商品に対して2次属性データを付与してみる
知恵を使った2次属性データを付与して、クロス集計を行っていくことで価値のある事業構造分析を実施するが可能になります。以前2次属性データに触れた記事(2次属性データとクロス集計で事業構造分析を行う)では主に顧客に対して2次属性データを付与した事例を紹介していきました。これらは別に顧客の識別だけにとどまらず、商品や店舗などあらゆるものにつけていくことができます。今回は商品に2次属性データを付与していく事例を見てみましょう。
商品に2次属性データを付与することは言わばテスコの商品DNAと同じ思想
顧客ではなく商品に対して2次属性データを付与することも可能です。非常に有名な例ではイギリスのスーパーマーケット「テスコ」が行っていた「商品DNA」になりますが、商品DNAも言ってしまえば2次属性データになります。
テスコでは以下の様な商品DNA(2次属性データ)を作り、商品に対してそれぞれの項目で(1, 0, -1)の評価をしているそうです。
商品に2次属性データをつけていく例をあげてみます。商品が「高い」か「安い」かは値段の絶対額では判断できません。同じ1,000円でも、ワインでは「普及価格帯」ですし、チーズだと「高級価格帯」と言っても良いと思います。それが漬け物になれば、100gで1,000円などの商品ならば「最高価格帯」の商品になると言えます。つまり、商品単価の絶対値をベースに分析を行ってもあまり意味のある構造が見えてこないかもしれませんが、そのカテゴリ内に置いてどの程度の価格帯なのか2次属性データを付与して分析していくと面白い構造が見えることもあります。商品に価格帯と言う2次属性データを付与すれば、SKUやカテゴリだけのABC分析ではなく、価格帯別のABC分析を売上高や利益率などで見ることもできます。
価格帯別で見た、
- 時間帯別(時系列)分析
- 天候別分析
- 曜日別分析
- 給料日別/ボーナス月別分析
などあらゆる切りで分析して行くことが可能になります。「ああ、高級価格帯は給料日後の土日にのびますね」「ボーナス月は加工食品の高級価格帯が増えますね」などです。
また、更に言えば、これらの商品の価格帯に対する購買の仕方を見て、顧客に対して価格帯による2次属性データを付与することもできます。購買比率から「最高価格品志向」など顧客セグメントに活用することも可能になります。
前回も書きましたが、2次属性データはそれこそ何億パターンでも作って行くことが可能なので、自分達の事業構造を理解した上で、どういう2次属性データが自分達のビジネスに意味があるのかを模索しながら分析ることが必要になります。
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