本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
ユーザー行動の理解に繋がる指標選びを
本稿では、コンセプトダイアグラムによって何が明らかにされ、どのように役立つのかを紹介致します。尚、本稿では清水誠氏がSlideShareで公開していらっしゃるスライドを引用させて頂いております。
http://www.slideshare.net/mak00s/uxweb
また、今回引用させて頂いてはおりませんが、清水氏はもう一本スライドを公開していらっしゃいます。こちらも大変参考になりますので、是非ご覧になって下さい。
http://www.slideshare.net/mak00s/web-43928686
3ステップの締めくくり – 指標の選定と成果の検証
過去2回に渡り、コンセプトダイアグラムの作成ステップについてご紹介を行いました。今回は3ステップの最後となる「ユーザーが想定通りの行動をとっているのか、実施した施策で効果があがったのか検証するための指標を決定する」および、その指標を用いた成果検証について解説致します。
現段階でコンセプトダイアグラムはほぼ完成に近づいていますが、今回ご紹介するステップをおろそかにしてはいけません。来訪者が想定した行動をとっているのか、施策によって行動に変化は起きているかを検証して改善を行い、成果に繋げなければコンセプトダイアグラムの価値は半減します。
ユーザー行動や施策の効果を検証するために、コンセプトダイアグラムで整理した行動一つひとつを定量的に検証する指標を設定します。ここでは、アクセス解析ツールに用意されている指標を漫然と見るのではなく、来訪者のどのような行動を確かめるのかを考えたうえで指標を設定することが重要です。
こうして指標をマッピングすることで、最終的な目標(地ビール販売の場合では商品の購入)と各指標の繋がりを可視化出来ます。目標の達成数に増減があった際に各指標を確認することで、どこに原因がありそうかという推測を素早く行うことが可能となります。これにより、改善施策の立案・実施までの速度も上がります。
陥りがちな問題にコンセプトダイアグラムで立ち向かう
本連載の第1回でも述べましたが、アクセス解析を上手く施策に繋げられない典型例は、明確な目的を持たずにサイト全体のセッション数や滞在時間を見てしまうことです。これでは「○○回の訪問があった」「平均で×分×秒滞在されている」という事実が分かるだけで、ユーザー行動の理解は難しく施策立案にも繋がりません。
コンセプトダイアグラムを活用して以下3点を整理することが、施策に繋がらない状況から脱する契機になります。
- ユーザー視点での行動
- 行動に対応したwebサイトのコンテンツ・機能
- ユーザーが想定通りの行動をとっているのか、実施した施策で効果があがったのか検証するための指標
これにより、改善ポイントと評価指標が明らかになります。施策立案および成果検証に役立つweb解析が出来ずお悩みの方にとって、継続した改善サイクルを回して行く手助けになるでしょう。
【連載記事:Webサイト設計、改善に役立つ「コンセプトダイアグラム」】
- そのアクセス解析は何を知るためのものですか?
- ユーザー視点でWebサイトを捉える
- 作って終わりではなく、継続して活用する (本稿)
- Webサイト設計、改善に役立つ「コンセプトダイアグラム」