ギックスCEO網野 /取締役 花谷が【成果出す会社に学ぶデータサイエンス講座】に登壇(2014/6月)
日経情報ストラテジー主催のセミナーに株式会社ビューカードの会田雅彦常務取締役と共に、弊社網野と花谷が登壇しました。先日速報でお知らせした第3部のパネルディスカッション、第1部の講演録に続いて、第2部の講演内容をご紹介致します。
開催日時:2014年6月24日(火)13:00~14:25 「チームCMO」と1年で結果を出したビューカード 440万会員のビッグデータ分析で成果を出す
3. ビューカードの取り組み
※第2部講演録 前編をお読みでない方はコチラから。
会田さんからのお話にもありましたが、2020年の目標値を面積図で書くとこんな感じなっていてですね、会員も利用額も増やさないといけないというチャレンジングな目標であるわけです。
まずは、最初の6週間で方向性を出そうという話だったので、悠長に分析をしている暇はありませんでした。6週間で方向性を提示する為に、最初の2週間で事業構造を理解し、何を分析するべきかを明らかすることに注力しました。
ビューカードは鉄道系のカードなので、我々が3種の神器と呼んでいる定期券の購入・Suicaチャージ・中長距離の鉄道利用、それに加えて提携店での利用、市中(鉄道や提携店以外での利用)といった5つの利用先毎に利用実態を把握しました。提携カードもあるので、ルミネカードをルミネで使う等といったお店専用カードとしての利用状況の把握等も併せて行いました。
こういう分析を基に事業構造の理解を進めました。更に、カード毎に特徴があるので、カード軸でどんな使われ方をされているのかを分析しました。
ファン度を代替する指標として、前述の5つの利用先のうち、いくつの利用先を利用しているか設定しました。利用先が多いと、利用額も高いのかなというイメージを分析によって検証しました。案の定利用先が多いと利用額も上がってくるということが明らかになりました。これによりアクションも明確になります。
この利用先数をカード別に見てみると、プロパーカード(VIEWスイカカード)は割と複数利用先が多いが、ルミネカードやビックカメラSuicaカードは特定利用先の割合が高いということがわかります。
これだけでは戦略は作れないが、こういったメッシュでデータを分析し、事業構造を理解して、戦略を立案するという流れです。
我々にとって重要な気づきだったのは、「入会チャネルと理解度」についてです。ビューカードは難しいカードなので、きちんと学んだ人でないとビューカードは使いこなしていないだろうなと言う印象がありました。この理解度を測る指標ないか考えて際に、代替指標にしたのが、オンライン入会です。比較購買を実施しているはずのオンライン入会者は店頭入会者に比べてきちんとビューカードを理解して入会しているはずだとの仮説です。結果はドンピシャで、AC(オートチャージ)、MS(モバイルSuica)の利用率や平均利用額が高いということがわかりました。難しいカードだからこそ、ちゃんと理解して入会してもらえれば、使って頂けるということもわかりました。
こういった分析を繰り返すことで事業構造を理解し、今後の方向性も見えてきました。方向性が定まった後はPDCAをまわしていくことになる。もしかしたら、本日ご参加頂いた方の中には、最先端のアルゴリズムや方程式を用いたすごい分析の話が聞けるんじゃないかと思ってご参加頂いた方もいらっしゃるかもしれません。しかし我々の分析は結果、効果にこだわったものになりますので、実はクロス分析のような単純な分析でも色々なことが導き出せますよということをお伝えできたかと思います。
本日はご清聴頂きありがとうございました。
【成果出す会社に学ぶデータサイエンス講座:記事リスト】
- パネルディスカッション(ビューカード×ギックス)
- ビューカード会田常務 講演内容
- ギックス網野・花谷 講演内容(前編)
- ギックス網野・花谷 講演内容(後編) 【当記事】