世の中の大抵のことは「プロジェクト」だ
最近、僕の中で、
※ここでのダイエットは、本来の食事療法的な意味ではなく、いわゆる「
プロジェクト=ゴール達成のための活動
そもそも、プロジェクトとは何でしょうか。私見ですが「ゴール達成に向けた一連の活動」と言って良いと思っています。そういう意味では、世の中の大半の物事は「プロジェクト」として捉えることができます。
例えば、上司に認められて早く出世したい、だとか、より”やりがい”のある仕事に従事するために転職したい、だとか、貯蓄を今より100万円増やしたい、だとか、あるいは、今回取り上げる「ダイエットでxxkg痩せたい」というようなものは、ゴールを定義して、そこに向かう活動ですので、全て「プロジェクト」として定義することができます。
そして、上記例をみれば分かる通り、「ゴールの設定」に際しては、そもそも、現状に対してどういう課題認識を持つか、というところがスタートになります。つまり、現状を正しく認識したうえで課題の設定≒目指すべきゴールの設定を行い、そこに至る道筋を立てて実行する、ということが「プロジェクト」の流れです。
図にすると、こんな感じです。
「ダイエット」をプロジェクトとして定義する
では、実際に「ダイエット」をプロジェクトとして定義していきます。
現場把握と課題設定
まずは現状把握です。これは「健康診断」や「人間ドック」がオススメです。また、場合によっては「スポーツジムでの体組成チェック」なども良いのではないかと思います。(僕の場合は、人間ドックでした。)
人間ドックなどによって、現状が明確に規定されます。BMIや体脂肪率などが「標準より多い・高い」というのが一番シンプルです。あるいは、血液検査やエコーやCT等の結果から「糖尿病」であったり「肝機能障害・脂肪肝」であったり、「メタボリックシンドローム」であったり、というようなモノが見つかることもあるでしょう。そういう”本来あるべきものから、自分がどれくらい乖離しているのか”というところを知ることが、即ち「解決すべき課題」を見極めることになります。まずは、ココから始めましょう。(前述した最もシンプルな基準であるBMIで良ければ、自宅の体重計だけで算出できますが、後ろで”打ち手”を考える際に、バリエーションが出しにくい、というようなことになりえます。多面的に分析するに越したことはありません。)
僕の場合は「体重は標準範囲内」「内臓脂肪は標準」「皮下脂肪は基準内だが少し多め」「血液検査の結果、基準値内だが中性脂肪や悪玉コレステロールが高め」などの情報が出てきました。
真因を発掘する
上述した「皮下脂肪が多め」「中性脂肪や悪玉コレステロールが高め」というような話になると、「バランスの良い食事を取ろう(高脂肪食は避けよう)」「カロリーを気にしよう」「運動しよう」みたいなところに落ち着くわけですが、本当にそうなのか?ということを突き詰めておくことが重要です。
というのも、表出している問題に個別に対処しても、「対症療法」に終わってしまう恐れがあるためです。
僕の場合は、「酒」に集約されました。
「酒を飲む」ことが「酒のカロリー摂取」だけでなく、「お酒を飲む際に、必ずツマミを食べる(お酒が主でツマミが従の関係性なのだが、とことん飲む=とことん食べるを意味する) 事による過剰なカロリー摂取」を引き起こし、さらに「飲んだ後にラーメンを食べる、コンビニでオニギリを買ってしまう」というようなことになってしまっていました。なんなら、飲んだ後に、コンビニで缶ビールとオニギリと唐揚げを買って帰る、みたいなこともありました。また、言わずもがなですが、家飲みでも、ツマミを食べたり〆に炭水化物を食べたりするのが常でした。
こうなってくると、炭水化物が好きだ、とか、高脂肪食が好きだ、とか、運動不足だ、とかいうことは、もちろん改善した方が良いのは間違いないものの、もはや副次的な要素に見えてきます。
ゴールを設定する
ここまで来ると、あとは解決策を見つけて実行するだけ・・・と思いがちなのですが、ここできちんと「ゴール設定」を行うことが重要です。ゴール設定をすっ飛ばすと、往々にして、目的と手段を混同してしまいます。経験上、目的と手段が切り分けられないプロジェクトは、100%破綻します。
というわけで、別に、KPIでもKGIでも好きな呼び方でいいのですが(厳密には違いますが、プロジェクト実行上は、大した問題では無いハズ)、何を指標とし、目標値をどう置くか、ということを考えましょう。
今回の場合、「酒をやめる/減らす」という解決策が主軸にセットされるのは想像に難くないわけですが、それは目的ではありません。目的はあくまでも「中性脂肪」「悪玉コレステロール」「皮下脂肪」を減らすことです。なので「禁酒1ヶ月継続!」とかいうのはゴールではないのです。
計測し易いゴール”も”設定する
そうすると「中性脂肪」「悪玉コレステロール」「皮下脂肪」というあたりをゴールとしておきたくなるわけですが、これらは自分で気軽に測ることができないんですよね。そういう場合は、「計測可能なゴール(できるだけ、本当のゴールと相関性の高いもの)」を設定しておかないと、何を目指して日々活動指定るのかが、よくわからなくなります。
というわけで、今回は「体重」というメチャメチャ分かりやすいものを「簡単にイメージできるゴール」として設定しました。具体的に言うと大学卒業時点の体重(58kg≒BMI20.4)を目指すということになります。
Gapを理解する
また、このタイミングで、現状との「Gap=差」を見極めましょう。ゴールデンウィークに遊び過ぎたため、5月初時点で人生最高体重67.3kg(BMI23.7)を記録してしまったことに危機感を覚え、人間ドック受診時点には既に減量中(禁酒は未実施)でした。そこから考えると9.3kgの減量をしていくこととなります。(尚、人間ドック時点の体重は、66.5kg(BMI23.4)でしたので、そこを起点とすると、8.5kgがGapです)
10kg近い減量をする、というのは、なかなかハードルが高く感じます。しかし、社会人になってから、ざっくり毎年1kg弱ずつ太ってきた、というのが実態なので、「徐々に太ったから太ってると気づいてなかった(あるいは、気づかないことにしていた)」のだなと深く反省しました。
達成可能な「目標達成時期」を見極める
このGapを理解した上で、適切な「達成タイミングを定める」のが定法です。もちろん、会社経営などにおいては「達成不可能と思われる目標を置いて、そこに到達するための手段を考えるのだ!」という方針もアリなのですが、そういうのはM&Aや事業売却などの超ドラスティックな手段も選択肢に入れて考える場合にしか使えません。
ダイエットの場合、「脂肪吸引」とか「インドの僧侶と共に断食修行に参加して心と体を切り離して精神世界を(以下略)」とか、そういうぶっ飛んだことをやらない限りは、人間の体のメカニズムを越えた減量は不可能です。
一般的に、体脂肪1gを燃焼させるためには7kcalのエネルギー消費が必要、と言われています。(もう少し正確に言うと、脂肪1gから9kcalのエネルギーを取り出せるが、体内では水分20%を含むため、体脂肪1gからは7kcalのエネルギーしか取り出せない、ということになります。)また、成人男性が1日に消費するカロリー量は基礎代謝で1300~1400kcalくらいです。これに、日常生活での運動を加えて、ザックリ2200~2300kcalくらいのカロリー消費をしています。
そうすると、何も食べなければ(理論上は)1日あたり300g強の体脂肪が減る、ということになります。これが「ギリギリいっぱいの限界」です。
しかし、そんなことをすると筋肉も落ちますし、仕事にも支障がでます。というか、そもそも日常生活どころか生命が維持できません。というわけで、仮に1日1500kcalの摂取に留めたとすると、1日当たり約100gの体脂肪減が見込める、というあたりを「実現可能な上限値」として置きました。
これを適用すると、10日で1㎏、1ヵ月で3㎏、3ヶ月で9kgとなります。
「目標達成時期」を決める+本来のゴールも忘れない
今回の場合、「5月初をベンチマークとして、9.3kg減を目指す」ということと、「1日100gずつ減らせば3ヶ月で9kg減る」ということがピッタリ合致したので、7月末で目標を達成(=体重58kgに到達)するということをゴールとします。実際には、例えば60kgまでしか減らなかったとしても誰も困らない(僕も困らない)のですが、まぁ、目標は高い方が良いのは間違いないですし、頑張っていくことにしました。
ここで重要なのは「それなりに分かりやすい・キリの良いタイミングにする」ことです。月末、とかはシンプルですよね。あとは、誕生日などの記念日もOKです。会社の事業計画でも「上半期で」とか「XX年3月期までに」とかって置きますけど、もちろん”達成するのは、早けりゃ早い方が嬉しい”に決まってますよね。でも、モチベーション管理などの観点から、分かりやすい区切りにしておくほうが無難です。
そして、本来の目標も忘れないでください。今回、体重は「簡単・手軽に計測可能な指標」として置いたものですので、実際には「皮下脂肪」「中性脂肪」「悪玉コレステロール」を下げることがゴールなのですから、そのタイミングでそれらの計測もできることが望ましいです。僕の場合、そのタイミング(7月末頃)に、血液検査を実施して経過チェックをすることにしました。
これで、現状把握/課題認識、および、ゴール設定が完了しました。思い入れがありすぎて、長くなってしまいましたので、続き(施策検討~)は次稿とさせていただきます。僕自身、想定外の「連載形式」となってしまいましたが、お付き合いいただければ幸いです。
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