ビッグデータビジネスの時代
今回は「ビッグデータビジネスの時代」を紹介します。
ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略
突然ですが、今回から構成を少し変えさせて頂きました。
「ビッグデータ本の違いをお伝えすることで、この連載を読んで頂いた方に“自分にとって必要な情報が載っている一冊”を見つけてもらう」
という当初の目的に立ち返った次第であります。
今回から「全体の構成」と「この本の独自性」という観点で紹介を進めさせて頂きます。
「全体の構成」では、“ざっくり言うと、どんな情報が詰まっているのか”、
「この本の独自性」では“他の本より深堀されているのはどこか?他の本にない切り口は何か?”
ということをお伝えしたいと思います。
そして最後にひとり言的に、私の感想も少し加えさせて頂きます。
全体の構成
- ビッグデータとビッグデータビジネスの解説
ビッグデータを取り巻くプレイヤー(GoogleやAmazon)と各社の取り組みをビッグデータビジネスの解説として実施 - 事例紹介
ビッグデータの活用領域(製造、マーケティング、保守など)によって事例をカテゴリー別に紹介
※分け方はバリューチェーンに近い印象を受けます。 - 主要陣営の戦略
IBM、EMC、オラクル、HPといった主要サービスプロバイダーの戦略の比較 - 技術
データを取得して分析結果を出すまでのメソッドやテクノロジーを紹介 - 今後の課題
ビッグデータビジネスを拡大していくにあたり直面する3つの課題「人材不足、プライバシー、データの不適切利用」を解説 - 将来予測
ビッグデータを利用する企業側と、ビッグデータによるソリューションを提供する企業側の今後の展望を記載
この本の独自性
個別の情報自体は他の本にも記載されているものでしたが、整理の仕方が他の本より断然わかりやすいです。特に下記の2点。
事例のまとめ方:
全体の構成でも記載しましたが、バリューチェーンに近い切り口で分類されていますので事例を引用する際には非常に使いやすいと思います
主要プレイヤーの動向:
ビッグデータを取り巻く事業者を3つのカテゴリーに分類し、それぞれのカテゴリー毎のプレイヤーの動向がまとめられています。個別の企業の活動は取り上げられることはあっても、IBMとオラクルの取り組みは何が違うかといった比較をしている書籍はなかったのでこちらも参考になるかと思います。
※2011年までの情報なので、「ビッグデータが流行り始めた時に、各社がどんな取り組みをしていたか」という視点で見るのがいいかもしれません。
感想
全体的にうまくまとまっており、とても読みやすい一冊です。逆に言うと、尖ったところがあまりないとも言えます。
私にとっては、「ビッグデータ入門者」という印象です。
この一冊でビッグデータに関する事例や考え方を把握し、気になる箇所を深堀する。
例えば、マーケ―ティング領域の事例が気になれば、以前紹介した「ビッグデータ時代の新マーケティング」などを読んでみるといったことでより理解が深まるのかと思います。