「Questant(クエスタント)」を最初からガッツリ使ってみたら記事広告の取材を受けた
前回の記事「セルフアンケートASP 「Questant(クエスタント)」を使ってみた:セルフアンケートブーム到来の兆し」では、セルフアンケートASP「Questant(クエスタント)」について紹介しました。
この手のセルフアンケートは「専任担当者」を介さず、思い立った時にいつでも誰でもアンケートを作成でき、迅速に回答を集めることができるため、まずは飲み会やイベントの出欠確認、社内イベントの満足度調査などを社内で試しに活用してみる方が多いようです。しかし、弊社は最初からガッツリとクライアントの顧客データをもとに、本気のアンケートを行いました。
実施内容は前回の記事を参考にして頂ければと思いますが、簡単に紹介すると、「本来ならばあるサービスを利用していても良いはずなのに、それを利用をしていない顧客に対して、なぜそのサービスを利用していないのか?」を投げかけるアンケートを実施してみました。弊社のマーケティングのアプローチは、狙いたい顧客であるターゲット顧客と言う考えではなく、自社の商品・サービスの売りであるUVP(Understandable Value Proposition=顧客の「肚(はら)に落ちる」提供価値)と言う観点から、「その商品・サービスを”使うべき顧客”」は誰なのか? と言う考え方をします。そのため、「UVPと言う点から見ると、本来なら使っていてしかるべきお客さんが、なぜゆえ使ってくれていないのか。」と言う点を明らかにすることを目的にアンケートを実施しました。
初回からあまりに本気の使いっぷりに、マクロミルさんから是非記事広告用に取材したいとのご依頼を受けまして、7月中旬の夏真っ盛りの日に「日経ビジネス」の記事広告の取材を受けてきました。この記事広告は8月8日に発行される日経ビジネスに掲載されるようです。1時間の取材で掲載は数十行程度なので、話したことの大半はカットされる運命にあります。笑
余談ながら、取材を受けた謝礼として、Questantのノートを頂きました。笑
結局何が優れているのか?
取材の時に聞かれたのですが、Questantは何が優れているのか?と言う点を整理したいと思います。
マクロミルさんが売りにしているQuestantの特徴は大きく以下の4つだと思われます。
- 対話型で簡易にアンケートが作れる
- 簡易に結果を分析しグラフで表示できる
- サポートが充実している
- 安価である
アンケートに慣れていない方々は上記の4つは価値になるのかもしれませんが、アンケートに関しては相当の玄人である弊社の観点は少し異なります。今回はアンケート玄人の視点から見た評価を書いて行きたいと思います。
まず、特徴2のアンケート結果を簡易的に分析できる機能がある点ですが、これは弊社はローデータを吐き出して、使い慣れた分析ツールを活用したいため全く使っていません。無いよりはあった方が良い程度の機能と捉えています。また、特徴3のサポートですが、アンケートの設問設計ができる方々には、こちらもまず必要になることはありません。おそらく、問い合わせ内容はせいぜいQuestantの使い方の質問になると想定されますが、Questantは非常に簡易に使えるので、感覚で使えるためコールセンターに聞くこともありません。
アンケート玄人にとってQuestantが優れている点は特徴4の安価であること、そして特徴1とは少し異なるのですが、アンケートを設計する際の質問ダイプが非常に充実しているなど、アンケート機能としてはほぼ全て必要な機能を実装していることと言えます。値段のことに関して言及する前に、アンケート機能に関して言及していこうと思います。
少し凝ったアンケートでやりたいような機能はほぼ全て対応できる。足りないのは画像のアップを求める質問くらい。
アンケート作りの根幹となる利用可能な「質問タイプ」を見て行きましょう。質問タイプは以下の10タイプになります。
- シングルアンサー(ラジオボタン)
- マルチアンサー(チェック)
- 5段階評価など(スケール)
- プルダウン
- フリーアンサー(テキスト)
- ランキング
- マトリックスのシングル
- マトリックスのマルチ
- 説明文
- 画像
これらの10個を見るだけで、やりたいことはだいたいできそうだなと言う印象をお持ちになると思います。最初の5つくらいは当たり前にあることは想定できますが(というか、これが無ければ始まらない)、ランキングなども当たり前に入っているのです。
回答の設定に対しても、必須の質問か、であったり、選択肢をランダムに表示するか、などがあります。また、例えばランキングでは順位の数の指定や、単位を設定できるなど、通常のマクロミルさんに依頼するアンケートと変わらないレベルで自由度の高い設定を行うことができます。
コンサルタントが使いがちなマトリックス質問も、マトリックスのシングルアンサーに加えて、マトリックスのマルチアンサーなども選択可能です。また、回答を横で答えさせる場合と縦で答えさせる場合もどちらも選択可能になります。
こういった質問タイプに加えて、この質問で○○を答えた人は、Q△番に飛ぶなどのロジック制御も当たり前にできます。また、アンケートの告知も、メールアドレスがあれば一斉配信設定が可能であったり、アンケートの告知をそのままTwitterやFacebookに上げることもできます。アンケートの締め切りを、「締め切り数」で設定したり、「締め切り日」で設定したりすることも可能です。当然マルチデバイス対応されており、スマートフォンユーザーであっても、快適に回答を行うことができます。
こうやってできることを見ると、通常やりたいアンケートに関してはほぼ全てこれで実装することができると考えてよいと思います。今のところ使ってみて、これがあれば良いのにと思う機能は、写真などの画像のアップロード機能くらいでしょうか。
年間固定払いなので、契約したらしっかりと使い倒すべき
続いて、最初に申し上げた安価であると言うことに触れたいと思います。Questantは無料プランが1つ、有料プランが3つありますが、アンケート完了後に無料プランと安いタイプの有料プランだと以下のようにQuestantの文字と、Questantのホームページにリンクされているボタンが表示されます。URLが外せるのはプレミアムプランだけになります。
さすがに法人が自社の会員に向けてアンケートを実施する際に、アンケート回答後の最後の画面にQuestantと言う表記があったり、またQuestantにダイレクトに飛ぶボタンが貼り付けてあるのは好ましくは無いと思うため、法人がガッツリと活用する際にはプレミアムプランでの契約が妥当だと判断しますが、それでも年間30万円程度ですみます。これはもう価格破壊と言っても良いかもしれません。また、プレミアムプランでの契約は年単位での支払いだけで利用毎に課金されるわけではないので、契約したらもう何度でも使いこなし、使い倒すべきだと言えます。とは言え、同じ顧客に何度も色々なアンケートが届くのははっきり言って顧客も迷惑でしょうから、その辺の数の制御は配慮が必要です。むしろ、うまくマイクロセグメンテーションを行いながら、それぞれのセグメントされた顧客に対して、聞くべき内容をきっちり聞いて行く、と言うアンケートを手軽に行って行くのは一つ効果的な使い方と想定しています。
これらはビッグデータの分析でも同様ですが、このように安価で簡易なツールがそろってくると、使い手次第でいかようにでもなりますので、ますますアンケートの設計能力が求められる時代になってくるでしょう。近いうちに、仮説検証型の戦略的アンケート活用に関して記事を書いて行こうと思います。