ドラクエのように分析レベルを上げていこう|ロールプレイングゲーム型分析学習でラスボスを倒せ

AUTHOR :   ギックス

本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

「分析する」は「ラスボスを倒すための旅」だ。

みなさん、ドラクエを知っていますよね。ロールプレイングゲームの名作です。

徹底的に考えて作りこまれた「学習プロセス」

ドラゴンクエストは、非常に考え込まれたゲームです。そして、その第一作である所謂「ドラゴンクエスト I 」は、ロールプレイングゲームという「世の中になかったもの」を、説明書を読まなくても”徐々に覚えていく”ように仕込まれています。
このゲームデザインについては、参考記事として、非常にわかりやすくまとめられているものをご紹介しておきます。:ファミコンから学ぶ情報デザイン.1
また、本エントリーでは、こちらの記事から抜粋・引用して解説していきます。まずは、スタート直後の画面「王様の部屋」についてです。

オープニング/王さまの部屋:

ゲームは王様の部屋から始まる。そこでプレーヤーは王様から「旅の目的」と「宝箱」についての情報を教えられる。その後、同室の兵士達から「さらわれた姫」「宿屋」「鍵」「最初の目的地」についての情報を得る。鍵を手に入れ、部屋を出るまでにゲームに関する基礎的な知識を学ぶことができる。
出所:ファミコンから学ぶ情報デザイン.1

チュートリアルとしての役目を果たしている、ということですね。ここでの鍵となるのは

  • 行動を制限する
  • シンプルに伝える

出所:ファミコンから学ぶ情報デザイン.1

となります。続いて、城を出て外に向かいましょう。

フィールド:

城から外に出ると、プレーヤーの行動可能範囲は一気に広がる。前述のオリエンテーションでは近くの街で武器、防具を揃えることを勧められており、プレーヤーは右上の街へと移動する。道中、画面右下に別の城を見て取ることができる。これは海で隔てられており、すぐに向かうことができないが、最終的に向かうことになる「竜王」の居城である。
出所:ファミコンから学ぶ情報デザイン.1

このポイントは

  • 次にすべきことを分かりやすく示す
  • 最終目的を表示する

出所:ファミコンから学ぶ情報デザイン.1

です。引用の最後はバトルです。

バトル:

RPGの戦闘ではたくさんの情報の提示と、複雑な命令のやり取りが行われる。画面中に複数の「ウインドウ」を配置し、それぞれに「プレーヤーの状態」「命令(コマンド)の選択肢」「履歴の表示」という役割を与えている。攻撃が成功したときはモンスターのグラフィックを明滅させ、逆にダメージを与えられたときは画面全体を振動させることでそれを表す。また、体力の低下に伴い、画面上の白文字を赤に変化させ、危険な状態であることをユーザーに示す。
出所:ファミコンから学ぶ情報デザイン.1

情報の”見せ方”をコントロールしている、というお話です。要は、

  • 情報は種類ごとに分けて表示する
  • 色やアニメーションで状態を示す

出所:ファミコンから学ぶ情報デザイン.1

ということになりますね。当該サイトでは、他にも「スーパーマリオブラザーズ」や「ドンキーコング」のゲームデザインについて解説していますので、興味のある方はご覧いただけばよろしいかと思います。

分析においても同じことです。

さて、この話の鍵は「説明書を読まなくても、自然な流れで学んでいくことで、自然と”ルール・お作法”を覚える」ということです。これはゲームの世界では当たり前のことで、いわゆる「セオリー」というヤツです。ゲームの作り手が「次に何やればよいのか」をうまくガイドしてくれるので、徐々に”世界”に馴染んでいくことができます。そうこうするうちに、キャラクターのレベルが上がっていき、新たな武器や防具が手に入り、どんどんと「さらに強い敵」を倒し、「最終目的=ラスボスを倒す」に近づいていきます。

いきなりラスボスに立ち向かっていませんか?

しかし、「分析業務」となると、このセオリーから外れる人が多いように思います。なぜ、まだ武器や防具もそろっておらず、強力な魔法も覚えてもいないのに、いきなり「ラスボス」に立ち向かおうとするのでしょうか。
これには、大きく分けると2つの課題が潜んでいます。

1.BIツールが、親切じゃない

ひとつめは、世の中のBIツールが、ロールプレイングゲームほどに”初心者に対する親切設計になっていない”ということです。生まれて初めてロールプレイングゲームをプレイする小学生が、説明書を読まなくてもガンガン進むことができるような形とは、ほど遠い状況です。
想像してみてください。家に帰って、ワクワクしながらゲームを起動したら、最初に「ファクト表」とか「ディメンジョン」とか言われるわけですよ。
dq002
あるいは、
dq001
ってことですね。
ええっ? って感じですよね。(まぁ、この場合、選択なのか洗濯なのかも分からないと思いますが、それは別の話です)
このように、BIツールの設計思想において「どの順番で、何をすればよいのかを”徐々に学ぶ”」という形でつくられていないことが、分析業務をとっつきにくいものにしているわけです。

2.ビジネスとしての「目的」を定義していない

もう一つの理由は、BIツールの問題ではなく、ユーザー部門の問題です。分析とは「目的」が先にあるべきです。先述したBIツールは、所詮はツールですので、目的はビジネスサイドすなわちユーザー部門が定義しなくてはいけません。(関連記事:OUTPUTとOUTCOME
分析業務においてありがちな失敗は「とりあえず、分析してみて」というものです。何を目指すのかも含めて、分析しながら考えろ、という指示は、はっきり言って無茶ぶりです。
あるべき形としては、「最終的には竜王を倒して、ローラ姫を助け出したい」という最終目的と、「そのためには、まずロトの洞窟で石版を読んで、やるべきことを見定める」という直近の目的が定義されているべきでしょう。
ちなみに、このときに「竜王を倒す!とにかく倒す!どうしたらいいかわかんないけど絶対倒す」というのもいかがなものかと思いますが、それよりもマズいのは「えっと・・・なにやるのかわかんないけど、とりあえずスライム倒して倒して倒しまくってます」という状況でしょうね。

分析の世界にも「チュートリアル」「レベルアップ」の概念を持ち込みたい

では、どうするべきか。答えは、「目的を定めて、実際にやってみること」です。それしかありません。ただ、先ほどから述べているように、その際に「正しい順番でやった方が効率的」というのも間違いないです。そして「適切なガイドが付いていた方が、順番を間違えにくい」のも自明です。
世の中には、多くの「データサイエンティスト養成講座」や「データ分析講座」がありますので、それらを活用することで”ガイド付き分析”に近いことができるようになると思います。一方、それらの講座では「ダミーデータ」を用いて分析することになります。これは「手法・考え方」を学ぶには十分ですが、実際に自社に戻って何かを分析しようとすると、思い通りにいかないことが多々あります。
それらの課題を解決するための一つの答えとして、「自社データを活用したデータサイエンティスト育成講座」があると考えています。これは、クライアント企業のデータを用いて”分析レベルに応じたレポート”を順番に提供していきながら、それにそって”分析結果の解釈の方法”を実際に学んでいくという形式で進められます。自社データを使うことにより、この講座は「単なる分析のお勉強」ではなく「実際の業務に繋がる分析」をガイド付きで正しい順番で行う、という意味あるものになるわけです。
尚、この”分析レベルに応じたレポート”そのものが、ドラゴンクエストのように”次に進むために知るべきことから、順番に提供する”という思想で設計されていますので、ガイド=攻略本/説明書なしでも、ラスボス退治の旅に出かけられます。
分析力によって世界を救いたい、とお考えの方は、ぜひ、graffe.jpのサービス活用をご検討いただき、共に竜王を倒すたびに出かけましょう!

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