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第4回 デザイン会社を選定していこう 提案依頼編/ベンチャー社長の「オフィス移転プロジェクト」

AUTHOR :  網野 知博

カフェ風オフィスではなく、カフェをオフィス仕様にする

弊社は2014年8月中旬に新オフィスに移転致しました。新しいオフィスに引っ越ししようかな、と思い始めたのが2014年2月上旬。それから半年ほどで無事に引っ越しました。分からないことだらけでスタートしましたが何とか無事に引っ越すことができました。次にオフィスを移転する時の備忘録もかねてオフィス移転までの経緯を連載で書いていこうと思います。普段記載しているOwned Mediaの記事と比べると非常に緩い連載になりますが、お付き合い頂ければ幸いです。

前回の「第3回 足で不動産の候補物件を選定していこう」では実際に物件の内覧を行い物件を選定していくことに関して紹介しました。

借りたいと思っても必ず貸してくれるわけではない

4月中旬に物件の選定が終わり契約に向けた手続きに入ります。結局借りる事になったのは三田にある「三田国際ビル」と言うビルになります。貸し主さんが三菱地所さんになりますので、なかなか厳格で厳しい審査があると言う話でした。当時でまだ創業1年4ヶ月の企業ですので、申込みをする際に、会社案内だけではなく、色々なアピール材料を集めます。とりあえず、当面の食い扶持はあると言う証明として長期で契約を結んでいるクライアントとの契約書や、今後3年間の事業計画書、弊社を取り上げてくれたメディアの掲載記事一式などを取り揃えて提出します。

結局問題なく貸してくれる事になったのですが、弊社がベンチャーと言う事もあり、家賃1年の前払いが賃貸条件になりました。保証金もしっかり12ヶ月分取られますので、入居前に家賃の24ヶ月分を収める事になります。2年の賃貸契約に対して最初に24ヶ月分の家賃を収めることになったので、先方にすれば全くのノーリスク。じゃあ審査とかいらないじゃないか、などと思いつつ、こちらも物件を気に入っており借りたいと言う想いもあるため、あまりうるさく言わず何事もなかったようにけ入れる事にします。笑

ちなみに、前払いなどの条件はありましたが、三菱地所さんはベンチャー企業の入居を増やして行きたいと考えているらしく、本来は非常に堅い会社にも関わらず、その後も色々と無理な相談にも(必ず持ち帰っての判断が入りますが、笑)柔軟に乗って頂けており助かっています。

デザイン会社は何社に声をかけるのが妥当なのか?

4月下旬に物件の仮契約を締結し物件の確保が確定したので、ついに内装工事をして頂く会社を選定していくことになります。何社くらいに声をかけてコンペをするのが最適なのでしょうか? 今回の不動産仲介を担当してくれた大塚さんに聞くと、まあ3〜4社くらいが妥当じゃないですか、と言うことなので、大塚さんから3社ほど紹介をして頂きます。デザイン重視、バランス型、什器メーカー系と言う感じでそれぞれ特色に違いがある会社を紹介頂きました。それに加えて、不動産仲介の大塚さんを紹介してくれたアクセンチュア時代の後輩山本君から、彼らがオフィス移転をした際に担当をしたデザイン会社を紹介頂き、合計4社からご提案を頂く事になります。

内装のお打ち合わせをゴールデンウィーク明けの5月の上旬に行い、ご提案を受けるのは5月末と言う形にしました。5月末にご一緒するデザイン会社を1社選定し、その会社と詳細を詰めて行く形にします。ゴールデンウィーク中に内装のデザインを自分でもあれこれ考えて、デザイン会社さんへお伝えする要件を固めて行きます。細かい諸条件などはあるものの、どのようにデザインしてほしいかと言う一言があると依頼する時にこちらも楽だし、先方にも伝わりやすいので、何をどう伝えるのが良いのかにこだわりました。出した結論が「(当時弊社が入居していた)アークヒルズの1階にあるスターバックスをオフィスにして」と言うオーダーにしました。カフェ風のオフィスにしたいと言う想いがあり、スターバックスやタリーズを100件近く回ったのですが、その中でも特に気に入ったスターバックスがアークヒルズ店だったのです。そのため、何か細かいデザイン条件を素人がこねくり回して伝えるより、プロに実物を見てもらい、彼らの感性でデザインしてもらう方が良いと判断しました。また、カフェ風オフィスと言うオフィスを何件か見学させて頂いたのですが、オフィスをカフェ風にしていくとどうしてもオフィス色が色濃く残り自分のイメージとは異なるため、ベースはカフェにしてしまい、そこに最低限必要となるオフィス機能を付けて行った方がイメージに合うと言うことも分かってきました。

「下にあるスターバックスを見学して、それをベースにデザインしてください。カフェ風のオフィスと言ってもオフィスをベースにカフェ風にしていくのではなく、カフェそのものをベースにオフィス機能をアドオンする感じでお願いします。」と言うオーダーでデザイン頂く事になりました。これに加えて、座席数やその他の条件などを簡単にお伝えして、後はデザイン会社の提案力にかけて行こうと言う作戦です。

RFPとは言えないレベルですがデザイン会社への要件を参考までに記載しておきます。

1,  空間イメージ

ベンチマークはアークヒルズにあるスターバックス。オフィスのカフェ風ではなく、カフェにオフィス機能を付けた感じで。

2,  レイアウトに必要なもの

  • 座席:30名様分の座席。固定席は8名分で、後はフリーアドレス。
  • 会議室:MAX8名で話す内容が聞こえない仕様。プロジェクターもしくは仕様によってはモニター可。
  • 本棚:500冊分の本棚。
  • 小さいプリンタ(かっこわるくなるので大きな複合機は置かない)。
  • イメージが崩れないならハンガー。
  • ホワイトボード等でたくさん書ける場所があるといい。

 3,  座席に関して

  • 普通のオフィス的なデスク、チェアーではなく、カフェのイメージになるように。特にオフィス用のチェアーは厳禁。
  • 見た目が悪くなければワゴンは設置したい。
  • 固定席は、GiXoの”X”をイメージした十字形のデスクを造作したい。4人がけの十字形のデスクを2つで、アナリティクスチーム用と戦略チーム用。
  • 分析チームの席の下にPC程度の大きさのサーバーを置くが目立たないようにしたい。
  • 低いテーブルや大きいテーブルなどスタバのように席を置きたい。
  • 固定席には1名4口タップ程度の電源
  • 他の席は全てに電源がある必要はなくところどころでOK

4,  LAN/電話等

  • 無線LANで高速に通信できるもの
  • 分析チーム用に有線2本
  • 電話番号は取得するが固定電話は使用しない(各座席に電話は必要ない)

5, 入り口のセキュリティ

  • 共有部扉にセキュリティ機器の設置が必要。
  • インターンなどの数も多いため、カード型や番号だけを入れれば開錠するようなものではなく、指紋と個別番号により開錠されるもの。入退出のログがとれること。
  • MAX50名様程度の登録を想定
  • 共有部扉にインターホン設置が可能であれば、室内に執務室に入る扉を設置しなくてよい

6, 予算

○万円程度

こうして4社のデザイン会社に要件を伝えて、後は提案を待つだけになりました。次週は「デザイン会社を選定していこう 選定編」になります。

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