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“データインフォームド適用合戦”が始まる

AUTHOR :  網野 知博

日常業務判断をデータインフォームドにするための「業務変革」

昨日の記事では「データインフォームド」は、データを用いて、論理的に物事を考えて、合理的に判断していこうぜ、と言う凄く当たり前ではあるが、全ての人が行うべき行動様式である事を紹介しました。

そのため、もし皆様の会社において「データインフォームドな行動様式を取るべき人は誰か?」と問われたならば、その答えは「全員」になります。トップマネジメント、ミドルマネジメント、現場の皆様、全員です。

一方、「データインフォームドな組織に変革すべき人は誰か?」と問われると、それはトップマネジメントやミドルマネジメントの仕事と言う答えになります。

当社は日常業務の判断をデータインフォームドでupgradeする事を目指しております。現場での日々奮闘されている方々が、日々の小さな業鵜判断においてもデータに基づいて論理的に物事を考えて、合理的に判断していくことを理想としています。しかしながら、自社の業務プロセスをデータインフォームドに変えていく、日々の業務をデータインフォームドに変えていく、そのような意思決定を行う人が必要です。その役目を担うべきは、マネジメントです。

データインフォームド市場

データインフォームドを、いざ自社の業務に適用していこうとしたら、トップマネジメントやミドルマネジメントが本気で業務変革を行う必要がある事は分かった。しかし、それほどまでして取り組む意味はあるのか?と言う疑問をお持ちになられるかもしれません。

当社は、外部企業に依頼してデータインフォームド市場規模を算出しました。その結果、現時点で3-5兆円の「経済効果」があると推計しています。(注:経済効果、は、DI推進によって生じる売上増進・効率向上等の「社会における価値の増加余地」を示します。)

今後もテクノロジーの進展に加えて、データを利活用していく人間の慣れと経験により、その経済効果の規模は更に大きくなっていくと想定しています。

データインフォームド適用合戦

私の好きな論文の一つにニコラス・カー氏のIT Doesn’t Matterがあります。2004年に書かれた論文で、IT、インフォメーションテクノロジーに関して書かれた論文になりますが、この書き始めの一文はビッグデータ、アナリティクス、AIなどに関するデータ利活用に照らし合わせても、色あせることなくそのまま使える文章だと思っています。

19世紀末までほとんどのメーカーは機械を動かす動力は、水車や蒸気と言った一つの固定された供給源から取られていた。その動力は、滑車や歯車の複雑な組み合わせで工場内の個々の作業台へ供給された。

発電機が初めて登場した時、大半のメーカーが、固定されて動かない供給源の代わりとして採用し、滑車や歯車でできた既存のシステムを動かすために利用した。しかし、賢いメーカーは、電力の利点の最たるものは送電の容易さであり、作業台にも直結できることだと考えた。

工場内に配線をめぐらし、機械に電機モーターを設置することで、やっかいで扱いも面倒な、しかもコスト高の歯車のシステムを廃止し、対応の遅い競合企業に効率面で優位に立った

出所:ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー2004年3月号 IT Doesn’t Matterより抜粋

データインフォームドな判断で、業務を効率的かつ効果的なものに変革していくために、テクノロジー要素である「タイムリーな現状把握と先読み(予測や最適化)」を使いこなしながらも、ビジネス要素である業務プロセスをどのように変容させていくのか。

”自社のどの業務にデータインフォームドを適用させると、自社の競争力を大幅に強化することができるのか?”

この問いを考え続けて、適用し続けることが結果として企業の競争力強化に直結していくと思います。

自社の事業にデータインフォームドをどのように取り込んでいき、生産性向上を実現していくか。まさに、自社の事業に対するデータインフォームド大喜利グランプリを開催し続ける必要があります。

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