前回はUVP(Understandable Value Proposition)である、顧客の肚(はら)に落ちる提供価値に関して説明しました。
今回はUVPの考え方に関して説明をして行きます。
改めてUVPを考える:
ではUVPを考える際にどのように考えて行けばよいでしょうか。実は多くの企業にとって、商品やサービスは既に存在しているものです。その商品に「何の価値もない」と言う事はまずありません。
そのため、いつもUVPの「再定義」という言い方をします。
そのUVPを考えるときのヒントはいくつかあると思います。
- R&D部門はどのような訴求価値を見越してこの商品/サービスを開発したのでしょうか?
- マーケティング/セールス部門から見て、顧客が肚に落ちる価値は何であると考えられるでしょうか?
また、UVPは商品単体だけにより実現できない事もあります。商品の販売の仕方や流通までの巻き込みまでも含めて実現する場合もありますし、また製品自体に訴求価値がないとしても、アフターセールスなどもあります。顧客からしたら、購入後の利用フェーズにおいて、手厚いフォローを受けることに価値を感じる事もあります。
UVPとは、「顧客の肚落ちする価値」ですので、何も商品だけで成し遂げようとする必要はありません。顧客との接点をMOT(Moment of truth)、真実の瞬間などと言ったりしますが、顧客との接点において、顧客の肚に落ちる価値と言うものを再度真剣に検討して行くことが必要になります。
そもそも価値って?
少し余談になります。世の中で言われている価値とはどんな物があるかご存知でしょうか?
価値を考える際に、一般的には以下の3つが有名どころかと思います。
- 「機能価値」
- 「情緒価値」
- 「経済価値」
価値はあくまで「顧客の肚に落ちる価値」ですので、こちらの都合で勝手に価値を押し付けるのは本末転倒ですが、世の中にはこれらのように多くの価値があると言う事を参考までに掲示しました。このような価値も参考にして頂ければと思います。
UVPの再定義
- 自社商品のUVPとは何でしょうか?
- それらの提供価値は、本当に顧客が価値に感じている事でしょうか?
- 例え説明に時間がかかったとしても、顧客は肚落ちしてくれるでしょうか?
- また、それらの価値は競合と比較した際にValue Propositionになりうるでしょうか?
おそらく、書き出してみると自明であり、「社内の誰もが知っているよ」と言うものだと思います。むしろ、新発見だったとしたら、今まで何をしていたのだと言う事にもなります。ですが、そのUVPをきちんと定義して、それらの訴求価値を顧客に真摯に伝えていようとしている企業は実はそうは多くありません。
「コロンブスの卵」であるからこそ、改めてSlideに落とすなどで明示する必要があると思います。
次回に続く。
【 連載記事一覧 】