本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
クラウドは定義の曖昧な言葉。だから曖昧なまま覚えましょう。
本日は「クラウド」という言葉を解説します。
最近頻繁に耳にする言葉でありながら、イマイチつかみづらい言葉でもありますよね?実は「これがクラウドだ!」という明確な定義はどこにもありません。曖昧な言葉なのです。だから曖昧な言葉として理解していただいていいのです。
曖昧なまま言います!クラウド=サービスの一形態。
クラウドとは「サービスの一つの形態」です。
例えば、「天気予報を提供するサービス」があったとしましょう。みなさんはどのような方法で天気予報を聞くでしょうか?電話?ファックス?まさか気象予報士のかたのオフィスに直接行って聞いちゃう…?
このように様々な「情報の取得方法」の選択肢がありますが、これらの選択肢の一つとして「天気予報をクラウドで聞く」という表現を用いることができます。
じゃあ、どんな形態のサービスが「クラウド形態」になるの?
わかったような、わからないような感じがするかと思いますが、サービスを利用する人の立場から「クラウド形態サービスの条件」を挙げていきます。それによって「クラウドというサービスの形態」がどういうものかをイメージしていただけるのではないかと考えています。
尚、前提知識としてお伝えしておくと「クラウド」とは英語表記cloudで、”雲”という意味です。wikipediaによると「従来より「コンピュータシステムのイメージ図」ではネットワークを雲の図で表す場合が多く、それが由来となっている。」とのことです。つまり、クラウド=cloud=雲 ということになりますが、その単語自体に意味があるわけでなく、ネットワークを介してコンピュータを使う(つまり、目の前にないコンピュータを使う)という利用形態を指しているわけですね。このあたりは関連記事にて解説しておりますので、そちらをご参照下さい。
①.インターネットからサービスを利用している
読んで字の如く、です。インターネットを介してサービスを利用することがクラウドと呼ばれる条件の一つです。
②.コンピュータが物理的に存在している場所がわからない
これがクラウドサービスの特徴の一つです。上述した通り、そもそもクラウドという言葉には「雲=具体的な姿がわかりにくいもの」という語源があります。この表現がクラウドサービスの形態とマッチしていて、インターネット上のサービスである以上、そのサービスを提供しているコンピュータはどこかしらに存在するはずなのですが、その存在場所がわからない事を意味しています。これに関しては「わからない事=悪い事・不安な事」と考える必要はありません。クラウドサービスの提供者はセキュリティに関して万全の配慮と対策を施しています。むしろサービス利用者は「わからない事=利用者が気にする必要のないこと」と考える事をお勧めします。利用者が気にする必要のない事はクラウドサービス側で「うまくやってくれている」のです。
③.ブラウザ以外のプログラムからサービスを利用している
これは微妙で誤解を生みそうな表現ですが、あえて条件として挙げさせていただきます。
例えば「ブラウザを使ってネットからホテルを予約した場合(例A)」これをクラウドサービスを利用したと表現するか否か?です。この記事ではこれをクラウドではないと解釈することにします。でないと世の中のインターネットサービスはほとんどクラウドになってしまうからです。
じゃあ、クラウドっぽいサービスって何なんだ?という例としては「スマホのお天気アプリ(例B)」を挙げてみたいと思います。スマホのお天気アプリはブラウザではないので、お天気情報をどこから入手しているのかは利用者にはパッと見わかりません。これも「わからない事=利用者が気にする必要のないこと」としてクラウド屋さんがうまくやってくれているのですが、この形態はクラウドサービスと呼べると解釈できます。
いかがでしょうか、少しは「クラウド」というもののイメージがつきましたでしょうか。
ちなみに、上記の例AとBのサービスにおいて、”基盤”となる技術にはほとんど違いがありません。にもかかわらず、片方はクラウドと呼ばず、他方はクラウドと呼ぶわけです。この一点のみを取り上げても、クラウドという言葉の曖昧さがお分かりいただけたことと思います。文字通り、雲のように捉えどころがない言葉ですよね。(笑
【以下、クラウド関係の連載記事】
- クラウドとは?(データ分析用語を解説) (本編)
- 仮想コンピュータとは?(クラウドサービス解説)
- クラウドデータベースとは?(クラウドサービス解説)
- クラウドストレージとは?(クラウドサービス解説)
- クラウドキューサービスとは?(クラウドサービス解説)