「ビジネスケース作れます」と言っていいレベルへ:分析とビジネスケース作成の深イイ関係(6)

AUTHOR :   ギックス

レベルアップの為のトレーニング:その1)まずはいくつも作ってみること

この連載の第2回、3回でやった「あなた自身の5年後までの家計計画を立ててみてください」という演習を実際に自分で手を動かして頭を使って考えた方であれば、納得のポイントだと思いますが、やっぱり自分で悩んで作ったことというのは身に付きますよね。戦略コンサルタントや経営コンサルタントは1プロジェクトで必ず1つ以上のビジネスケースを立案します。(しかも、たくさんの項目数とたくさんの前提による場合分けを含めたら、ケース数×変化項目数×前提数くらいの量を!)プロフェッショナルなシニアコンサルタントが涼しい顔でビジネスケースを立案できるのも、それこそ数百ちかいケースを真摯に立案してきた経験があるからなのです。
 

レベルアップの為のトレーニング:その2)お手本をたくさんみること

しかし、忙しい皆さんが、毎日コンサルタントばりにビジネスケースを端から作っていたら、本業に影響を来すかもしれません。自分で作るというのが大切ということは動かしようのない事実ですが、もう一つ方法があります。それは、様々な会社の有価証券報告書や決算説明会資料を読み漁るのも有効な方法の一つです。
それら資料をしっかり読むと、今後の事業計画が書かれているだけでなく、過去に遡っての説明(多くは言い訳にちかい内容ですが)が書かれており、例えば、「円高の影響で海外事業の売上が低減」や「旺盛な各顧客IT企業のIT投資の影響を受け、事業収益が過去最高」など振り返ってみると、「なるほどそういう項目を事業計画の根拠としたのか」と、計画の内容や前提、さらにはどの項目を事業計画で重視していたのかが見えてくるはずです。
 

レベルアップの為のトレーニング:その3)お手本からビジネスの型を知る

最後は、100社以上のお手本を見ていった先にあるトレーニング方法です。もしあなたが、100社超の事業計画を見てきたならば、世の中にある大体の業種を抑えていることと思います。すると、工場など設備投資の計画いかんにより大きく事業影響がある製造業や、時流の読み間違いが事業計画悪化の原因となるIT企業(逆にうまく読んだ結果の先行投資が、いま花開いているIT企業)など各企業の担当者が重視した項目の変動と計画、結果がどうなったのかなどが整理して理解できることと思います。各業種のポイントを自分なりに理解していくことで、今後あなた自身がビジネスケースを立案するときに、同業種であれば容易に、異業種であったとしても、応用を聞かせることで、勘所をつかんだビジネスケースを立案できることでしょう。
 
その3は特に難しく感じるかもしれませんが、人間何事も本気でしっかり取り組めば、じきに見えてくるようになると思いますので、継続して取り組んでみてください。
 
さて、いかがでしたか?全6回に渡ってお届けした「ビジネスケース作成の極意」。分析が得意な皆様であれば、ほんの少し、ビジネスの要素を身に着けるだけで、誰もが羨むビジネスケース作成者の称号が得ることができるということが少しでも伝わっていることを願っております。

関連/連載記事リスト:ビジネスケース作成
SERVICE