本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
国勢調査 第6表は「家族構成」
統計データ徹底解剖シリーズ、国勢調査編。前回に引き続き、国勢調査の「人口等基本集計に関する集計」にまつわる項目について解説していきます。
第6表 世帯の家族類型別一般世帯数,一般世帯人員及び1世帯当たり人員(6歳未満・18歳未満・65歳以上世帯員のいる一般世帯数,65歳以上世帯員のみの一般世帯数及び3世代世帯)
第6表は基本構造と全体構造が入れ子になったやや複雑な構成になっており、それぞれを分けてから把握したほうが理解しやすいです。
まず基本構造からですが、総数の内訳として「親族のみの世帯」「非親族を含む世帯」「単身世帯」に分かれます。「非親族を含む世帯」にはルームシェアや婚姻関係でないパートナー同士の同棲などが該当しますし、「単身世帯」は独身世帯以外に単身赴任世帯や離別・死別してしまった1人世帯なども含みます。
「親族のみの世帯」はさらに「核家族世帯」と「各家族以外の世帯」に分かれ、「核家族世帯」はさらに「夫婦のみ世帯」と「夫婦と子供世帯」に分かれます。「夫婦と子供世帯」に関する注意点としては、子供の年齢は関係なく親子関係にある者同士であれば該当するということが挙げられます。また、これはちょっとしたテクニックなのですが、「核家族世帯」-(「夫婦のみ世帯」+「夫婦と子供世帯」)=「片方の親と子供が同居している世帯」という計算式が成り立ちます。現在社会問題として認識されているシングルファーザー/マザー世帯の状況などを把握したい場合に、役立つ指標となるでしょう(単身赴任によってどちらかの親と同居するケースも含まれるので注意は必要ですが)。
「核家族以外の世帯」は親族ではあるけれども核家族以外の人々も含んで構成されている世帯のことを指します。またその中でも、核家族+祖父母(あるいは孫)が揃った世帯のことを「三世代世帯」と呼びます(三世代世帯の代表例はサザエさん一家です)。
次に全体構造です。全体構造に登場する項目たちは、すべて前述した「基本構造」を持っています。全体構造の主な構成要素は「一般世帯数」「一般世帯人員」「1世帯当たり人員」の3つです。前回記事でも触れましたが、第4表の「施設等の世帯」に住んでいる人の割合が高いと「1世帯当たり人員」の数値が大きく上振れする可能性があるため、「1世帯当たり人員」の項目の扱いには注意が必要です。
「一般世帯数」については4つの観点で再集計されています。はじめの3項目は「○○の人を含む一般世帯数」であるのに対し、最後の1項目は「65歳以上の人のみの一般世帯数」であるということに注意してください。