仮説立案能力はセンスなのか、スキルなのか
仮説立案能力を向上させたいと言う相談はよく受けます。かくいう私も仮説立案能力をもっともっと向上させたいと思っています。ですが、ここでひとつの疑問が湧いてきます。仮説立案能力はセンスなのか、スキルなのか。
私の勝手な解釈ですが、センスは先天的な能力、スキルは後天的な能力で努力によりある程度習熟が可能なもの、と捉えています。仮説立案の能力がセンスならば、もう今更あがいても無駄です。笑 スキルならば、その能力を少しでも向上させる何かメソッドなら方法論やらがあるのかも知れません。
ユニークな視点をもたらすレンズ
御立尚資氏の著書で「戦略脳を鍛える」と言う本があります。 インサイト(洞察)を身につけるという趣旨の本になります。その中で、ユニークなものの見方をするための「レンズ」が紹介されています。レンズは大きく3種類、その中でもそれぞれ3つあり9種類ほど存在ます。
3つの拡散レンズ
- ホワイトスペースを活用する
市場だと思っていないところに市場が存在していないか?拡大レンズのように枠を広げて見るという思考。
- バリューチェーンを広げる
企業活動を川上から川下まで見る。業界の種類を問わず、バリューチェーンを広げて考え、川上から川下までどこを自社の活動領域とするかを見直す。
- 進化論で考える
長い時間軸でマーケットを見る。長い時間軸で市場の進化を俯瞰し、チャンスをさがしていく。
3つのフォーカスレンズ
- ユーザーになりきる
購買行動の全体像とディティールを把握する。消費者が現状では当たり前だと思っている行動を徹底的に詳しく観察して、妥協しているところはないか、もっと便利にできる方法はないかと考える。
- テコを効かせる
動かすと他も一緒に動くポイントを探す。
(ナイキのマイケル・ジョーダンをテコにエアジョーダンをヒット)
そこに力をかければ効率よく他も動き出すポイントはどこにあるのか、達成したい目標に応じて、広い範囲の可能性についてゼロベースで考える癖をつける。
- ツボを押さえる
どんな消費者、ユーザーがツボになるかを知る。費用効果の高いツボを探し、そのツボをどうやって押せば大きな効果が得られるかを考える。
3つのヒネリレンズ
- 逆バリする
人と逆のことを行う。普通だと経済性が合わないようなところで成り立つようなビジネスモデルをつくる。いったん市場をおさえてしまえば、他社があとから参入しようとしても更に経済性が悪くなり、独占に近いポジションが作れる。
- 特異点を探す
他と異なる売上を上げているところを徹底的に勉強して、新しいやり方を生み出す。
- アナロジーで考える
Aで成り立つものがBでも成り立つか。普段から自称の表面だけを見ず、本当はこのメカニズムはどうなっているのだろうと頭を使うクセをつければ考えられる。
この9このレンズを使うことでビジネス仮説の立案能力が向上しそうでそうか?このようなある程度形式化された考えるためのヒントがあると発想しやすくなる人は積極的にこの手のフレームワークなどを活用すべきと思います。
一方で、実は人間は思考のクセもあるので、他人が考えた「考え方」よりも、自分が考えた「考え方」の方がしっくりくる人もいます。私はどちらかと言うと後者に近いので、他の方のフレームワークなども参考にしつつ、自分なりの「考え型」を形式化したりしています。
今回の9つの中でも、「バリューチェーン」「進化論」「特異点」「アナロジー」などを好んで使っています。
本記事は私が起業して経営を行う際に役にたっていると感じている経営戦略の小ネタを備忘録的に記事にしているシリーズものですが、あくまで備忘録的に書いてあるため、テーマが全体を通して構造化されていない点はご容赦ください。