本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
Python言語は統計分析、機械学習の処理に向いているプログラミング言語
世の中には、C言語やJava言語、PHP言語など様々なプログラミング言語があります。その中でPython言語がデータ分析分野で注目されています。今回は、なぜPython言語がデータ分析に向いているかをR言語などの他言語と比較しながら説明したいと思います。
Python言語とは?
Python言語について、IT用語辞典では下記のように説明しています。
簡潔で読みやすい文法が特徴的な汎用の高水準プログラミング言語の一つ。いわゆるスクリプト言語あるいは軽量言語(LL:Lightweight Language)の草分けの一つで、UNIX系OSを中心に広く普及している。
引用:[IT用語辞典] Python
Python言語の特徴を単語で表すなら「簡単」が適していると思います。Python言語は、ほかのJava言語などに比べて少ないプログラミング命令で同様の処理を行う事が可能です。更に、様々な拡張されたプログラム関数(命令)が、世界中の有志で開発・提供されているため、年々、プログラミング命令の記述量が少なくなってきています。
また、Python言語は、スクリプト言語の1つであるため、実行するためのコンパイル処理を行う必要はありません。そして、WindowsやLinuxでも実行環境を無料、かつ簡単に作ることができるため、プログラミング未経験者でも比較的簡単に始めることができます。
統計分析に特化している点
統計分析に特化したプログラミングとしてR言語があります。現段階では、R言語の方が統計の手法が多いようです。しかし、近年、R言語よりPython言語が、統計分析で注目されている理由は、下記の3つにあると思います。
- R言語より複雑なロジック処理を行える
- R言語より処理速度が速い(参考:[GiXo] PythonとRのビッグデータ統計分析の比較)
- 統計分析用のプログラム関数が開発・提供されている
先の章でも説明しましたが、Python言語は、世界中の有志で開発・提供されています。これらの中のpandasライブラリは、統計分析用のプログラム関数が多く含まれ、最新のライブラリは、インターネットから無料でダウンロードできます。そのため、現在は、R言語より統計の手法が少ないとしても、近い将来、R言語と同等以上になる可能性はあります。
また、R言語は、処理の制約が多い、繰り返し処理(ループ)の処理速度が非常に重いなどの理由で複雑なロジック処理には不向きです。そのため、複雑な条件処理や繰り返し処理を行う場合は、Python言語の方が向いていることが多いです。
機械学習に特化している点
Python言語が、統計分析に特化しているため機械学習に向いています。更にscikit-learnモジュールを無料でダウンロードすることで、機械学習に特化した線形回帰やランダムフォレストなどのプログラム関数を使う事ができます。これらを使うことで機械学習の細かい手法を知らない状態でも、ある程度の処理はプログラム関数を呼び出すだけで行えます。
また、多くの有志が、Python言語を使った機械学習のプログラムをインターネットなどで公開しているため、サンプル数が多いことも重要です。
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