”考え方”を考える|プロジェクト開始時の「基礎知識・周辺情報」の集め方:垂直立ち上げのために。

AUTHOR :  田中 耕比古

如何に早くキャッチアップするか

本日は、プロジェクト開始or参画のタイミングでの「基礎知識・周辺情報」の収集についてご紹介します。

戦略系コンサルティングのプロジェクトにおいては、最初の数日~長くても1週間程度で、いかに周りのメンバー(お客様含む)にキャッチアップするかが重要です。一般的に、プロジェクト期間が1.5~3ヶ月程度ですので、キャッチアップに1ヶ月もかけていては、戦力になる前にプロジェクトが終わってしまいます。

そこで、知ってて当たり前の「基礎知識」や、議論する際に役立ちそうな”関連する”領域の情報=「周辺情報」を、素早く収集し、自身の中で体系化することが求められます。

まず俯瞰し、注力ポイントを見定めろ

まず、基本動作として「情報を集めるために、真剣に取り組む」という姿勢が求められます。端的に言えば「頑張って文章を読み漁る」ということです。これができない人は、知的体力が不足していますので、それはそれで徹底的に鍛えてください。個人的には、あまり詳しくない領域の仕事をすることになったら、何はさておき4~5冊の関連書籍を読む所から始めるというのは”呼吸と同じレベルで当たり前”だと思ってます。書籍は先達の知恵が詰まってますから。絶対、読んだ方がいいですよ。

目的ベースで関連本を読み漁ることは、大量のインプットを得るにとどまらず、それをトリガーに発想を膨らませることに繋がります。その蓄積を、「自分の考え」に昇華する≒消化するプロセスがたまらなくワクワクするんですよね。思考の連鎖が止まらなくなる感じです。脳髄がチリチリする感じ。シンカホリックの面目躍如というところでしょうかね。

ということで、以降は、そのベースとなる「情報」に向き合う態度・姿勢が既に備わっているという前提でお話を進めます。

薄く広く → 肝を見つけて深掘り

コツは、大きく分けて2ステップに分けられます。

  1. シンプルな情報を、周辺領域・関連領域も含めて、薄く集める =俯瞰する
  2. そこで、コアとなる領域を見定めて、そこを深く掘る =理解を深める

以上です。簡単でしょ?

ただ、これをスピーディーにこなすのは、かなり大変です。

情報ソースの選び方

ここで重要になるのが「情報ソースをどう選ぶか?」です。

情報ソースは、webと書籍(雑誌も含む)が中心です。この2つは、自分が必要な時にいつでもアクセスできるのが特徴です。情報収集のコツとしてよくあげられる「専門家に話を聞く」という場合にも、まずは前提知識を持っておいた方が話が早いので、先にwebと書籍で情報を集めきっておく方が良いです。

この2つの情報ソースの選び方は、特にルールはないのですが(というか、取り組む課題の内容や状況によって違うのですが)、例えば、Amazonで買おう、と言う場合は

  • 全く門外漢の場合は「サルでもわかるxxx」みたいな概要本1冊
  • SCM/CRM/Pricingなど当該領域のコンサル系 1冊(Mck/BCG/ローランドベルガーっていうか遠藤さんあたりがどんな領域でも必ず出している)
  • 具体的な業界事例に使えそうな企業研究書籍1~2冊
  • 他業界での類似事例になりそうな企業研究本があれば1冊

と言う感じになると思います。

サルでもレベルを10分程度で流した後にコンサル本を30分程度で流して、自分の中で全体像をまとめて、それから企業研究本などを事例として30分程度/冊で流してから、再度コンサル本を眺めて頭の中のマップ・フレームワークを再整理、くらいが最初の1クールですかね。

尚、本屋に行った場合は、各5~10分程度で10冊程度(合計1~2時間程度)流し読みをして、使えそうな本を4~5冊くらいピックアップする感じです。

実践:情報セキュリティを考えるなら・・・

ということで、次回からは、架空のプロジェクトを立ち上げて、実践例をご紹介していきます。テーマとしては、近年、「個人情報の取扱い」に関連して注目度が高まっている、”情報セキュリティへの取り組み”とします。

これを題材に、基礎知識・周辺情報の集め方(と、そのまとめ方)について、理解を深めていただければと思います。

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