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ギックスの本棚/スラムダンク 完全版 #18-19 ~豊玉戦~

AUTHOR :  田中 耕比古

バスケットは好きか・・・?

ギックスの本棚は”カタい本からユルい本までご紹介する”というのがモットーなわけですので、漫画に手を出すこともあります。マンガといえば、これは避けては通れない「スラムダンク」から豊玉戦を取り上げてみたいと思います。春ですし。ユルいかんじで。

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 あらすじ

説明するまでもないと思うので、超簡単に。「大阪のガラの悪い豊玉高校とインターハイ初戦で対戦。ラフプレイとかあるが、最後は彼らも”自分らしさ”を取り戻してスポーツ最高!バスケ最高!ってなりましたとさ。めでたしめでたし。」

大切なのは「初心」

豊玉高校は、インターハイの常連校です。しかし、毎年ベスト8どまりだということで、監督の北野さんが更迭されます。北野さんを慕って入学した南と岸本は、新任の監督の方針は無視して、北野さんのスタイルである「ラン&ガン」でのベスト4入りを目指します。

目指すは勝利。その為の手段は選ばない。

なんのために今まで必死でやってきた思とんねんや!!こんなとこで負けたら・・・ (豊玉高校 岸本)

オレらには 勝利より優先するものはないからです (豊玉高校 南)

彼らは「勝利」しか目指しません。北野さんの正しさを証明するために。

勝利というゴールを設定し、それに向かって邁進する。戦略的には何ら間違っていません。

前提条件を忘れていないか

しかし、彼らは試合の後半「大前提」を思い出します。

いつのまにかオレは大前提を忘れとった 北野さんがいつも言うてはった ”バスケットは好きか・・・?” (豊玉高校 南)

ゲームそのものを楽しむことを・・・ もうずっと忘れとった気がする・・・ (豊玉高校 南)

これは、非常に重要なポイントです。「勝利のために手段を選ばない」ということと「大好きなバスケットを楽しくやる」ということは、(相当な部分で)相反します。

「勝利」をゴールに据えた場合、楽しいかどうか は重要ではなくなります。一方、「楽しい」がゴールの場合、勝利は楽しむための一要素になります。

あきらめるのは早い 勝つで (豊玉高校 岸本)

勝った方が100倍楽しいもんな (豊玉高校 南)

初心にかえる、ということは、非常に重要なことです。

ビジネスも「同じ」じゃないか

スラムダンクは、高校生の部活動の話ではありますが、ビジネスの世界でも同じことが言えると僕は思います。

何かを始める時(新卒採用で入社する、転職する、起業する、新規事業を立ち上げる など)には、夢や理想に燃えていたハズです。しかし、それを忘れてしまってはいないか、と自分に問うてみるべきではないでしょうか。

目的というのは、自分でセットするしかありません。また、他人に説明する際には、本音とは違う説明をするかもしれません。(特に、ビジネスの世界では「楽しみたいから」といってもお金が出てきませんからね。)しかし、自分に嘘はつけません。

例えば、日々、お金を稼いで生きていくことは非常に重要ですよね。しかし、お金を稼ぐことを目的化してしまって良いのでしょうか。お金を稼ぐ、というのはあくまでも「その先に、お金を使ってxxxをしたい」という本当のゴールがあるのだと僕は思います。(もちろん、食べていかないといけないんだから、稼がなきゃいけない、というのはわかりますよ。)

あるいは、起業して会社をつくったとしましょう。その会社は、ある思想を持って作ったはずです。その思想を簡単に売り渡して良いのか。事業運営をドライにみれば、より儲かる方向に舵を切ることが求められます。しかし、その為に「魂を売って」も良いのでしょうか?

もちろん、正解なんてありません。でも、たまには初心に立ち返って「なんで、僕は今、この仕事/ビジネスをやってるのか」と問うてみてはいかがでしょう。日々の仕事に埋没すると初心を忘れがちではありますが、あなたが今、そこにいるのは、その”初心”のおかげなのですからね。

 

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