新進気鋭のSNS「Ello(エロー)」に登録してみたついでに、SNSの歴史を振り返ってみる。/ニュースななめ斬り by ギックス

AUTHOR :  田中 耕比古

SNSが立ち上がるのって面白い

本日は、最近話題になっている(というか、なりつつある?)SNS「Ello(エロー)」に関して取り上げます。

ぼ、ぼくは、あ、アーリーアダプターになりたいんだな。(はだかの大将 状態)

僕が「Ello」を知ったのは、こちらの記事でした。 話題の新SNS「Ello」に招待されてみたらエッロ!何これエッロ!(モフモフ社長の矛盾メモ) え、エロいの?と思って記事を読んだら、別にエロくはなさそうだったのですが「立ち上げ期のSNS」ということでめっちゃ興味を持ちました。特に、記事内のこの一言が胸に突き刺さります。

でも、完全招待制なので、ユーザーはいつもの早耳アーリーアダプターさんばっかり。まだまだ本気で活動してる人は少なく、タイムラインが動きません。

なにそれ。アーリーアダプター。カッコいい。。。 というわけで、Twitterでつながりのあるモフモフ社長=岡安さんに「招待して」とお願いして入会しました。岡安さん、ありがとうございます。

使用感等は皆様の記事にお任せします

画面キャプチャなどは、皆様の記事にお任せしようと思いますので、リンクを貼っておきます。(前掲の、モフモフ社長の記事も是非ご一読を。)

ちなみに、上記Naverまとめ(1)によると・・・

Ello(エロー)のもう一つの特徴として、表現の自由が挙げられます。 文化としてのポルノグラフィーをサイトに定義されることを嫌った表現者は多く、アーティストや先ほど例に上げたLGBTといった層は、自らの表現を発信できる場を求めていたのです。 これにマッチしたのがEllo(エロー)でした。 現在Elloではだれでも自由に性的なコンテンツの投稿ができ、過半数が性的なコンテンツの場合はフラグを立てるというルールが有ります。これによって、性的なコンテンツを見たくないというユーザーの目から投稿を隠し、お互いの表現の自由が守られる仕組みを作っています。

え、やっぱエロいんじゃん・・・的な。

と、いいつつ個人的感想

とか言いながら、少し使ってみたなかで個人的に感じている事を幾つか。

「iPhoneでは使いにくいかも」:登録直後の僕にはプロフィール写真のUPLOADもままなりませんでした。まだ、現状はPCベースなのかもしれませんね。(iPad miniだと多少使い勝手が良かったです。)

「文字数制限がないのは気楽」:文字数制限が無いので、Twitterよりもサラサラ書けます。ただ、これはTwitterというものが先にあって、それに慣れた人たちだからころ、なのだと思います。(Twitter以前の時代は、文字数制限がない=長い文章を書かねばならぬ という強迫観念があったので、”気軽に短文を呟いていいんだよ”という概念は、本当に画期的でした。もう、相当浸透しましたよね・・・)

「Facebookより薄いつながりでOKなのも気楽」:まだ立ち上げ期ということで知り合いがいない、というのも一因なのでしょうが、UI的にも機能的にも、Facebookのような”リアルなつながり”感が希薄ですね。SNS疲れしてる人にはピッタリ、と言われているのも頷けます。

UIが改善すれば、書きたいことを書き、面白いと感じたことを他人を気にせずに投稿する、という動きでドンドン使えそうな予感がしています。(近く、iPhone用/Android用アプリがリリースされる予定、ということなので、それがでてからが本番って感じでしょうね。きっと。)

SNSの歴史を簡単に振り返ってみる

思えば、日本には世界に・・・は誇れないかもしれませんが、日本国内を席巻した伝説のSNS「mixi」というものがありましたし、同時期の「GREE」もmixiよりもビジネスサイドに近い臭いがするSNSとして頑張ってましたよね。(あとは、時代のアダバナ的存在として、ビルコムが立ち上げた「ビルコレ」とかもありましたし、なんか、非常に面白かった時代ですよね)

GREEはアバターとかやり始めたかと思うと気づくとゲームが主流になってしまい(SNSではなくソーシャルゲームにシフトしたってことなんでしょうかね)、現状もSNSの体を残しているのはmixiくらいなんですかね。

SNSってなんだったのだろう

僕が最初に使ったSNSはGREEでした。おそらく2004年の秋頃だと思います。mixiは多分2005年後半くらいから使い始めた感じですね。

それまでは、僕は「Yahoo!メールグループ」を使って、メーリングリストを運用していました。大学の同期とやりとりするのに、メーリングリストが便利だったからです。また、自分でホームページ(笑)をつくって、掲示板を設置したりもしてました。こっちは、本当に仲のいい奴だけが、たまに書き込んでくれるくらいなものでしたけど、それなりに楽しかった記憶があります。(なんか、あれですよね。インターネット黎明期感が漂う話ですね。新卒で社会人になった2000年頃の話です。はい。)

結局のところ、僕にとってのSNSっていうのは「リアルな友達とのコミュニケーション円滑化の場」だったんですよね。だから、ネットワーク上だけでつながる人というのは許容しない。という感じでした。だから、mixiで匿名が使われていようとも、実際には誰なのか特定できている人つながってました。(実際に知っている人を表す記号として”匿名のニックネーム”を認識するということですね。)ですので、使い方としては現在のFacebookに近かったのだと思います。

このころの投稿は「日記」に近いものが多かったように思います。いわゆる「ブログ」ですね。短文投稿をするということは、当時の僕の頭にはありませんでした。livedoor Blogとかも運用していたので、長文アウトプットをする場所が多すぎて「読み手に合わせて変えている」と言いつつ、まぁ、明確には区別がつかなくなってきていましたね。

即座にアップする、というビヘイビア

その後、Twitterを2009年初にFacebookに登録(ちゃんと使い始めたのはもっと後)。2009年夏にツイッターに登録(こっちは当初からそれなりに使ってたかなー)しました。あとはTumblrを、今でいうInstagram的に「写真をバンバン上げるもの」として使ってみてたりしてました。改めて思い起こすと、Twitterの140字という制限は絶妙な長さだったんだなぁと思います。特に、「英数字140字」と「漢字を含めた日本語の140字」ではその情報密度が大きく違いますから、日本人には、尚更フィットしたんじゃないかなと思いますね。

このあたりで「短文投稿」とか「気づいたものをとりあえずUPする」というビヘイビア(振る舞い)が、当たり前のものとして、僕自身にも、僕の周囲の人たちにも浸透してきたように思います。

尚、2005年とか2006年とかの頃には、ツイッターのような短文形式のミニブログ(マイクロブログ)を日本でも始めよう、という動きがありました。サービス名を忘れてしまいましたが、現在某社のCMOを務めている友人が色々画策していました。ガラケーの時代でなかなか使い勝手が良くならなかったりして立上げに苦労していました。が、非常に面白い試みだったなと(今になってみると)思います。

同時期に、前述したビルコレのような「特定領域に特化したSNS」も動き始めました。ビルコレは、買ったもの・欲しいものを登録していくことで”嗜好”が近い人および、自分が買うべき商品を見つけられる、といったようなショッピング特化型SNSでした。ある意味では、食べログのお買いもの版に近かったのかもしれません。(僕の思う食べログの正しい使い方は、総体としての星の数ではなく、好みが近い(と思われる)レビュアーさんのおすすめの店を狙い撃ちする、だと思ってます)

こうしてみると、時代の流れとともにSNSの使われ方(あるいは、運営サイドの使わせ方)が変わってきていることがわかりますね。これらを踏まえて、今後の流れを想像するのも楽しいです。

立上げ直後に”使わせる”、会員増後に”マネタイズする”の、二つの局面をどう乗り切るべきか

最近、僕の周りはfacebookが主流です。Twitterは閑散としてますね。mixiは僕自身もログインしてません。この3つは、全て「一世を風靡した(あるいはしている)」SNSです。しかし、使われ方に差ができつつあると感じます。これは、何故おこるのでしょうか。

SNSが難しいのはおそらく2局面あるのだと思います。一つ目は当たり前ですが「立上げ期」。二つ目は「会員増加後の方針転換期」でしょう。

立ち上げ期に「使わせる」

SNSの立上げ期は、とにかく会員が必要です。その一方、サービスとしてフワフワしてるので、ある程度ベクトルが近そうな集団・尖ってそうな集団を集めないとなんだかよくわからなくなってしまいます。(SNSの性質上、他人の投稿がコンテンツになりますので)

実際に人を集めて投稿(=コンテンツ)が増えている ということと ちゃんと面白そうなやつが参加してる(あるいは参加してる感がある)ということが非常に重要なわけですが、これって相当難易度高い話ですよね。

さらに事態をややこしくしているのは、この時期にマスマーケ施策を打ちまくって会員を集めても、参加した人のほぼ全員が”右も左もわからない”状況になってしまうというところでしょう。うまく「自分なりに使ってくれる人」を一定数集めるというのは、非常に難易度が高いと思います。

現在のElloは、まさにこのステータスなので「自分で試行錯誤してくれる人・自分で使い方を考えてくれる人を集めよう」ということで、完全招待制にしているのでしょう。(つまり、僕みたいな”教えて君”は「おとなしくレイトマジョリティーに留まってやがれ」という話ですね。ほんと、すみません。)

会員増加後も「使い続けさせる」

一方、その立上げ期を乗り越えて、会員が順調に増えてくると、運営サイドは大きな選択を迫られます。「このまま進む」のか、「方向を変えるのか」です。

【方針転換しない場合】

そのまま進む、ということは、既存サービスの方向性のままマネタイズを考えるというものです。これは、既に入っている人たちに「機能強化・付加機能の提供で支払いを求める」というものと「会員向けの情報提供機能で企業からお金を取る」というものに大別できるでしょう。mixiプレミアムは前者ですね。GREEがアバターをやってたのも前者に入るでしょう。一方、Facebookの広告配信や、Twitteのプロモツイートなどは後者でしょうね。

【方針転換する場合】

一方、まったく違う機能で訴求する、ということがあります。GREEのゲームへの転身が非常にわかりやすい例かもしれませんが、LINEも同じですし、mixiが爆発的に株価をあげたのも同じ話ですよね。既存会員向けというよりも新たな層に新たなサービスを提供したことによるマネタイズです。

他にも、普通に物販しちゃうとかもアリですよね。会員ボリュームがあるならば、いろいろやり方はあります。

但し、これらの方針転換は、既存会員が離れていくというリスクを孕みます。初期のGREE(SNSとしてのGREE)を使っていた人たちの多くは、ソーシャルゲームへの転身によって離れてしまったのではないかと思います。それでも大成功を収めたのは、既存会員とは異なる顧客層を”爆発的に大量に”刈り取ったからでしょう。(※LINEの場合は、もともとソーシャルゲームと親和性が高い会員層だったので、既存会員離脱などの問題が顕在化していないのかなと想像しています。)

物販を行う、という場合には、例えばビルコレみたいな「もともと買い物と親和性が高い」SNSが立ち上がっていればスムーズに行えるかもしれませんが、Facebookがやる、というとなんだか難しいんじゃないかなーという気がします。他にも、例えばSONYが上手くSNSを立ち上げていた場合には、音楽や映画などのコンテンツ及びSONYのAV機器を販売するのは良さそうです。あるいは、クックパッドが調理器具を売るだとかも無理が無い流れですよね。(やってたらすみません。業界に疎いもので・・・)

 立ち上げ期のSNSは面白い

SNSのサービスが変遷していった歴史をみつつ、個々のSNSの方針転換などを踏まえると、現在立上げ中のSNSが、今後どのように発展していくのか(あるいは衰退していくのか)は、非常に興味深いテーマとなります。

例えば、Elloに招待してくれた岡安さんの経営する会社「アーガイル」では、趣味が同じ仲間と楽しむSNS Graphy(グラフィー)を近々ローンチするそうです。(現在、事前登録中。僕も登録してみました。)

こういう立ち上げ期のSNSに参加してみて、どういう形で発展・変化していくのかを眺めながら、その大きな流れとかうねりとかに身を委ねてみるのは非常に面白い体験だと思いますので、参加してみてはいかがですか?

というわけで、Elloに参加した方は、是非、アーリーアダプター気取りのレイトマジョリティーな僕を探してみてくださいませ。 ⇒ https://ello.co/taga (※タイムラインが完全に「キョロ充」です。)

それでは皆様、Let’s ”Say Ello・・・”

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