本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
鳥の目(=マネジメント視点)と虫の目(=現場の視点)の両方の目を持った分析者たれ!
「ビッグデータ分析」という言葉が使われ出して久しいですが、同時に「ビッグデータ分析をすれば、よくわからないけど、良い答えが導き出される」という書かれ方をするメディアも多いのが現状です。確かにビッグデータを分析することで、あまたの記事に書かれているように「データ分析したことで売上が前年比120%に!」や「お客様に対するレコメンド最適化で客数が増加!」などという結果を生み出すことは否定しません。
今回、お話ししたいのは「そのビッグデータ分析から導き出された施策は、貴社のビジョンや全体戦略方針、今後の中期経営計画まで見越して実施していますか?」というお話です。
往々にして分析は虫の目からスタートする。
ビッグデータを分析しようという企業において、なぜ分析しようかと思い立つのかというと、「売上が伸びないのはなにか問題点がありそうだ」「もっとお客様の行動に目を向けることで売上がもっと上がるはずだ」などと気になる点があるから分析するわけで、それ自体は非常に大切な“きっかけ”であります。
往々にして現場の担当者やバイヤー責任者、店長とお話をすると、微細な分析に議論が流れる方向が非常に多い様に感じます。例えば、「XX店は精肉をお買い上げになるお客様が多いが、合わせてXX店が力を入れている惣菜を手に取ってもらえていない気がする」など具体的な問題意識と改善案までお持ちで、その裏打ちとなるデータ分析を要望されるケースも多々あります。私どもは、データ分析のプロフェッショナルでありますが、小売業や飲食業のプロフェッショナルではありませんので、現場の皆様の仮説からスタートする分析は、正しいことが多いのですが、一つだけ必ずお伝えしていることがあります。
でも虫の目だけでは、本当にその分析が大事かどうか判断つかない
それが、“鳥の目”の分析になります。現場にいるからこそ、他店や競合、業界の一般論、長い時間でのお客様の動向の変化などが見えなくなることもあるように思えます。そのような時に「確かにおっしゃる点は課題ですが、実はほかにもっと大変な課題がありますよ」と気付くことが出来る分析をしっかりしておくことが、“正しいデータ分析”であると言えます。
大切なのは、鳥の目からのDeepDiveと虫の目からのHighLevelの眺め見
では、現場視点での分析が重要ではないというかというと、全くそんなことはありません。大切なのは、両方の視点から、繰り返し施策仮説が正しいかどうかの検証を繰り返すことになります。このサイクルこそが、「分析を経営に活用する」ことに他ならないのです。