタレストグラフ」を生成できるため、効率的・効果的に(匿名の)消費者単位でマーケットリサーチを行う事が可能になります
活用領域(例示)
本特許および、それを活用した「gaapサービス」の活用領域を、以下に例示いたします。
マーケティング・リサーチにおける活用
発言者毎に「趣味嗜好フラグ」を付与できるため、”特定のキーワードの発言者セグメント”と”別のキーワードの発言者セグメント”を「比較」することで、セグメント間の趣味嗜好の類似性・差異性を把握することができます。これにより、特定のセグメントにおける趣味嗜好などを把握できます。
さらに、特定セグメントが日常から「行く場所」「買うもの」「読んだもの」「食べたもの」などを把握することで消費者の行動特性を理解することができます。
具体的な活用分野としては、顧客理解、商品開発のアイデア出し、広告宣伝媒体のメッセージ検討などを想定しております。
ダイレクト・マーケティング企業への活用
発言者毎に趣味嗜好の属性が付与されていることにより、通信販売業などのダイレクト・マーケティングを営む企業の場合にはリコメンド機能(商品おすすめ機能)の精度向上*に活用できます。(⇒国内最大手ECモールの楽天と共同実験を行い、顧客反応率を1.85倍に改善する効果を得ました)
また、インターネット広告を配信する際のオーディエンス・ターゲティング(各人の趣味嗜好に合わせて最適な広告を表示する)への活用も効果が見込まれます。
*:個人を特定した施策を打つ場合には、ソーシャルログイン等により「ソーシャルメディア上の”発言者”」と「ダイレクト・マーケティング企業における”顧客”」が紐づいていることが前提となります。その紐づけ情報が無い場合は「発言者セグメント」単位での分析となります。