本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
人はなぜゲームをプレイするのかを考えよう
どのような人がソーシャルゲームをプレイしているかを把握することは、ソーシャルゲームを運営していく上で非常に重要です。本連載では、「Gamification by Desing」という本で紹介されていた、4つのプレイヤータイプを解説し、ログの出力方法などについて考察してみたいと思います。
- Explorers
- Achievers
- Socializers
- Killers
なお、ゲーム内には、これらのプレイヤータイプのどれかひとつのみが存在しているのではなく、4つのプレイヤータイプが混在しています。また、ユーザはどれかひとつに分類されるのではなく、ある場面ではExplorers、ある場面ではAchieversとして振る舞うこともあります。分析対象となっているゲームには、どのプレイヤータイプがどの程度存在しているのかを把握できるようになっていることが重要です。
第1回は、4つのプレイヤータイプの具体的な紹介の前に、まず、ゲームに対するモチベーションについて考えてみましょう。「人はなぜゲームをプレイするのか」を考えることで、プレイヤータイプの理解が一層深まります。
人がゲームをする目的を理解した上でゲームをデザインしよう
「Gamification by Design」では、ゲームに対するモチベーションを掻き立てる要因として以下の4つを挙げていました。
For mastery:達成感を感じるため
目標や試練を達成したときに得られる快感を求めてゲームをプレイする人は多いでしょう。その目標や試練が、ある程度の努力で達成できそうに見えるものであれば、人は「よし、やってみよう」という気持ちを抱きます。目標や試練の達成を繰り返していくことで、ユーザのゲームスキルが向上し、より強く、より上手くなったという実感に繋がっていきます。
なお、ゲームスキルからかけ離れた目標や試練は、モチベーションの減退に繋がるリスクがありますが、達成時の快感は大きくなります。逆に、ゲームスキルに近い目標や試練は、モチベーションを掻き立てますが、達成時の快感はそこまで大きくありません。適切なタイミングで適切な目標や試練をユーザに提示できているかを確認してみましょう。
To destress:ストレス解消のため
ゲームをストレス解消に使用している人は多いでしょう。現実世界ではできないことを仮想世界であるゲームでやることで、様々な要因で溜まったストレスが解消されるのではないでしょうか。
ということは、ユーザがゲームの世界でやりたいと思っていることが、ゲーム内で実現できなければ、逆にストレスを感じて、ゲームをやめてしまうでしょう。ユーザがしたいと思っていることと、こちらがユーザにさせたいと思っていることは一致していますか?
To have fun:楽しむため
ゲームをプレイするすべての人は、ゲームを通じて楽しみたいと期待しています。
分析対象となっているゲームは、どのような体験から楽しみを感じさせるものなのかを考えてみましょう。特に、ゲームの最小単位であるゲームコアは、ユーザに楽しいと感じてもらえるものであるのかを確認してみましょう。なお、ゲームコアについては、こちらの記事でも記載しています。
To socialize:他人との交流のため
インターネットの普及により、ゲームの世界でも簡単に人と交流できるようになりました。ゲームの世界でも現実世界と同じように、人と交流することに楽しみを見出している人もいます。
ソーシャルゲームと呼称されるぐらいですから、何かしらのソーシャル要素は含まれているはずです。分析対象となっているゲームは、ソーシャル要素がゲームの楽しさを広げられているのかを考えてみましょう。
ゲームのどこにモチベーションを掻き立てる要素があるのか整理しよう
分析対象となっているゲームは、ユーザのモチベーションを掻き立てるように設計されていたでしょうか。まずは、ゲームのどこに、どのようなモチベーションを掻き立てる要素があるのかを書き出してみてください。さらに、他にもモチベーションを掻き立てる要素を盛り込めないか考えてみてください。
そして、これらのモチベーションを計測できるようなログが出力できているか確認してみてください。
連載記事リスト
- 第1回:ゲームへのモチベーションを掻き立てる要因とは? (本稿)
- 第2回:Explorersとは探究を求めるプレイヤー
- 第3回:Achieversとは達成感の虜になったプレイヤー
- 第4回:Socializersとは人との繋がりを重視するプレイヤー