本の要約サイトflier(フライヤー)に入会してみた/ニュースななめ斬り by ギックス

AUTHOR :  網野 知博

 戦略コンサルタントが立ち上げた”自ら使いたい”サービス

アクセンチュア時代の後輩である大賀さんが2013年に起業して立ち上げたサービスが、本の要約サイトである「flier(フライヤー)」です。先日ダイヤモンドオンラインの消費インサイドで取り上げられました。http://diamond.jp/articles/-/49773

 いま、書籍の世界では、「要約」を読んでから本を買う、そんな流れが浸透しつつある。

「getabstract」は、1999年にアメリカで始まった、書籍の要約(abstract)を販売するサイトだが、すでに会員は1000万人を突破。書籍流通の一翼を担うまでに成長している。会員は、まず要約を読んで本の全体像を把握。自分に合う内容だと判断すれば、実際に購入に踏み切る。アメリカのエリートたちが、多忙にもかかわらず大量の書籍を読み込んでいる背景には、こういった要約サービスの存在があるのだ。

アメリカのエリートたちがこんなサービスを使っていたという事実は知りませんでしたが、アクセンチュア時代に恩師の三谷宏治さんから言われた発言があります。

”新しい情報は平等である”

「僕らパートナー達は今までの知識も経験もあるからさー、後から入ってきて僕らに追いつきたいなら、少なくても新しいことで絶対に負けちゃだめだよ。新しい情報は新人もベテランも関係なく平等だから。でも、新しい知識だけでも追いつけないから、古典や昔の良書もたくさん読まないとね。僕ですら月に20冊は読むから、同じ数を読んでても僕に一生追いつけないよね。」

 当時はこのように言われたため、愚直に月50冊~100冊を読むことにこだわっていましたが、このようなサービスがあればもっと効率が上がっていたかも知れません。(笑)

詳細は「戦コンスキルは起業に役立つか?(8):行動規範⑤学びにこだわる」

 既存の要約サービスでは何が足りなかったのか

とは言え、世の中には本の要約サービスは既に存在しています。大賀社長はなぜ自らこのサービスを立ち上げたのでしょうか。彼に直接聞いてみたら以下の回答を得ました。

・既存の要約サービスでは自分が読みたいと思うジャンルが少ない、ほぼない。
⇒ビジネス系やテクノロジー系の本の取り扱いが非常に少ないのでflierではそのジャンルを中心に要約している。
株式会社リバネスと提携し、サイエンス領域の書籍も要約している。

・紙媒体で、過去の記事を読むのが手間だし、検索性も悪い。
⇒Webで提供し、PCでもスマフォでもタブレットでもマルチデバイスで読めるようにする。過去の記事も読めるようにする。

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自らがほしいと思うサービスを提供することはいいことですし、少なくても彼のようなビジネスパーソンがこのサービスを利用すると思われます。かくいう私も大賀さんの営業を受け、このサービスのメリットを感じ、その場でコーポレート契約で入会することにいたしました。(笑)

現時点で100冊以上の本が要約されていますが、手前味噌ながら拙書の「会社を強くする ビッグデータ活用入門 基本知識から分析の実践まで」も要約されています。

サンプル内容として要約をみたい方はこちらの記事をどうぞ。

flier02

機会ロスを削減する役割になりえるか

 現在、年間に出版される本は8万タイトル。ビジネス書は6000タイトル。気に入った書評やレビューを見て効率的に選んでいる方も多いだろうが、これだけの大海原から、自分に合う良書を見つけるのは、やはり至難のワザだ。

買っては見たものの想像していた内容と違う、時間をムダにした。そんな徒労感を減らすためにも、忙しいビジネスパーソンにとって、まず要約に目を通すのは、これからのスタンダードになるかもしれない。

本を多読するビジネスパーソンにとって、買って、読んで失敗だった本は20分も読めば駄本であると識別できます。その点から、読むべきでない本を読むことのロスは購入コストくらいになります。一方で、ビジネスプロフェッショナルにとって、出会うべき良書に出会いそびれることは人生において多大なる損失を生みます。そういった出会うべき本に効率的に出会えるサービスとしてビジネスプロフェッショナルの間では普及するサービスになるかもしれません。

 

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