データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」
前回ご紹介した「データサイエンティスト完全ガイド」の冒頭部分でインタビューされていたディミトリ・マーカスさんの一冊です。広告会社のオグルヴィ・アンド・メイザーのマーケティング戦略立案時のデータ活用方法が紹介されています。
全体の構成
大きく分けて3つに分かれます。
- データ活用の重要性
筆者の経験をもとにデータ活用が売上貢献にインパクトを与える活動であるという説明。 - マーケティング活動におけるデータ活用方法
誰に何を伝えるべきか、見込み顧客(又は優良顧客)はどこにいて、どの顧客にいくら費やすべきか、効果はどのように検証し、どのように効率性を上げていくかを章に分けて説明。 - 今後の展望
データ分析の需要が高まり、それに伴い起こる問題(他の本でも言及されるプライバシー問題や人材不足等)を解説。
この本の独自性
非常に実践的な一冊です。
なぜなら、取るべきアクションがとても明確にされているからです。
「2. マーケティング活動におけるデータ活用方法」では各章の目の最後に「月曜日の朝にすること」として、まず何を考え、行動するかがシンプルにまとめられています。そして、その考える、又は行動するためにどんなデータが必要で、どのような分析が役立つかが章の中で語られています。
「xxを明らかにするために、このデータをこう分析を活用する」と目的と手段が明確にされているので、分析手法の説明を聞いて「すごいのはわかったけど、何に使うの?」と疑問になることがありません。
感想
各章のつながりが明確で、ボリュームのわりにさらっと読めます。
ビッグデータ本としても良質ですが、「今どきのマーケティング」を語る上で知っておくべき手法やアプローチを抑えるための一冊としてもオススメです。