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考える速度を”疑似的に”上げる
思考スピードを早める、というのは、なかなか難しいものです。
頭のクロック数(つまり、頭の回転)というものは、相当な部分が天賦の才に依存して決まると思うので、なんらかの訓練で鍛えたからどうにかなる、というものでもないように思います(もちろん「ある程度」は改善すると思いますが)。もっと言うと、クロック数と学歴とは、他の変数よりはやや相関しやすいだろうな、とは思いますが、学歴が原因でクロック数が結果、ってことはあり得ない、と僕は思ってます。
それほど改善が大変なクロック数さんをなんとか少しでも早くできないかな、というのは、コンサルに限らず、知的労働者と分類されるホワイトカラーの方ならば、誰しも一度は考えることだと思います。
「ぶっちゃけ、無理です。」
が、きっと、もっとも正解に近い答えなんですけど、それでは身も蓋もないので、「擬似的に思考スピードを上げて、クロック数が高い(つまり、頭の回転が早い)と周りに(なんなら自分自身にも)錯覚させる」ということについて、考えてみたいと思います。
まず、モノゴトを考える論理的なステップを認識する
物事をちゃんと考えると、大概の事象は複数の思考ステップ(ロジック)に分解されます。風が吹けば桶屋が儲かる、をイメージしていただけるとよろしいかと思います。複雑な幾つかのステップにより、最初の事象から、あんまり関係なさそうな事象に辿り着くわけですね。
ここでポイントなのは、風が吹いて桶屋が儲かるのは、さすがにレアケースだろ、ってことを念頭に置いておくことです。
「AだからBだからCだからDだからE」
が、ちゃんと、それぞれ起こり得そうで、尚且つ、
「AだからE 」
という流れも、
「うん。そうかもしれないな。」
くらいは思えるのが、筋の良い思考ステップです。
この「筋の良いステップ」で、物事を整理する癖をつけることが、思考スピードの(擬似的)向上に際して、なによりも大切だと僕は思います。まず、そういう「筋の良いステップ」を、誰かの受け売りではなく、自分の思考パターンとして沢山保持できるようになってください。
(この考え方を、僕は「プロセス思考」と呼んでいます。)
そして、思考ステップを”スキップ”する(ショートカット)
たとえば、これを5パターン持ちましょう。仮に
- パターン1) A→B→C→D→E
- パターン2) あ→う→う→え→お
- パターン3) ア→イ→ウ→エ→オ
- パターン4) α→β→γ→δ→ε
- パターン5) I→II→III→IV→V
とします。
そして、何か、ほかの事象にであった時に、その事象がA、あ、ア、α、I、の、いずれに近いかを考えるようにします。
もし、それがAに最も近い A’ の場合、その思考は、A’→B’→C’→D’→E’という経路を辿って、Eに非常に近いE’へとたどり着くでしょう。
この際、EとE’の違いは、出発点であるAとA’の違いによって決まるので、「AとA’が似ている」と判定した時に「何が違うのか」を合わせて考えておけば、ある程度、容易に変換できるはずです。(もちろん、新しく出会うほかの事象が「β」や「え」など、ステップの中間の事象に近い、という場合も、同様に考えればいいと思います。)
どう使うの?
イメージがつかない方のために、ちょっと具体的に言うと、この思考チャレンジは、
- 競合他社はどうなの?
- 他の国ではどうなの?
- 他の業界ではどうなの?
といった問いに答えることに、非常に近くなります。
この考え方を活用すると、従来の
- A’だからB’。
- B’だからC’。
- C’だからD’。
- D’だからE’。
という4ステップでイチから積み上げて考える。というスタイルから、
- A’と似てるのはA。
- だからきっと、結論はEに近い。
- A’とAの違いから、おそらく答えはE’になる。
- E’になるかどうか、検証してみる。
という仮説検証スタイルに変わります。(A→Eは、既に過去の自分によって証明済みのはずなので、そのロジック自体は証明する必要が無いです。)また、A→Zのように、中間ステップが増えた際にも、基本的には、上述の4ステップの思考で済み、効率的です。
ちなみに・・・
ちなみに、この思考は、「相手の思考を読む」という際にも、活用できます。「あるインプットに対して、どう対応するか」ということを見ていれば、大体の思考パターンが読めますので、こちらが投げたインプットと相手からでてくる結論の”組み合わせ”を蓄積すれば、問いを投げる前に、どんな答えがでてくるか、が、(おおまかに)読めるようになるという手筈です。便利。
ほんとかよ?と思ったあなたの為の補稿
こういう事を書いてると「いや、そんなにうまく当てはまらないだろ」というご指摘をいただいたりもするのですが、僕の回答は、
「蓄積しているパターンが増えれば、その分、精度は上がりますよ。」
「まぁ、多かれ少なかれ、人って経験則で考えてるでしょ。そういうことです。」
「確かに、、、合う合わないはあると思いますね。(笑)」
のどれかになると思います。ちなみに、そのうちのどれを選ぶべきかは、ご指摘してくださる方の思考タイプによって自動的に決まるケースが多く、瞬時に判断できる仕掛けとなっております。
というわけで、このテクニックを使って、仕事もしくは、合コンで成果を上げていただければ幸いです。