”考え方”を考える|すっぱい葡萄と甘いレモン:甘い葡萄を狙いに行け!(シンカホリックのススメ)
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- POSTED : 2015.10.07 08:26
f t p h l
ひょっとして、簡単に諦めてませんか?
こんにちは。シンカホリック田中です。売れない芸人さんみたい、もしくは、お茶目なネタを書くライターさんみたいな名前ですが、ちょっと気に入っています。シンカホリック=考えちゃう人ということで、心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書きつくる日々ですが、今日は「すっぱい葡萄と甘いレモン」について考えてみたいと思います。
すっぱい葡萄と甘いレモン
知らない人はいないと思いますが、「すっぱい葡萄と甘いレモン」という言葉があります。
毎度おなじみwikipediaさんから引用しますが、要するに「手に入らないものは、自分を納得させる理由をつけて諦める」というお話です。それによって、心理的に自分自身を守る(防衛する)ことができる、というわけです。
「すっぱい葡萄」(すっぱいぶどう)は、イソップ寓話の一つ。「狐と葡萄」ともいう。
あらすじ
キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。食べようとして跳び上がるが、ぶどうはみな高い所にあり、届かない。何度跳んでも届かず、キツネは怒りと悔しさで、「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。
解説
手に入れたくてたまらないのに、人・物・地位・階級など、努力しても手が届かない対象がある場合、その対象を「価値がない・低級で自分にふさわしくない」ものとみてあきらめ、心の平安を得る。フロイトの心理学では防衛機制・合理化の例とする。また、英語圏で「Sour Grapes」は「負け惜しみ」を意味する熟語である。
これと反対の例として「甘いレモン」というものがあります。これは、「レモンしか手に入らないけど、自分を納得させて、それで我慢する(甘いと思い込む)」ということです。
2×2マトリックスにしたくなるよね!
さて、そんなすっぱい葡萄と甘いレモンの話ですが、これを聞いた瞬間に、シンカホリックの頭の中には2×2マトリックス(ツー・バイ・ツー マトリックス)が浮かびます。
これ、たぶん、シンカホリックなら、全員最初に浮かびます。っていうか、これが浮かばないで”考えている”という人は「効率が悪い考え方」をしていますよ。で、当然ながら、このマトリックスの中は、こうなりますね。
はい。「すっぱい葡萄」と「甘いレモン」は、ここに位置してます。ここまでを「すっぱい葡萄と甘いレモンという言葉を聞いた瞬間に頭に浮かぶ」ようになると、いろいろ捗ります。
マトリックスを書いたら「空白」が気になる
何が捗るのか。一番、効果てきめんなのが「空白部分が気になる」ってことです。今回の場合「甘い葡萄」「すっぱいレモン」が空白です。
で、ここで「当たり前だよね。葡萄は甘いし、レモンはすっぱいよね」とか言ってるのは”思考停止”してます。そんな奴はシンカホリックじゃねぇ!
思考を止めずにちゃんと考えろ
真剣に物事を捉えて、このマトリックスの空白を埋めると、右上は「最高じゃん!」となります。だって、何も我慢しなくて良いんですよ。期待通りの甘さを得られるわけです。最高ですよね!さて、左下は・・・えーっと・・・。あれ、困ったぞ。となります。
なぜ困るのか、それは、「左下は、最悪の状況とみるべきか、当たり前とみるべきかが判然としない」のです。「すっぱいと知っていて、すっぱいから当たり前」とみれば当たり前です。むしろ、期待通りですよね。一方「そもそもすっぱそうだし、実際すっぱいなんて最低じゃん」という見方をすれば最悪の状況となってしまうんですよね。
具体的に考えろ
こういう状況での思考のコツは「概念化と具体化」でもご紹介した通り、一度、具体化してみることです。(概念↔具体の行き来がポイントです)
恋愛だと?
具体化するコツは、自分が身近に考えられるものに置き換えてみることです。恋愛とかが使い勝手が良いので、重宝しています。早速やってみましょう。
恋愛で考えると、すっぱい葡萄は「可愛い女の子をあきらめる」という状況ですね。「あいつ、可愛いけど、性格悪いしな」ってヤツです。一方、すっぱいレモンは「顔は好みじゃないけど、性格も良いし、実家も金持ちだし」ってことです。
つまり、「葡萄=可愛い女の子」、「レモン=可愛くない女の子」ということですね。(尚、当たり前ですが、この定義は人によって違いますし、きっと状況によっても異なります。例えば「性格」を重視した場合、「性格が良いけど付き合ってくれない」という子を「あいつ、好みじゃないし」と”顔・容姿”をあきらめる要因にすることもあります。)
その際の「甘い葡萄」「すっぱいレモン」を考えてみましょう。
- 甘い葡萄:直球ど真ん中ストライクの女子と付き合える
- すっぱいレモン:好みじゃないから付き合わない
ってなりますよね。
仕事だと?
もう一例。今度は、仕事です。
仕事であれば「面白そうでやりたい仕事だけど、キツいし体がもたないからやめよう」となるのが「すっぱい葡萄」です。一方、「つまらない仕事だけど、お金がもらえるんだからそれでいいじゃないか」が「甘いレモン」です。
では、甘い葡萄、すっぱいレモンはどうでしょう?
- 甘い葡萄:面白くて成長できる仕事(やりたい仕事)をやる!
- すっぱいレモン:つまらない仕事を辞める!
です。
この具体例を元に、再度「概念化」すれば、マトリックスが定義できます。
甘い葡萄を狙いに行けっ!
完成した2×2マトリックスはこうなります。
- すっぱい葡萄(左上):本当に欲しいものを諦める
- 甘い葡萄(右上):狙ったものを手に入れる!
- 甘いレモン(右下):手に入るもので妥協する
- すっぱいレモン(左下):要らないものは捨てる
こうしてみると、「すっぱい葡萄と甘いレモン」という言葉は「心理学的に、自己防衛が働くのだ」という、単なる寓話の理解・解釈を超えて、非常に実のある人生の警句へと変わります。
それは、「おまえら、最初っから諦めてないで甘い葡萄を狙いに行こうぜ!」ということです。
人間、誰しも、傷つきたくないですよ。できることなら、自分で安心していられる領域に留まっていたいです。でも、そんな生活って、やってるときは安泰でしょうけど、終わって振り返ってみたときに、なんか物足りないなーってことになっちゃうんじゃないですかね。あの手この手を講じてみて、それでダメなら自己防衛も良いでしょうけど、最初っから、甘いレモンを探して生きるのはやめましょうよ。ホントにね。
・・・さて、いかがでしょうか。僕の言いたいことが伝わりましたでしょうか。誤解して欲しくないのですが、今回の示唆は「甘い葡萄を狙うのが良い!」ということではなく、あくまでも「すっぱい葡萄と甘いレモンって言葉を聞いて、そのまま思考停止してるとダメですよ」ということです。一歩踏み込んで考えると、違う世界が見えるんですよね。ということで、みなさまも、シンカホリックを目指してみませんか? 日々の景色が少し変わるかもしれませんよ。
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