本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
パソコン以外のモノをインターネットにつなげることで、新たなサービスが生まれる
近年、様々なメディアで取り上げられ、耳にするようになった「Iot(Internet of Everything:モノのインターネット)」という言葉。実は、最近生まれた言葉ではなく、パソコンが一般家庭に普及し始めた1990年台には、既に存在していた言葉です。今回は、Iotについて、なぜ最近注目されているかを利用用途や技術の進歩を例に説明したいと思います。
Iot(モノのインターネット)とは?
Iotについて、IT用語辞典の内容を引用します。
IoTとは、コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。
引用元:IT用語辞典:Iotとは
パソコンやスマホは、利用者が自ら「意図的」にインターネットに接続して、様々な情報を入手したり、商品を購入したり、写真や音声などを送ったりしています。しかし、パソコンやスマホ以外のモノは、利用者が意図しなくてもインターネットを使って、様々なサービスを「自動的」にやってくれます。この様にIotの特徴として、「自動的」にやってくれるサービスがあるという事です。
Iotは何ができるか?
モノが情報発信先となるケース
モノが情報発信先となるケースとして、一番、イメージが付きやすいのが遠隔操作です。例えば自宅のエアコンをインターネットに繋いだ時、自宅に帰る前にスマホアプリからエアコンのスイッチを付ければ、帰宅時には快適な温度になります。また、エアコンを切り忘れた時には、遠隔地からスイッチを切ることも出来ます。
モノが情報発信元となるケース
モノが情報発信元となるケースとして、センサー系が代表的ですが、最近では身近な家電などをインターネットに接続して、本来の機能+αを持たせるモノがあります。
例えば、「象印のみまもりほっとライン」は、電気ポットをインターネットに接続することにより、一人暮らしのお年寄りを見守るサービスをしています。毎日、お茶を入れるために電気ポットを使うお年寄りをターゲットにし、ポットの利用履歴を遠隔地の利用者(見守っている人)に送ります。これによって、お年寄りが元気で行動していることを確認することができます。
Iotデータは行動分析に最適
会員情報が入ったPOSデータ(ID-POS)では、購買行動から顧客分析が行えます。しかし、これは対象の顧客が「意図的」に行った行動です。そのため、無意識に行った行動や、購買行動以外の移動などの行動はとることは出来ません。
しかし、Iot機器は、家電や自動車、自動改札口などの身近な場所に導入されているため、購入履歴以外の行動にかかわるデータが多くあります。そして、この行動データと購買データを紐づけて、購買促進としての店舗レイアウト分析などを行うことも可能です。(参照:人流分析とは)
Iotは通信技術とクラウドで成長する
近年、Iotという言葉が、20年もたった今、盛り上がっているのは、やっと技術が追いついてきたためです。20年前は、インターネットがやっと一般家庭でも接続できるようになり、有線で非常に遅い回線速度でした。しかし、近年では、携帯電話キャリアが、通信回線を提供することにより、場所を選ばず、無線で高速情報通信が行えるようになりました。そして、クラウドのサービスにより、Iot機器から送られる大量のデータの保存・分析が安価で行えるようになりました。
今後、これらの技術進歩とともに、Iot市場は更に拡大することは間違いないです。
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