本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
無限のやりたい、をあきらめて、落としどころを決めておく
データ収集の目的を決めて、どんなデータを集めるかの考え方を前回お話ししました。今回は、実際にデータをどのように集めていくのかについて、考えていきましょう。ひとえにデータの集め方といっても、まず最初にいくつかのポイントを押さえてからスタートしないと、すぐに“データの海”に溺れてしまいます。(データ集めをし始めると、どうしても細部に気が散ってしまい「木を見て森を見ず」に陥ることが多いです。そういう意味では“データの森”に迷い込むという表現の方が合っているかもしれません。)
与えられた時間はどの位ですか?
データを集めてくるという作業は、実は終わりがない作業であることも事実です。インターネットや書籍が溢れている中、いくらでも集めようと思えば集められるからです。また、こういうデータが「ない」ということを説明するのは困難で、「見つかりませんでした」と報告する場合、探し方が悪いのか本当にそういうデータが存在しないのか、もっと探せば見つかるのか。その違いは探している本人にはなかなか気が付きにくいことです。
そのため、データを集めるとき、大切になってくるのは「最終的に何を言いたいのか」を意識しつつ「いつまでに」(一旦)終わらせるかをまず最初に決めることになります。
段取り力が大切
もし、あなたが子供なら、「一生懸命、データを収集したのですが、いいデータはありませんでした。」で済みますが、それでは済まないのが大人の世界ですよね。そのために、限られた時間で結果を出すだめにやれることはなんでもするという覚悟が必要だと思います。
「いつまでに」という期限を定めた後は、そこから逆算して、時間がかかるデータ収集(例えば、クライアント企業のシステムから抜き出さなければならないデータや有識者や海外の人へのデータ提供依頼など)は先にお願いをしておき、自分がインターネットなどから集められるデータ(公知情報や官公庁統計など)は夕方から夜にかけて収集するなど、上手く段取り(スケジュール)を組んでから動きだすべきです。
他力本願だって構わない
そして、色々動きだす前に、一つだけまず最初に行っておくことがあります。それは、「周りの人に聞いて回ること」です。
もしすると、今あなたが集めようとしているデータは同様のデータ収集を何年か前にやったことがある人がいるかもしれません。あるいは、対象の領域に詳しい人がいるかもしれません。つまり、一番早く簡単なのは知っている人に聞いてしまうことです。全部データを集め終わった後で、「なんだそのデータなら、私が持っていたのに」と言われると「時すでに遅し」どころか、あなたのその数時間(場合によっては数日間)の生み出した価値はゼロという事態に陥ってしまいます。
例え、あなたが欲しいデータを持っている人や知っている人がいなかったとしても、データ収集のヒントが得られるかもしれませんし、また将来、同じテーマで別の人がそのデータを集めているときに、今回のあなたの集めたデータが価値あるものとして、他人の助けとなるでしょう。
(次回へつづく)