本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
本当の意味で”Business Intelligence”をサポートすることができてますか?
本日は、BIツールについて解説していきます。
尚、BI(ビジネス・インテリジェンス)についてはコチラの関連記事をご参照ください。
BIツールは「BIをサポートする」もの
良くある勘違いですが、BIツールは、BIそのもの、ではありません。
インテリジェンス=意思決定のための知識(個人的には、知恵、という呼び方でも良いように思いますが)は、人の頭で考えることで生まれます。BIツールはあくまでもツールであり、そこには「問い」も「答え」もありません。
要は、人が「問い」を投げ、それにこたえるために「分析」し、その分析結果を受けて考えることで「答え」を出すことになります。このうち、BIツールは「分析」の部分を担ってくれるわけですね。
BIツールは、基幹系システム(情報ソース)と人の考えをつないでくれるもの。
分析業務、というものを考えた際の「BIツールのカバー範囲」を図示すると、以下のようになります。
基幹系システムから情報を受け取り、インプットを得ます。これを「収集」「成形」「蓄積」する部分が、まず最初に必要です。
続いて、これを、分析可能な形に再度「成形」し、「集計」することが求められます。(ここでの集計は、広義な意味だと捉えてください)
その上で、その分析結果を、人が見て考えられるように「ビジュアライズ」し、それを「配信・表示」することが大切です。
BIツールの3つのタイプ
このプロセスの観点で整理すると、BIツールは大きくは3つのタイプに分けられます。
- ①基幹系結合型
- ②BI特化型
- ③アウトプット専用型
①基幹系結合型
これは、基幹系システムと連携する機能が非常に強い仕組みです。基幹系のためのパッケージソフト(OracleやSAPなど)のベンダーが、自社の提供する基幹系システムからデータを引っ張ってきて、分析結果まで出し切るところに強みがあります。
特徴としては、一般的に「非常に高価である」ことと、「開発期間が長い」ことが挙げられます。また、標準化が”鍵”となるパッケージソフトであるため「柔軟性は限定的」だとも言えます。
関連記事:基幹系システムと情報系システム
②BI特化型
これは、基幹系との直接的なつながりはなく、データを収集するところから始めます。このタイプには、Cognosのように重厚長大なものから、Microsoft PowerBIのようにライトなものまで多岐にわたります。
重厚長大なものは、基幹系結合型と同様に「高価」「開発期間が長い」「柔軟性が低い」といえます。いわゆる”システム開発”ですので、「あらかじめ定められた大量のレポートを定期的に、間違いなく吐き出す」という機能としては素晴らしいのですが、要件定義が重要、ということになります。
一方、PowerBIに代表されるライトなものは、「安価」「すぐ使える」という一方、「できることに限りがある(制限がある)」という側面が否めません。
③アウトプット専用型
最後に、アウトプットを出すことに特化したタイプのBIツールもあります。昨今、話題になっているのはこのタイプのように思います。代表的なのは、TableauやClickViewでしょう。
これは分析プロセスにおける「集計」及びその結果を「ビジュアライズ」する部分に特化することによって”柔軟性”と”高速処理”をする、というのが競争の源泉となります。この、「ビジュアライズ」というところを徹底的に強化してアウトプット(処理結果)をアウトカム(成果)に結び付けてほしい、という設計思想に基づいていると言って良いでしょう。
ただ、先ほど述べたとおり「成形」は不得意もしくは全くできないために、事前に「分析ができるカタチ」になるように、データを準備しておくことが必要となります。
大事なのは、自分で「考える」こと。
ここまで読んでいただけばご理解いただけていることと思いますが、BIツールは「考えてくれません」。
考える、という部分は、人間がやるべきことです。(そもそも、機械に「コレが答えだ」と言われて、素直に丸呑みするような人は、わざわざこんな記事を読んでいないだろうと思うわけですが)
つまり、BIツールのアウトプットは「人が考える”ため”に存在するべき」ということです。
意思決定をしよう!
BIツールは、所詮はツールです。うまく使うことが人間の役目です。
そのためには、「どんな問いに答えたいのか」言い換えれば「何を意思決定したいのか」を、あらかじめ明らかにしておく必要があります。
答えるべき問いがあった上で、「それに答えるために十分な情報」が”ビジネス・インテリジェンス”です。そこさえ見誤らなければ、BIツールは、常に「正しいアウトプット」「あなたが求めるアウトプット」を提供してくれることでしょう。
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