本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
iBeaconのデータをどうやって取得するのか
iBeaconで人流分析をするための準備ステップを振り返ってみましょう。
まずは、顧客のiPhoneに入れるアプリを開発します。その後、アプリに情報を配信するためのBeaconを店舗に配置します。この2つの準備が整って初めて、データを蓄積することができ、分析を始めることが出来ます。
アプリインストールの壁はマーケティング部門の「言いなり」で乗り越える
以前お話しした通り、インストールしてもらえるアプリは顧客にとってメリットがある必要がありますので、マーケティング部門の視点(かつ予算)で開発・リリースしてもらうのがいいでしょう。人流分析のデバイスという視点からは、ある意味予算としてはゼロで相乗りするようなものですので、マーケティング部門主導で進めてもらい、Beaconのプログラム(API)だけを乗せこんでもらうよう交渉することだけがこの段階での大事な交渉になります。
マーケティング用Beacon配置と人流分析を考えたBeacon配置は違う
Beaconのプログラム(API)をアプリに組み込むことが出来たら、次は店内にBeaconを設置する計画を立てることになります。ほとんどの場合はアプリベンダー側が適切と思われる位置(かつあまり目立たない場所)にBeaconを設置してく作業を行うことでしょう。場合によっては天井であったり、柱の脇であったり様々な場所に設置していくことかと思います。
壁に設置している例:http://estimote.com/
天井付近に設置している例:http://www.aplix.co.jp/
しかし、人流分析の視点から見るとこれらのマーケティング用Beaconの配置だけでは十分とは言うことができません。
そのままの配置で出来ない理由は数多くあるのですが、最も大きな点は、「プロモーションを提供したい場所と人流を計測したい場所は違う」ということです。この違いを十分に理解し、人流計測の為のBeacon配置をも考えていかなければなりません。
分からないなら、Beaconはおけるだけおこう
もし、「人流を計測したいけれどもどのように配置していいか分からない」場合や、「配置してから、分析を行ってもらえるベンダーに依頼しよう」という場合であれば、お勧めするのは「とにかく沢山配置する!」ということです。
弊社を始め、人流分析が行えるプレイヤーはこれまでの経験から人流分析に必要な計測機器の配置ノウハウを有しております。分析を依頼されるときに最も困るのが、少ない数のBeaconデータから「分析してください」とお願いを受けることです。アウトプットを出せないことはないのですが、元となるデータが足りないものである場合は、ミスリードしてしまう可能性の高い分析結果となることも多い為、「分析はしますが、再配置(もしくは追加配置)を御提案します」と回答をさせて頂いております。
蓄積されたBeaconデータはそのままでは使えない
アプリを開発し、インストールしてもらえるようマーケティングも行い、Beaconも人流分析のことを考え十分に設置した。データも十分蓄積された。ここまで来てようやく分析に入るのですが、実は分析に入る前にもう一つ大きな落とし穴があったりします。その怖い落とし穴とは、、次回は、どんな落とし穴が待ち受けているのか、それをどのように乗り越えるべきなのかをお伝えしようと思います。(つづく)
【連載記事:iBeacon指南書】
第1回:iBeacon(アイ・ビーコン)データを経営に活用せよ!
第2回:人の流れのデータ取得の歴史とデバイスの進化
第3回:iBeaconを人流データ取得デバイスとして使う為に乗り越えるべき壁
第4回:iBeaconの最大の強み「安い」ことを活用する (本稿)
第5回:大切なのは“精度検証”と“Beacon間の計測差”を整えること
第6回:一口に人流といっても大きく3種類。それぞれ目的に合わせて取得しよう
第7回:結局、大事なのは「人流分析して何をしたいのか?」という問い
第8回:するべきなのは「人流分析」なのか?
第9回:日米での人流解析の違いが面白い
第10回:gridならヒートマップもアナリティクスも提供!