大炎上を恐れる必要が、本当にあるのか?
【本特集では、Facebook運用の鍵となる「企画部」の皆さんが最低限知るべきFacebookページの知識を、マーケティングストラテジストの観点で解説していきます】
2ヶ月半にわたってお付き合いいただいた ”マーケティングストラテジストの考える「Facebook運用」”ですが、今回で終了となります。最後は、良くご相談を受ける「炎上したらどうするの?」に関してお話しさせていただこうと思います。
そんなに簡単に燃えたりしません(残念ですが)
世の中には「炎上商法」というものがあると言われます。が、あれは、凄いことです。基本的には、炎上はコントロールできないと思っていただいた方が良いです。正直な話をすれば「炎上してでもいいから、もっと話題になってほしい」と思っても、なかなか火が付いたりしません。
ですので、Facebookページの運用をする、ということで「炎上したらどうするの?」ということを考える必要は”ありません”。そもそも、Facebookページを立ち上げた途端に数千人がみてくれる、というような状況になることは(大規模な広告を撃ち込んだり、非常に大きな顧客ベースを持っている会社が「直接顧客にFBをいてくれるように積極展開」したりしない限り)起こりません。
もちろん、リスクを考えておくことは重要ですが、「Facebookが原因でFacebookが燃える」のは、少なくとも立上げ直後には起こらないのです。
どういう時に燃えるのか
では、どういう時に炎上が起こるのでしょう。
非常にざっくりですが体系化すると、Facebookが原因(火種)となってFacebookが燃えるのは「トピックがNG」「やり方がNG」「グレーゾーンに踏み込んだ」の3つです。また、特に3つ目は”必ず燃える”わけではなく、”場合による”のですが「リスクを非常に気にする」人はそもそも近づかないことをお奨めします。
基本的に、上図のようなトピック・やり方を避けて投稿している限り、即ち、別の言い方をすれば”自社および、自社の商品・サービスの良さを伝えているだけ”では、燃えようが無いと言えます。(そもそも、節度の無いことを書いてしまう担当者がいるのではないか、というようなところに不安がある場合は【投稿作成】の時点できちんとレビューをする仕組みをつくっておくべきです。)
但し、例外として、「Facebook外の火種」が「Facebookで発火・炎上」というケースはあり得ます。これは「商品・サービスそのものに問題があった」「会社として不祥事が発覚した」などの場合です。これを「Facebookが無ければ炎上しなかった」ということもできますが、実際には「顧客接点として、コールセンターではなくFacebookに人が押しかけてきた」ということですので、別問題だと捉える方が正しいと思います。
備えあれば憂いなし
別問題であるとはいえ、もちろん、「炎上」が起こるケースがある以上は、それに備えておくことは重要です。
”検知”→”初動”→”対応” の3ステップに分けて考えることをお奨めします。
”検知”は「毎日24時間みる」という必要は、通常は無いでしょう。ただ、どの項目を、どういうタイミングでだれがチェックするか、を考えておくと良いと思います。
”初動”は、一定のルールを定めておきましょう。例えば、コメント数が増えたとしても「意見」が集まっているだけであれば(内容がネガティブだとしても)、別に炎上しているわけではありませんので「お礼」をすれば良いでしょう。それによってファンになってくれるかもしれません。その場合は、”対応”において、ユーザーから集まった「意見」を活用してフィードバックするなども良いかもしれません。
一方、企業姿勢などに言及するような「攻撃」が始まっている場合には、きちんと”対応”する必要があります。投稿を削除するのかしないのか、コメント削除などを行うのかどうか、あるいは「どういう公式見解」を出すのか。また、企業としての見解を出す場合、それは「Facebook上で出すのか否か」という話もあります。(特に、火種がFacebook外である場合は、たとえFacebookで燃えていても、公式見解をFacebookでだけ出す、というのもおかしな話だと思いますよね)
「最悪の事態」を想定して完璧な体制をつくることはできませんので、どういう状況になったら、誰が何を判断するのか、ということを大きく決定しておき、いざ事が起きた際には、落ち着いて行動することが重要です。(まぁ、Facebookに限った話ではありませんよね)
以上を持って、本特集 ”マーケティングストラテジストの考える「Facebook運用」”は連載終了とさせていただきます。企画部門の皆様がFacebookページ運用について理解を深めていただく一助となれば幸いです。長い間、ありがとうございました。
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