この度2022年度データインフォームド大喜利大会、通称「DI大喜利グランプリ」を開催させて頂きます。
開催にあたりまして、大会委員長の網野からご挨拶をさせて頂きます。
ビッグデータと言う言葉が生まれ、そのビッグデータを分析して事業や社会に役立てる役割であるデータサイエンスやデータサイエンティストと言う言葉が生まれました。
データサイエンティストと言う役割が認知を得てからおよそ10年経った今現在ですが、当時と変わらず、それ以上にデータサイエンス人材が不足しているという声が聞かれるようになりました。
ここ1年の流れを見ても、産業界だけでなく学術界含めてデータサイエンスを学ぶ場や触れる機会も増えてきており、国としても企業としても、とても力を入れていると感じます。
それ自身は非常に喜ばしいことだと感じております。
一方で、データサイエンス人材がーー、と言う議論の時に、常に一つの懸念が私の中で湧き上がってきます。
「足りていないのはデータを分析する人材だけなのでしょうか?」
高度にデータを分析する人材が足りていない事は事実ですが、同時に分析したデータを使いこなすビジネス側の人材は、更に足りていないのではないでしょうか。
ビジネスで成果を出していくためには、分析結果(データ)を用いて、読み取って、解釈して、初期仮説を立てて、検証し、可能性の高い解を考え、判断し、実行し、その結果を振り返りアジャストしていく必要があります。当社が推奨する行動様式であるデータインフォームドは、データを用いて論理的に物事を考え、合理的に判断していこうよ、と言う当たり前のことを述べておりますが、この当たり前の行動を当たり前に企業文化として定着させている企業や組織はどのくらいあるでしょうか。
高度にデータを分析する人材を育成していく事は大事です。しかしながら、そのデータを用いてビジネス判断の高度化を実現できる人材もそれと同じくらい、もしくは、それ以上に必要だと私は考えています。産業界と言う観点でみれば、データを分析してアウトプットを出す人材の数よりも、ビジネス判断を行う人材の方が圧倒的に多いと言えます。また、売上向上やコスト削減など成果につなげていくためには、分析結果を出して満足するのではなく、そこから実行までやり切ることが求められます。
「スーパーデータサイエンティストが高度なデータ分析をすれば、打ち手が一意に決まり、答えが自動で出てくる。」という夢のような世界は、残念ながら現時点ではまだ実現しておりません。特定の解を出すAIを作る事はできても、まだまだ多くのビジネス判断は人間が下す必要があります。コストパフォーマンスの観点で考えても、データをもとに解釈と判断を人間にゆだねる方が機械にゆだねるよりも合理的、と言うビジネス領域もまだまだ残り続けます。
デジタル化が台頭し、ますますデータが増えていくこれからの世の中を捉えると、データを解釈して判断につなげられる人材、データインフォームドな行動様式を備えた人間がますます求められます。ビジネスの世界には絶対的な正解はありません。そんな中で、データ ”も” 効果的に用いて成果につながる可能性が高い判断を効率的に下せる企業文化は、強い競争優位性になります。
データの解釈には、唯一の正解があるわけではありません。しかし、筋が良い、センスの良い読み解きは存在します。
そして筋の良い解釈を行うためには、業界知識や業務経験の量が必要になってきます。当社が勘と経験を否定せず、またデータ駆動型に傾倒していかない理由はそこにあります。
筋の良い読み解きは、天賦の才ではなく、業界や業務の知識や知見や経験の量によってのみ成し遂げられます。そして、それらを用いて、データを解釈する機会を如何に多く設けられたかに比例して鍛えられいきます。
絶対の正解が存在しないとなると、一般的な日本人が学校教育において取り組んできた、正解を暗記したり、効率的に解を算出したりするスタイルが通用しません。多くの人にとって、得意な領域ではなく、経験も乏しいこの領域において「合っているも間違っているもなく、純粋にデータの解釈にトライする機会」を提供したいと考えました。
ますは、軽い気持ちで、遊び心を持ってデータを解釈してみる。データ解釈の大喜利大会という形で、皆さんに問題をお出ししてみたいと考えています。
明日から3日間、特定のテーマに基づいた「お題」を出します。そのお題をネタに、あれこれと解釈を試みて、ご自身の持論を考えてみる機会にしていただければと思います。
DI大喜利GP 2022
- day1:2月の謎
- day2: Café Gicks
- day3: GiXo brewery