ギックスでは2024年11月に、当社のクライアントである西日本旅客鉄道株式会社・株式会社JR西日本ITソリューションズ(以下、JR西日本・J-WITS)と合同での「スクラム開発研修」を実施しました。
「スクラム開発」とはソフトウェア開発方法のひとつであり、近年日本でも普及が進む「アジャイル開発」の1種に分類されます。
通常は社内だけで実施されることが一般的なソフトウェア開発研修に、今回自社のクライアントと一緒に取り組んだ狙いや目指すところについて、研修を主催したDI Officeの竹内 豊(写真右)と、DIプラットフォームサービスのPMを務め、日頃からJR西日本関連の業務に携わる加藤 翔也(写真左)に聞きました。
対面研修を通じたチームビルディングを
―今回、クライアント様と合同での研修実施に至った経緯を教えてください。
竹内:発端は、今夏にギックス社内だけでスクラム開発研修を受けたことでした。私や加藤など昔からいるメンバーは過去に受講したことがあったのですが、ここ数年で会社が大きくなり新しいメンバーも増えたので、今一度体系的に学んで認識を合わせた方が良いだろう、ということで。
加藤:上位手法である「アジャイル開発」という言葉は知っていて、その概念を仕事に取り入れているメンバーもいますが、人や案件によって取り入れ具合は様々ですしね。
竹内:それで研修を受講した後に「これは是非クライアント様ともやりたいね!」という意見が出まして、WESTERアプリをはじめとする様々な取り組みで現在まで長くご一緒している、JR西日本とJ-WITSの皆様にお声がけさせていただきました。
- 今や年間約100キャンペーンが走る「WESTER」、多彩なアイデアから生まれる企画で、企業・自治体とユーザーの「好循環」へ(2024/11/12)https://www.gixo.jp/blog/25848/
- 1to1のユーザー体験を提供するために JR西日本「WESTER」開発、ローンチからの「現在地」(2024/11/13)https://www.gixo.jp/blog/25836/
―スクラム開発研修のどういった内容が、クライアント様も一緒に、という意見につながったのでしょうか?
竹内:「スクラム開発」はラグビーのスクラムからその名が付けられており、多様な専門性や知見をもったメンバーが1つのチームとなり、短いスパンで開発とフィードバックを繰り返しながら、プロジェクトを進めていく手法です。そのため構成員の多様なスキルが相互に作用するためには、チーム間の日々のコミュニケーションがとても大切です。
そして、スクラム開発は「プロダクトオーナー(PO)」「スクラムマスター(SM)」「開発エンジニア」という大きく3つの役割からチームが構成されるのですが、このうちプロダクトオーナーは、開発プロジェクトの意思決定を行う重要な存在です。日々の開発業務に関する課題やタスクの解像度を高めた上で判断をすることが重要で、まさにプロジェクトの要とも言えるポジションですが、ギックスが取り扱う案件においては、クライアント様が担うことが多い役割でもあります。
こうした背景から、ギックスとクライアント様が合同で研修を受講することで、1つのチームとして考え方を統一し、プロジェクトをよりスムーズに推進したいと考えたのです。また、研修はモデルケースを用いてグループワークで考えていく、という内容でしたので、対面でチームビルディングができる良い機会にもなると思いました。
クライアントも含めて1つのチームでありたい
―ありがとうございます。では、実際に研修をしてみていかがでしたか?研修後に「やってよかったな」と感じたことはありますか?
加藤:クライアント様とひとつの場で同じインプットをしたことで、その後のミーティングの場において考えたり判断したりする共通の基準ができて、議論が進めやすくなったなと思います。現在進行形でJR西日本やJ-WITSの皆様とご一緒しているプロジェクトにおいても、「もっと良くなりそう」という期待を持つことができました。
1年半近くプロジェクトでご一緒していても、実はリアルでお会いするのは初めて、という方も多くて。普段はZOOM越しにコミュニケーションを取っていた方と対面でお話することで、人となりや空気感を直接感じられたのはやっぱり良かったですね。

竹内:休憩時間の雑談や、研修後の懇親会も盛り上がりましたね。
加藤:普段のミーティングで気にされていることの背景を雑談のなかで知ることができたり、共通の趣味を持っていることがわかったりしました。「思っていたよりお喋りする方だったんだな」と印象が大きく変わった方もいましたね(笑)
―当初の目的通り、チームとしての一体感が高まったんですね。
加藤:私は普段から「クライアント様だから」ということで気を遣いすぎるのではなく、あくまで1つのプロジェクトチームの仲間同士として、意見を言うべき時は言う、という感覚で仕事をしているのですが、今回の研修を経たことで、ZOOMでのやり取りでカメラがOFFであっても相手の表情が思い浮かんで、より具体的なコミュニケーションが取れるようになったように感じています。
チームとしての創出価値を高めるために
―参加いただいたJR西日本・J-WITSの皆様はどんなご反応でしたか?
竹内:まず研修が始まる前からとても楽しみにしてくださっていて、「学んで帰るぞ!」という前のめりな姿にこちらも刺激をもらいましたね。
研修後のアンケートでは、スクラム開発そのものへの理解が深まったという内容へのご意見の他にも、現在進めているプロジェクトへの具体的なご意見も色々頂戴しまして、その点に関してはすぐに改善を進めています。
また、コミュニケーション関連では「対面で会うことで得られた非言語情報がとても貴重だった」「ビジネス面でのビジョンやマインドを共有いただき視座を上げることができた」といった嬉しい声もいただけて、開催して本当に良かったと感じています。
―今後もこうしたクライアント様との結束力を高める取り組みはされていくのでしょうか?
竹内:今回は「スクラム開発研修」という形を取りましたが、クライアント様やご一緒しているプロジェクトの性質に応じて、様々な取り組みをしていけたらと思います。
加藤:現在多くのクライアント様とやりとりさせていただいていますが、皆様とても良い方たちばかりで本当にありがたいです。今後もチームとして創出する価値を最大化するためにできることがあれば、挑戦していきたいと思います。