ミスをしない分析のスタートは、アウトプットをきっちり考えてから
分析の”段取り”とは
データ分析を始めようとするとき、まずデータ分析ソフト(RやTableau、Excelなど)を立ち上げて、必要なデータを探して、気になるグラフを作って、切り口を変えて、、。と素早く動いていませんか。これでは、毎回俗人的なデータ分析ファイルが出来上がってしまいます。俗人的なファイルはミスに自分自身で気が付くことが出来ないまま、きつく言えば「やりっぱなし」のデータ分析とも言えます。
実は、データ分析を始めるときにやってはいけないことの一つとして、「いきなりシート作成に入らない」ということがあると考えています。というのも天才を除いて、普通は導かれるアウトプットをきっちり考えてから、インプットや変数の根拠を見つけ、分析ファイルに組み込み、ファイルを設計していかないと、しっかり分析ファイルが組上がらないからです。
このことは何も難しいことを言っているわけではなく、例えば家を建てるときには3階建てにするのか2階建てにするのか、部屋はどのくらいつくるのかを考えて“設計”してから、柱が何本必要で、壁材はどのくらいで、、と資材を計算していきますよね。そのあとに、5mの柱を何本切り出し、3mの板が何枚でと細かい作業を始めていくはずです。それと同じことを言っているだけのことです。
まず、データ分析によって導かれるアウトプットをきっちり考えてからファイルを作り始めることが肝要です。
まず何を言いたいのか、ゴールはなにか
データ分析によって導かれるアウトプットというのは様々です。スーパーであれば月次の売上、顧客数、平均単価など。しかしこれはデータ分析の結果にすぎず、ゴールをしっかりと認識してください。ここでいうゴールとは、月次の売上を見て何を言いたいのか。顧客数を見て何を言いたいのか。平均単価を見て何を言いたいのかということです。
往々にして、その「正しいゴール」を間違ったまま分析を始めると、分析データを持って、「できました!」と喜び勇んで会議で発表しても、「それで?」と言われて初めて「微細な点に気にして、全然何を言うか考えてなかった」ということがあります。まさに「木をみて森を見ず」です。
「こんなことを言いたい」(または、「ここが分からないから、まず知りたい。知ったうえでこんなことを言いたい」)と”言いたいことありき”でデータ分析の設計は始まります。
(次回につづく)
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