深掘りできるレポートを作ろう | Tableau分析塾

AUTHOR :   ギックス

本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

アクション機能を活用して深掘れるレポートを作ろう

分析レポートを見ていて特異点や特性に気づき、さらに細かい粒度で深掘って分析したいことは多々あるでしょう。例えば、ある指標の推移を、年別→月別→週別→日別といったように時間軸を変えて深掘っていくことで、曜日特性などの変化の周期などの新たな気づきを得ることができます。
月別、日別といったグラフがあるレポートにおいて、粒度の荒いグラフで特異点を見つけ、その期間で粒度の細かいグラフを絞り込んで表示するという作業は、クイックフィルタなどを使うことで実装できます。しかし、月別推移と日別推移を何度も行き来する状況では、グラフの閲覧者に大きな手間を強いることになるでしょう。この作業を、アクションという機能を使うことで、クリックや右クリックなどから容易に深掘れるようになります。
例えば、下記のように、月別推移のグラフから日別推移のグラフにアクションを設定する例を説明します。20151026_breakdown_01

1. アクション設定画面から新規フィルタの追加

月別のワークシートを表示し、メニューバーのワークシートからアクションを選択します。20151026_breakdown_02
出てきたウィンドウにおいて、アクションの追加→フィルタと選択します。20151026_breakdown_03

2.ソースシートとターゲットシートの設定

ソースシートとターゲットシートを設定します。この例では、月別推移グラフから日別推移グラフに遷移させるので、ソースシートは月別推移、ターゲットシートは日別推移になります。20151026_breakdown_05

3. トリガーアクションの設定

次に、アクション(この例だと月別推移から日別推移への遷移)を実行させるトリガーを設定しましょう。トリガーは下記の3種類が用意されています。20151026_breakdown_06

  • ポイント:絞り込みたい項目にマウスオーバーすることでアクションが実行される
  • 選択:絞り込みたい項目をクリックすることでアクションが実行される
  • メニュー:絞り込みたい項目の上で右クリックし、メニュー内にある項目をクリックすることでアクションが実行される

なお、単一選択の時のみアクションを実行したい場合は、「単一選択のみに実行」チェックボックスをONにします。
そして、ソースシートにおいて、ポイントや選択を外した際に、ターゲットシートの絞り込みをどうするかを設定します。20151026_breakdown_07

  • フィルターを残す:マウスオーバや選択が解除されても、ターゲットシートの絞り込みを解除しません。
  • すべての値を表示:マウスオーバや選択が解除されると、ターゲットシートの絞り込みを解除します。
  • すべての値を除外:マウスオーバや選択が解除されると、ターゲットシートにグラフを表示しなくなります。

今回の例では、アクションの実行対象は「選択」、選択項目をクリアした結果は「すべての値を表示」にしてみます。

4. 絞り込み条件を設定

最後に、絞り込みをかける条件を設定しましょう。ターゲットフィルタのところで、「選択したフィールド」を選び、フィルターの追加ボタンを押します。なお、「すべてのフィールド」としないのは、意図せぬ値で絞り込んでしまうことを防ぐためです。20151026_breakdown_09
ソースシートからターゲットシートに渡す項目を選択しましょう。この例では、月別推移から特定の月を選択して、その月の日別推移を確認するので、月の情報を渡してあげます。20151026_breakdown_10
以上で設定は完了です。実際に、月別推移のある月をクリックすると、その月に絞り込んだ日別推移が表示されるようになりました。20151026_breakdown_11このアクション機能は、ワークシート→ワークシート以外にも、ダッシュボード→ダッシュボードやダッシュボード内のシート→ダッシュボード内のシートなどの遷移にも設定できますので、色々と試してみてください。

深掘りの筋道を用意したレポートを作ろう

グラフの特異点や特性は、粒度の細かい日別推移に現れることもありますし、粒度の荒い月別推移に現れることもあります。大切なことは、粒度の荒いグラフで全体傾向をつかんだ上で、粒度の細かいもので詳細をつかむといったプロセスを何度も繰り返すことです。全体傾向をつかむことで、ニッチすぎる層をターゲットにした施策やアクションに結び付いてしまうことを避けられるでしょう。
また、施策やアクションを考える人と、レポートを作成する人が別な体制では、前者の人が試行錯誤しやすいように、後者の人はあらかじめどのように深掘っていくか(深掘りの筋道)を2人で討議しましょう。

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