幼少期にRole & Responsibilityを学ぶ
「ギックスの本棚」は、絵本も紹介しています。題して「ギックスの”絵”本棚」。本日は1965年に発行された「のろまなローラー(こどものとも絵本)」を取り上げます。
ストーリーは子も親も安心する最後は万事平定もの
非常に簡単にあらすじを書きます。
・道路を舗装するローラーがゆっくりと走っている
・後ろからそれぞれ「トラック」、「りっぱな じどうしゃ」、「こがたの じどうしゃ」がやってきてじゃまだと言って追い抜いていく
・それでもローラーはゆっくりとゴロゴロと道を舗装して走る
・そのまま坂道をあがっていくと、それぞれ「トラック」、「りっぱな じどうしゃ」、「こがたの じどうしゃ」がでこぼこ道でパンクをして困っている
・最後は3台のくるまが、でこぼこ道を直してくれたローラーに感謝して走り去っていく
中盤の汗かき役やビジネス界にも必要
くるまにおいて、走るのが速いのは必要なスキルですが、道を舗装するというローラーにとっての価値は速さではなく、でこぼこ道を舗装し平らにすることです。つまり、求められる役割が違うのです。
ビジネス界においても、誰もが目立つ役割だけをこなしても事業もプロジェクトも進まず、地味でも自らの役割を淡々とこなしてくれる人は必要不可欠です。この本は幼少期の子どもたちに自らの特徴であるUVP(Understandable Value Position)という概念と、Role & Responsibilityという概念を説教臭くなくさり気なく伝えてくれるところに非常に心憎い配慮があります。
さすがに100版近い増刷を続けているだけの名著です。