本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
商品マスタには「カテゴリ」の概念がついている(ハズ)
前回の記事「レシートから想像するマスタテーブル」では、「商品マスタ」について書きました。今回は、この「商品マスタ」についてもう少し考えてみることにします。
購入商品に割り当てられた6桁の番号?
まずは、下のレシートをご覧ください。 前回まではセブンイレブンのレシートでしたが、今回は海外の製品も取り扱っているスーパーのレシートです。
商品名が英語で記載されていたり、記載されている位置が異なったりするものの、前回まで見てきたコンビニのレシートとほぼ同じような項目がレシートには記載されています。その中で、これまでのレシートと違う点を探してみると、購入した商品のリストの頭にある6桁の番号に目がいきます。 この番号は何でしょうか?
よくよく見てみると、lettuce(レタス)、Tomato(トマト)、Welshonion(ネギ)の前には同じ番号000241が振られています。レタス、トマト、ネギ、、、すべて野菜です。このことから、この6桁の番号は商品のカテゴリの番号では無いかと推察できます。
野菜と分類が近そうな果物であるDole Banana(Doleバナナ)の番号は000242となっていて、000241と一番違いなのもこの番号が商品カテゴリの番号だとすると納得がいきます。
商品マスタと商品カテゴリ
前回のコンビニのときのようにして、今回のレシートから”商品マスタ”を作ってみると下のようになります。
今回の”商品マスタ”では、カテゴリ番号という列が追加されました。このカテゴリ番号によって、商品をグループ分けしていることになります。
なお実際のデータベースでは、数字だけではどんなカテゴリなのかわからないので、「000241-野菜」といった対応表が存在しているはずです。
POS分析に「商品カテゴリ」は重要
さて、この「商品カテゴリ」ですが、POS分析において重要な役割を持ってきます。
「商品の売れゆきは時期によってどう変化するか」であったり、「どの商品とどの商品が一緒に買われやすいか」といった分析をする際、商品1個1個で見ていると、サンプル数が少なくなるために分析結果の誤差が大きくなってしまいます。そのため、商品をカテゴリで分類して、母数を多くすることで、より確度の高い分析ができるようになります。また、商品は時間とともに入れ替わっていくものなので、時系列の推移を追う際にも「商品カテゴリ」が重要になってきます。
どのようなカテゴリに分類するかですが、それはどのような分析をしたいかによって変わってきます。スーパー全体の売り上げの傾向をつかみたい時には「野菜」「魚介類」「肉類」など粗いカテゴリが良いでしょうし、「野菜」の中での売れ筋を見ていきたい時には、「トマト」「なす」「キャベツ」といった細かいカテゴリが必要となってきます。
分析のことを考えると、「大分類」「中分類」「小分類」といった階層別にカテゴリを用意しておくとよいでしょう。
なお、場合によっては商品ごとに分析をした方が良い場合があります。 「○○という商品について特売を実施したが、その効果を検証したい」といった場合です。 カテゴリで分析するか商品ごとに分析するかは、結局のところ何を分析したいのかによって決まるのですが、どのような分析にも対応できるようあらかじめ商品をカテゴリに分類しておくことは重要です。
このように「商品カテゴリ」はPOS分析をするために重要ですし、そもそも商品管理の際に必須でしょう。 今回のスーパーの例では、数字としてレシート上に現れてきましたが、レシートに現れてきていない小売店でもきっと商品はカテゴリに分類されていることでしょう。