統計学が最強の学問である
これまで紹介した本の中で個人的には最もインパクトが強いタイトルの一冊「統計学が最強の学問である」を紹介します。これってビッグデータ本なの?と思われるかもしれませんが、副題の「データ社会を生き抜くための武器と教養」という一文に惹かれ、勝手にビッグデータ本として扱わせて頂きます。
全体の構成
4つに分けられますが、主に2と3が中心です。
- 「最強の学問」たる理由
統計学の歴史とIT技術の進歩を説明し、統計学隆盛の理由を説明。 - 統計学の基礎知識
サンプリング、誤差、ランダム化比較といったデータ分析に応用されている統計学を理解するための基礎知識を解説。 - 統計学の一歩踏み込んだ知識
回帰分析、分野別の統計学、テキストマイニング、確率論等のデータ分析を支える理論や手法を解説。 - エビデンスの探し方
自身の仮説を裏付けるためのソースの取得方法(文献データベースやその検索例)を紹介。
この本の独自性
言うまでもないですが、統計学に関するわかりやすさですね。
これまでの私自身が経験したデータ分析に関する会話を思い出してみても、データ分析に関する多くの統計知識はこの本で紹介されていました。統計学そのものに関する入門書は数多く出ていますが、データ分析に関わる統計学のちょうどいい量の情報が記載されています。
「xxを明らかにするために、このデータをこう分析を活用する」と目的と手段が明確にされているので、分析手法の説明を聞いて「すごいのはわかったけど、何に使うの?」と疑問になることがありません。
感想
辞書的な一冊だと思います。
すごくわかりやすくまとめられていますが、一部の頭のいい人や統計学をしっかり学んだ人を除いて、一回この本を読んだだけで全ての情報が頭に入るとはちょっと思えません。
例えば、この本を読んだ一か月後に「p値ってなんだっけ?」と聞かれても答えられる自信は正直ないです。ですので、手元に置いておいて困った時に参照するという使い方をオススメします。個人的にはGoogle先生に聞くより、この本の解説の方がわかりやすかったというのもありますが。