本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
「バスケット=かご」の中身を分析して、購買行動を探る
「バスケット分析」という言葉はPOSデータ分析の世界においては、当たり前のように聞かれる言葉です。
今回は、この「バスケット分析」という分析手法について書いていきたいと思います。
バスケット分析とは
バスケット分析(またはマーケットバスケット分析)とは、頻繁に購入される「商品の組合せ」を見つけるための分析手法です。
マーケットバスケット分析は、POS(Point Of Sales)データの分析を行うときに使われる手法で、一度の購買(レシート)で、どの商品とどの商品を買ったのかという(あるいは商品カテゴリ同士)、「組み合わせ」を分析する手法です。
出所:第1回 マーケットバスケット分析とは?|POSデータでマーケットバスケット分析の実践 with R | GiXo Ltd.
有名なバスケット分析のエピソードとして、「ビール」と「おむつ」があります。
米大手小売りチェーンでPOSデータを分析してみたところ「ビール」と「おむつ」が一緒に買われやすいという結果がわかり、「ビール」と「おむつ」を隣に陳列してみたところ売り上げが伸びた、というエピソードです。
このエピソードの真偽のほどはわかりませんが、バスケット分析が有用な分析手法として考えられている証でしょう。
どの”粒度”の商品群でバスケット分析を行うか
このように、POSデータの分析手法の一つとして有名なバスケット分析ですが、バスケット分析の対象はSKUごと(商品ごと)が良いのでしょうか?それとも商品カテゴリごとが良いのでしょうか? (SKUについての説明は記事「SKUとは|データ分析用語を解説」へ)
SKUごとの分析では、詳細な分析結果を見ることができますが、それぞれの組合せの母数が小さくなってしまうため、どうしても誤差が大きくなってしまいます。
一方で、商品カテゴリごとの分析では、母数が大きくなり、分析の精度が上がるものの、詳細な分析には適していません。
結局は、どちらがいいというものではなく、何のために分析したいかによって、分析の”粒度”は変わってきます。
どんな組合せが売れやすいかの概要を把握したいときには商品カテゴリごとの分析をすべきですし、他の商品の売り上げの促進に貢献しているある特定の商品を見つけ出したいといった場合にはSKUごとの分析が必要となってくるでしょう。
また、商品カテゴリと言っても、「飲料」といった大きなカテゴリから、「500mLペットボトル入りの炭酸飲料」といったカテゴリまで、さまざまな粒度が考えられます。
このカテゴリの粒度も、分析の目的に沿って、設定されているべきです。
このように、「バスケット分析」と一口に言っても何を分析したいかによって、分析する対象が変わってきます。
バスケット分析はあくまで分析手法の一つのツールであり、何のためにこのツールを使うのかを考えることが重要です。
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