経営戦略により競争優位を築けるか?
起業における経営戦略否定論はよくきかれると思います。経営戦略をきちんと作って起業しても必ず成功するわけではない。経営戦略など考えなくても起業に成功した企業はたくさんある。どちらも正論だと思います。
まず、前者から。経営戦略により競争優位の構築を考えて起業したが失敗したケース。
- 構築した戦略が良く、実行も良かったが失敗した。
- 構築した戦略が良く、実行が悪く失敗した。
- 構築した戦略が悪く、実行は良かったが失敗した。
- 構築した戦略が悪く、実行が悪く失敗した。
一方で、経営戦略により競争優位の構築を考えて起業して成功したケースもあるはず。
- 構築した戦略が良く、実行も良く成功した。
- 構築した戦略が良く、実行が悪く成功した。
- 構築した戦略が悪く、実行は良く成功した。
- 構築した戦略が悪く、実行が悪く成功した。
次に後者。経営戦略を考えずに起業して成功したケース。
- 戦略は構築せず、実行が良く成功した。
- 戦略は構築せず、実行が悪かったが成功した。
一方で、こちらも同様のケースで失敗もあるはず。
- 戦略は構築せず、実行は良いが失敗した。
- 戦略は構築せず、実行が悪く失敗した。
12パターンの中で、それぞれに該当する企業はたくさんあるはずなので、その中の数社を持ってきて「ほら見ろ」と言ってもあまり意味がないと思っています。特に、叩き上げで成功した起業家は戦略なんて必要ないと言うでしょうし、それはそれでよくわかります。だって、その人の起業の成功には戦略は必要なかったのですから。ただ、確率論で見ていくとどうなのでしょうか。
起業して事業を運営することは、意思決定の連続ですので、私個人としてはその意思決定に対しては理論をベースに確率が高い方を選択していくべきだと思っています。いくつかの意思決定が結果的に失敗に終わっても、事業は一発の博打ではなく、連続性の中での活動になりますので。
結局考えるべき問いは限られている 3つの問いを問い続ける姿勢
競争優位を構築していこうとしたら、結局以下のことを考えて、そして実行するだけとも考えられます。
- 価値創造:
誰に対して、どのような価値を提供するのか? - 事業創造:
どのような儲けの仕組みを構築するのか? - 競争維持:
どのようにして勝てる仕組みを永続させるのか? - 事業遂行:
上記を常に見直し、深めて、実行し、改善していく
経営戦略論や経営戦略のフレームワークは上記を考えるためのヒント、取っ掛かり、にはとても役に立ちます。それらを使って上記を問い続けることは起業家にも有益なのではないでしょうか。一方で、経営戦略を作ることや、戦略のフレームワークを使うことが重要なのではなくて、常に上記の問いを考え抜くことが重要であるとも言えます。その辺の主従の関係を見誤ると、経営戦略があり、起業に失敗と言うケースに近づいてしまうのかもしれません。3つの問いと常にそれを考え続け、進化させ続ける姿勢は常に忘れないようにしないと行けないですね。
本記事は私が起業して経営を行う際に役にたっていると感じている経営戦略の小ネタを備忘録的に記事にしているシリーズものですが、あくまで備忘録的に書いてあるため、テーマが全体を通して構造化されていない点はご容赦ください。