着想の転換:押してもダメなら引いてみな
「ギックスの本棚」は、絵本も紹介しています。題して「ギックスの”絵”本棚」。本日は1963年に発行された「ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)」を取り上げます。
グローバル人材に育つための3つの着想
非常に簡単にあらすじを書きます。
・のねずみのぐりとぐらがものすごく大きなたまごを森のなかで発見する
・たまごを家に運ぼうとするが、あまりに大きくて運べないため、たまごがある場所でカステラを作ることにする
⇒キーファクター① 運べないならここで作ってしまえという発想の転換!!
・調理器具や食材を家から森に持っていき、森のなかでカステラを作り始める
・カステラのいい匂いに惹かれて森の動物たちが集まる
・巨大なカステラが完成し、森の動物たちみんなでわけあって食べる
⇒キーファクター② 持つ者が持たざる者へシェアする公正なる心構え!!
・残った大きなたまごの殻で車をつくり、調理器具を持ち帰る
⇒キーファクター③ 不要なものから有益なものを創造し効率化を実現!!
子供は着想の転換の天才
ビジネスエリートにおこりがちな事象として、正面突破で正論を吐いて、相手が受け入れないと相手の非だと糾弾することでしょう。コンサルティング業界でもありましたが、クライアントに提言が通らなかった時に、「客がアホだから理解してもらえない」という捨て台詞を聞いたことがあります。
また、政治の世界でも、頭が良いが(良い意味での)寝技ができない頭でっかちエリートが、なんの政治的な成果もあげられずに退任していった(まだ残っている人もいますが・・・)話を多々聞きます。
たまごを運ぶのが大変なら、その場で作っちゃえばいいじゃん。子供なら誰しもがすぐに思いつき、そして実現することができるのですが、大人の世界だと、「前例が」、「規制が」、「上司の許可が」、「本社の承認が」、といろいろとしがらみがでてしまうのかもしれません。(笑)
この本は着想の転換、みなでシェアする、創造し効率化、というグローバル人材として世に羽ばたくための大切な要素をさり気なく伝えてくれています。この本が発刊されてから50年以上、つまり半世紀もたつわけですが、それでも今だに色あせない素晴らしい名著です。