本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
データフレンドリーなユーザーになろう!
ユーザーフレンドリー という言葉があります。一言でいえば「ユーザーが使いやすいようになっている」ということです。
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ASCII.jpデジタル用語辞典の解説
ユーザーフレンドリー
ユーザーインターフェイスの設計思想のひとつで、コンピューターなどが使いやすい状態のこと。画面にアイコンや操作手順などを表示して入力しやすさを工夫し、コンピューターの操作をわかりやすくするなどの方法がある。 出所: コトバンク
この思想は、非常に素晴らしいことですし、世の中の多くの商品・サービスは「ユーザーフレンドリー」を目指しています。
しかし、全てのことに、ユーザーフレンドリーが当たり前、となると、少々、不具合が出てきます。
本質を理解しようとせず、受け身(待ちの姿勢)になってはいませんか?
「お客様は神様」という言葉があります。この言葉を「店(サービス提供者)」が使うのは正しいのですが、「客(サービス利用者)」が使うのは正しくありません。店がお客様を神様であるかのように扱うのと同様に、客もサービス提供者に対して(最低限の)リスペクトを抱くべきです。(この前提を持たずに、「神様のように与えられることが当たり前」と振る舞っていると、「他の神様のご迷惑になりますので」と言い返されても文句は言えません。)
ユーザーフレンドリーが実現されているということは、サービス提供者側が「お客様を神様のように扱う」ということの表れです。従って、同じような競合商品・サービスがあった場合、ユーザーフレンドリーが実現されている方をお客様は選ぶわけです。なぜならば、「どれだけお客様を大事に考えているか」の表れなのですから。
しかしながら、本質的に、自分が得たいものが何かを考えないで、ただ、ひたすらにユーザーフレンドリーを求めるというのは、「俺は神様だ」と言っているのに等しいと言えます。
データ分析は「能動的に考える作業」だ
さて、前段が長くなりましたが、ようやく本題です。本稿で取り上げたい「データ分析」は、能動的に考える仕事です。データは所詮はインプットであり、BIツールは所詮は手段です。答えを導くためには、自分の頭で考えることが求められます。そういう種類の仕事においては、「ユーザーフレンドリーなツールがあれば、勝手に分析ができる」などといった都合の良いことは起こりません。
もちろん、ツールがユーザーフレンドリーであることは、悪いことではありません。しかし、それと同時に、ユーザー自身が「データに対してフレンドリーである」ことが、データ分析を成功に導くためには非常に重要です。
そして、場合によっては「ユーザーフレンドリーではないツール」を使った方が、ビジネス上の成果に繋がりやすいことさえあると認識すべきです。
データフレンドリーなユーザーになるための3か条
そこでお勧めなのが「データフレンドリーなユーザー」目指すことです。ここでは、データ分析を成功に導くために求められる、「データフレンドリーなユーザーになるための3か条」をご紹介します。
- 可能な限り生データと向き合い、理解するよう努める
- 分析作業に入る前に、あらかじめ仮説を持って臨む(分析=検証だと知る)
- 他人から提示された数字は、必ず「定義」を確認する
この3つを順守すれば、あなたはデータフレンドリーなユーザーだと言えるでしょう。詳細な説明は別の機会に譲りますが、ここでは、概要だけ記述します。
1.生データと向き合う
生データを恐れるのをやめましょう。確かにデータボリュームが大きかったり、目の前の分析には使わない項目が多く含まれていたりして、少々扱いにくいことも多いのですが、「どういう種類のデータなのか」を最初に見極めておけば、「そのデータを集計することで、何を得られるか」が明らかになります。
2.仮説を持つ
分析においては、最初に仮説を持ちましょう。仮説とは「こういうことなのではないか」という、仮の答えです。間違えてはいけないのは、それが合っているかどうかはどうでもよい、ということです。大切なのはその仮説を検証するために、どのようにデータを集計・比較しないといけないのかを考えることです。そうすることで、データ分析は、あてもなくさまようお散歩から、地図に沿って目的地に進む作業になります。
3.定義を確認する
集計結果が誰かから提示されることも多いでしょう。その際には、必ず、各項目の「定義」を確認してください。その数字が、どういう意味を持つのか。何をどの単位で集計したものなのか。そして、それらが、自分の知りたいことにピッタリ合致しているのか、を考えましょう。(合致していないのなら、その数字を使ってはいけません)
このように、ツールに踊らされず、自身が「やりたいこと」を最初に見極められるのが「データフレンドリーなユーザー」です。こうした姿勢を持つことが、分析業務を成功裏に終わらせるための最大のコツだと言えるでしょう。
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この書籍では、分析の前に、果たして何を考えるべきかを中心に解説されています。(エクセルは、所詮はツールに過ぎません。)本稿の内容に関しても、詳細に解説されていますので、ご一読いただければ幸いです。
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