”考え方”を考える|頼まれてなくても考える姿勢を持つ:成長痛を感じよう!

AUTHOR :  田中 耕比古

考えるのは、スキルではなくマインドの問題

先日「シンカホリック」という病気(に近い思考様式)についてご紹介しました。本日は、それに関連して「どうやったら考える人間になれるのか」について考察していきます。

頼まれないと、やらないの???

仕事ができる、というのはどういう人だと思いますか?

頼まれたことを100%やる、というのは当たり前です。これは「仕事ができる人」ではなく「普通の人」です。頼まれたことを100%やりきれない人は「普通以下」です。頼まれたことは普通にやりましょう。

さて、「仕事ができる人」は、頼まれたことを100%やった上で、頼まれてないこともやる人です。もちろん、不要なことをするのではなく、有用なこと・有益なこと・付加価値になることをやるわけです。

ということは・・・「何が、有用か・有益か・付加価値になるか」を見極めないといけません。

頼まれなくても、考えろ!

有用なもの、有益なもの、付加価値を生み出すものを見極めるためには、考えることが必要です。

言われたことを、言われたままに実行するのは、考えてません。いや、もちろん、頭をからっぽにしてて作業できるわけじゃないんですけど、体を動かすための司令塔として脳みそを使ってるだけです。脊髄のちょっと賢い版、くらいにしか使ってません。それは「考えていない」です。

そして、これがポイントなのですが、誰も「考えてください」なんてことは頼んできません。頼まれてないことをやる、ってことは、頼まれなくても考える、ということです。

考えるのは、非常に効率が良い

何かを実行する、やる、ということには工数がかかります。最低でも30分とか1時間とかの”まとまった時間”が必要になります。

しかし「何をやるべきか考える」ということは、もっともっと短い時間で可能です。慣れてくれば数十秒あれば、いくつかのオプションを整理して、どれが良さそうか選ぶことができると思います。そのひと手間を挟むことで、2時間かけて調べたことが誰にも求められていなかった、とか、1時間かけて作った資料が全く付加価値を生まない、とかいう悲しい事態を回避できます。

いきなり作業するのではなく、先に考えろ、というのは、時間の使い方として非常に効率がいいんです。

どんなことを考えればいいの?

考えろ、と言われても困っちゃう、という人もいるでしょう。「何を考えたらいいの?」と。答えは「何でもいいよ」です。

例えば、仕事を起点とすることだと・・・

  • 頼まれた仕事は、どうやったら効率化できる?
  • 頼まれた仕事と「なんらか関係しそうなもの」って何がある?
  • 頼まれた仕事の結果、新たな発見はあったか?それは、自分以外の人にとっても新たな発見か?
  • その発見は、他にどういうところで使える?もしくは、使えない?

とかって考えてもいいです。あるいは、道を歩いていて

  • この看板は、なんで赤いのだろう
  • この通りには、なぜ、中華料理屋さんが多いのだろう
  • この一帯は、マンションが多いがスーパーもコンビニもが見当たらないが、何か理由があるのだろうか
  • この道は、外車が多く走っているのに、路肩に止まっているのは国産車ばかりだが、なぜだろう

とかも良いですよね。こういうのって仮に全く同じ疑問を抱いたとしても、消費財のマーケティング職の人と、飲食業の経営企画部の人と、重機メーカーの営業の人と、マンション販売企業の役員の人では、それぞれ、思い当たる理由=思考の方向性が違うと思います。そうなって当たり前で「自分の頭で考える」ってことですよね。

「考える」癖をつけましょうよ

まず、最初に、考えるのは「どこでもできる」「いつでもできる」ことだと認識しましょう。考えるのは「タダ」です。どんどんやりましょう。何かというと考える癖をつけましょう。

その「タダ」を「お金」に変えることができるようにするのがプロだったりします。いつまでたっても「考えるのはタダだけど、価値を生み出さないのでお金にはならない」という状態から脱却できないのは、まだ、真剣に考えられていないからです。

頼まれてないことを考えるようになると、

  • 視野が広がる⇒やってる仕事のクオリティが上がる(周囲の状況や、前提がわかる)
  • 考え方のバリエーションが増える⇒思考のショートカットの精度が上がる
  • アイデアを持った状態で提案できる⇒やりたい仕事をできるチャンスが増える

というような「仕事に繋がるチャンス」を自ら獲得することができます。ほんとです。騙されたと思って、まずは1年頑張ってみてください。(1年、長いな・・・と直感的に思ってしまったあなたは、考えてませんよ。数十年ある就業人生のうちのたった1年です。生涯年収が3億円だとして、5%あがれば1500万円です。10%あがれば3000万円です。それがたった1年の努力で実現されるとしても、長いのでしょうか?こういう費用対効果の考え方については、コチラコチラの記事をご参照ください。)

大変だよね。だから頑張ろうぜ。

こうやって、日々考えていくということは、本当に大変です。ええ、まぢで大変です。恋人と歩いていて、いきなり話を聞いていない、なんてことになります。プライベートが破たんします。(理解のある恋人を探す、というくらいしかソリューションを思いつきません)

そんな風にプライベートを犠牲にいて、頑張って考えてみたのに、上司に話したら全然理解されない、みたいなこともあります。一蹴される、的な。わかります。そんなことばかりですよね。あるいは、「そんな無駄なことやってるなら、もっと仕事しろよ」とか言われちゃうかもしれません。その結果、仕事量が1.5倍になるかもしれません。

でも、それってチャンスなのかもしれないです。

  • 考えたことがダメだと言われた →何がダメなのか考えて、次に活かす
  • 仕事が1.5倍になった →増えた仕事に含まれている、新しいこと・新しいチャレンジに触れられる
  • 新たな知識・経験が増える →その”周辺情報”について、調べたり考えたりしたくなる

これって、成長痛だと思うんです。成長期の子供が、膝が痛いとか言うアレです。(医学的には正しくないと言われてますが、概念として、ね。)急速に成長するということは、やっぱりどこかに無理が出ます。歪み(ひずみ)が生まれます。大変です。ただ、それを乗り越えたときには、背が高くなり、見える景色が変わっているはずです。

成長することを恐れず、成長痛を感じ、むしろ楽しんでしまいましょう。そのために必要なのが「頼まれないのに、勝手に考える姿勢」だと僕は思うんですよね。

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