UVP ~ Understandble Value Propositon / 顧客の肚に落ちる提供価値 ~|基礎から学ぶマーケ用語

AUTHOR :  田中 耕比古

あなたは「自分の価値」を説明できるか?

本日は、UVP(Understandable Value Proposition)をご紹介します。

就活で「自己PR」やりましたよね?

マーケティングにおいて、一番大切なことは何でしょうか。

ターゲッティング?プライシング?キャッチコピー?クリエイティブ?

ええ、それらもとっても大切ですね。しかし、最も大切なのは「自分の売りは何か」を見定め、それを「分かるように伝える」ことです。

就職活動・転職活動において「自己PR」をする場面があったかと思います。(合コンや婚活なども同じかもしれませんね。)マーケティングも同じです。しっかりと「自己PR」をすることが大切です。

自己PRには、自己分析が大切

自己PRをするためには、自分をしっかりと知らないといけません。多くの就活生が困る「自己分析」という奴です。

就活における「自己分析」は、多くの場合、本質から大きく外れたテクニック論(良いことだけ言えばいいのか、悪いことも言うのか、部活の話が効果的なのか、ボランティアの話をするか)に突入していくのですが、本質的には「自分はナニモノなのか?」を知ることです。

一般的な学生生活を送った場合、実績で語るべきものは非常に少なく、ポテンシャル勝負になるケースが多いので「自己分析して自己PRしろって言われても困るんだよ!」ということになるわけですね。そんなことを百も承知で学生さん達に自己PRをやらせる企業もひどいですよね。いや、ほんとに。

一方、そういう「自己PR」を学生さんに要求する世の中の企業が世に出す商品・サービスを見てみると、「自己分析」ができていないケースが散見されます。

あなたの「売り」は説明可能ですか?

具体的に考えてみましょう。

例えば、「高品質で安い」ことを訴求ポイントにしている商品・サービスがあったとします。これを世の中に売って行こうとすると、おそらく「高品質で安い」というメッセージを世の中に広告などを用いて知らしめて行くことになるでしょうね。

これは「自己PR」としては非常に正しいです。しかし、これだけでは「自己分析」ができていないのではないか、と疑わざるを得ません。学生さんでいえば「僕は、優秀です」と言ってるイメージですね。それはそれで確かに素晴らしいことなのですが、普通の面接官なら「なんでなの?」とか「どういうこと?」って突っ込んでくるはずです。そりゃそうです、良くわかりませんもの。(突っ込んでこない場合は、もはや貴方に興味が無い、ということになるでしょうね・・・)

要するに「なぜ、商品・サービスが高品質で安いのか」について、相手に対して納得感のある説明ができるかどうか、がポイントなわけです。

この場合の、納得できる理由とは、例えば「物流ネットワークにおいて箱などが損傷し、店頭に並べられないものを取り扱っている」、「賞味期限が半分以下になった商品を、卸・小売の流通在庫から安値で買い集めてきている」、「規格外の野菜・果物を原料に作っている加工食品である」、「製造過程で出た端材・端切れで作っている」、「廃材・廃品などのリユース素材で作っている(※これは、食品などでは無理ですけどね)」などが挙げられます。

これらの”理由”を、しっかりと顧客に説明可能であることが「自己分析」として重要です。(くどくどと説明するかどうか、は別の話=自己PRのテクニック論になります)

Understandable(肚落ちする)Value Proposition

この「説明可能」ということを、ギックスでは顧客視点での表現で「顧客が理解できる・肚落ちする(Understandable)」と呼ぶことにしています。すなわち、「顧客の肚に落ちる提供価値=Understandable Value Proposition = UVP」ということになります。

ギックスが、この説明のために使うのは「魚料理屋さん」の例です。

01_1_UVP

三軒並んだ魚料理屋さんが、一様に「魚が美味しい」と言っていても、顧客は選べません。しかし「美味しい」の「理由」があると、顧客は自ら選ぶことができます。

このように「自社・自商品・自サービスの”売り”を、顧客がしっかりと理解できるレベルまで明確化する」ことが、”賢い顧客”・”考える顧客”をターゲットとする商材のマーケティングにおいては、最も重要であるとギックスは考えています。

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