ギックスとの開発は「お客様の解決すべき課題を優先できる」ベーシック 西浦氏が語るギックスとの7年の歩み

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eyecatch_Basic様

2017年以来、開発パートナーとして協業してきた株式会社ベーシックとギックス。ベーシックは、1982年の設立以来、高速道路の制御システム等の社会インフラ構築や大手金融・銀行系のシステム開発などの大規模システム構築を手掛けるシステム開発企業です。先端技術を積極的に活用し、多様なニーズに対応することで、あらゆるビジネスの実現と発展をシステム開発から支援しています。

2022年に業務提携を行い、会社の垣根を超えてワンチームでの開発を進めてきたベーシックは、ギックスのDIサービスの提供になくてはならないパートナーとなっています。今回、株式会社べーシック 取締役 西浦和樹氏とギックス 代表取締役COO/Data-Informed事業本部長 花谷慎太郎が対談し、両社の出会いからこれまで協業してきた取り組みを振り返ります。

7年前、社員約15名のギックスとベーシックの出会い

花谷 べーシックさんとの出会いからもう7年になりますか。現在ギックスでChief Technologist 兼 Chief Architectを務める岡(編集注:2022年5月にギックスに参画)から、「臨機応変に動けるべーシックさんは、ギックスと相性が良いのでは」と紹介していただいて。

西浦 当時、ギックスさんはまだ15人ぐらいの組織でしたよね。その時には、岡さんとはすでに10年以上の付き合いがありました。当時は、アーキテクチャ検討〜PoC実施〜システム構築のフェーズで、岡さんの紹介で私たちが案件に入っていくことがよくありまして。強いていえば「10言わなくてもある程度動ける」ところを評価いただいていたのかもしれません。そのような中で、ギックスさんを紹介していただきました。

株式会社べーシック 取締役
西浦 和樹氏

大手SIerを経て、2005年、株式会社ベーシックに入社。システム開発部門をリードしながら、様々な案件を経験。2023年10月より株式会社ベーシック 取締役に就任。

花谷 他社さんとお付き合いが少ないのであまり知見はないものの、ベーシックさんは新しい技術を積極的に取り入れるスピードが早い印象があって。そこが特徴だと感じているんですが実際のところいかがですか?

西浦 そうですね。我々より新しい技術に明るい、尖った会社さんもたくさんありますが、今後普及していきそうだなと思う技術は、ちょっと背伸びしてでもチャレンジしています。新しい技術を積極的に使いながら「逃げずに最後までやる」ことも重視していて、いいところの折り合いをつけて提供できている会社という点が、ある意味珍しいのかもしれません。

‟良いものを作りたい”という共通の思いが信頼に

花谷 最初にご一緒したのは大手飲料メーカー様向け分析基盤の構築でした。初回のプロジェクトからうまく価値を提供できたのはベーシックさんの力が大きかったと思います。

その後、大手電機メーカー様の案件を経て、その半年後ぐらいにアサヒプロマネジメント様の案件で、カテゴリマネジメントツールを作りました。フロントエンドを担当いただいたベーシックさんには素晴らしいUIを作っていただいて。

  • [ギックス顧客インタビュー]アサヒプロマネジメント株式会社 清水博様|アサヒグループ量販営業業務改革プロジェクト(2019/07/08)https://www.gixo.jp/blog/12983/

西浦 この制作過程はとても印象に残っています。バックエンドをギックスさん、フロントエンドをべーシックで役割分担していたのですが、ある時うちのメンバーが2~3週間ずっと遅い時間まで仕事していて。何をしているのか聞いたところ、バックエンド側のパッチトラブルだとわかり、すぐにリカバリを入れるように指示を出しました。

花谷 その節は助けていただいて‥‥、ありがとうございます!

西浦 通常だと、私たちがギックスさんの担当領域にサポートに入ったとしても、結果としてトラブルにつながる可能性もあります。良かれと思ってやったことでも、結果的に責任境界線が曖昧になりますので、一般的なシステム開発の世界では本来は絶対にやりません。

花谷 そんな中で、なぜサポートしていただけたのでしょう?

西浦 ギックスさんの現場の方々が「助けて!」って言ったから、というシンプルな理由だったと思います。両社で信頼関係ができていて、お互いに“良いものを作りたい”という一体感がありました。担当分けはしていますが、お互いのトラブルなどは垣根を超えて、困ったところを補い合う姿勢が、初期から根付いていましたよね。

花谷 たしかに、べーシックさんとギックスの関係はそもそも受発注の関係ではないこともあり、仲間って感じが近いですよね。普通の受発注の関係だと、発注側が出した指示の通りにやるという感じかもしれませんが、べーシックさんとは、“まだ形がないものを一緒に作っていく仲間”としてやれていると思います。

株式会社ギックス
代表取締役COO/Data-Informed事業本部長
花谷 慎太郎
京都大学工学部卒業後、日本工営株式会社、IBM Business Consulting Services 社(現日本IBM株式会社)を経て、2012年、株式会社ギックス創業メンバーとして取締役に就任。2023年10月より株式会社ギックス代表取締役COOに就任。

西浦 JR西日本様の案件もご一緒させてもらいました。

花谷 振り返ると、かなり最初からワンチームでやってきましたね。おかげさまで累計50件くらいのプロジェクトをご一緒して、様々なメンバーの皆さんとたくさん議論してきました。

ベーシックに根付くカルチャー、先進技術の積極的な活用と“デモ”ベースの議論

花谷 ギックスには、DIコンサル、DIプラットフォーム、DIプロダクトの3つの柱がありますが、べーシックさんにはそのうちの2つ、DIプラットフォームとDIプロダクトを支えて頂いています。

ベーシックさんと出会った2017年ごろには「DIコンサルティング」に該当するプロジェクトの割合が高く。コンサルティングの後工程として、クライアント企業からシステム構築のご要望をいただく中で「DIプラットフォーム」が立ち上がりました。これはベーシックさんとの協業で、お客様の要望に応えることができるようになり、1つの柱にすることができました。

西浦 ギックスさんの全体像を把握していなかったので、当社が支援できているのは一部なのかなと思っていました。

花谷 一部ではありますが範囲が広く、かなり助けていただいています。

新しい技術を積極的に取り入れる取り組みは、ギックスもご一緒させていただいているところもありますが、社内はどのように仕組み化されているのでしょうか?

西浦 べーシックでは、先進的なテクノロジーを追いかけているユニットがいくつかあり、そこで新しい取り組みにチャレンジしています。現在は、AI開発ユニット「AI Façade(エーアイ・ファサード)」やUI/UXデザインに特化した「UX Kitchen」、アジャイルの有用性を解くアジャイルデリバリーユニット(ADU)などのユニットがあります。

花谷 ギックスは「AI Façade」と「UX Kitchen」に所属する方とご一緒させていただいていますが、このようなユニットでの取り組みにより、新しい技術を積極的に活用することができているんですね。

べーシックさんはデモを作るのも本当に速いですが、これは意識しているのでしょうか?

西浦 エクセルやパワポで切り貼りした資料だけでは、どうしても動きのイメージが追随せず、議論が空中戦になっていまいます。そのため昔から、バグがあってもいいから、とにかくお客様がイメージできるものを先に見せるようにしています。

花谷 べーシックさんのカルチャーですね。

西浦 そうですね。時間をかけて浸透させていったっていう感じですね。

花谷 デモを作るのもですが、レスポンスの速さも秀逸です。新潟事業所の方と一緒にお仕事させていただく機会も多く、やり取りはSlackが多いですが、みなさんレスポンスが速い。リモートでの業務進行でも安心してお任せできる秘訣だと思います。(編集注:ベーシック社には新潟事業所が存在し、現地メンバーの方にギックスとの多くのプロジェクトに参画いただいている)

西浦 新潟事業所はギックスさんとご一緒する2年前からリモートでやっているので慣れてますね。

花谷 実は新潟事業所とのお仕事はギックスのリモート制度の足がかりにもなりました。現在はギックスもリモートを推奨しており、多くのメンバーが別の場所で働いていますが、リモートでも問題なく開発ができる実例を、ベーシックさんから見せてもらったことがとても大きかったです。

「お客様の解決すべき課題を優先できる」、ギックスとの開発の面白さ

花谷 べーシックさんから見て、ギックスとの協業はどうでしょうか?

西浦 ギックスさんとの開発はハイタッチ案件が多いので、ビジネスと開発が直結している。無駄がないし、新しいことにも積極的にチャレンジできるので非常に面白いです。

開発においては、下請け階層が深くなればなるほど、仕様の伝達は伝言ゲームになってしまいます。指示は文章をベースに行われることが多いですが、前段でどんな議論がされていて、お客様がどこを目標にされているかといった行間が読めないこともしばしば。要件定義次第で、どこが本質なのかがわからず、とにかくそれに従い、ミスがないように作ってみることしかできない。

花谷 要件定義って、ちゃんとお客様のニュアンスを含めているかというと怪しい時もありますよね。

西浦 そうなんです。ただ、あとから「なんでこうしたんだ」ということになるので。長いスパンでの保守を考えると参照するものを残すことは重要、という事情もあります。

一方でギックスさんの案件はクライアント企業の経営層・上層部のハイタッチ案件だからこそ、相談すると意思決定までが早いです。また、ギックスさんの案件は重厚長大な基幹システムなどとは異なることもあり、コミュニケーションを軸に開発を進めているので、ドキュメントも最小限で済みます。

花谷 過度なドキュメント制作に多くの時間をとられてしまうのももったいないし、エンジニアが忌避する業務は増やしたくないのが本音です。後工程に必要十分なドキュメント量をベースに考えています。

西浦 開発をしていると「ここを省くとすごく効率的になるのに」っていうポイントがあったりします。それを花谷さんに相談すると、背景を説明いただいたり、先方と調整していただいたりと、とにかくすぐに対応してくださる。

ビジネスの観点と、システムの観点は相反する部分もあるし、逆にお互い取り込まなきゃいけない部分がありますが、その中間を花谷さんがうまく橋渡しをしてくださっています。

花谷 ありがとうございます。開発者の方の仕事のしやすさは意識している部分なので、伝わっていたようでよかったです。

先にお話しした弊社の3つの柱のうちの一番新しい事業がDIプロダクト事業です。その中核プロダクトであるマイグルの開発でもベーシックさんに深く支援してもらっています。初期の開発過程ではかなり無理なお願いもしていたなと。

プロダクトにどのような仕組みを持たせるかによって、ビジネスへのインパクトが大きく変わることがあります。私はビジネス寄りに物事を考えるので、「技術的に難易度が上がってもどうしてもやりたい」と考えるタイプで。

「マイグル」の時は、「ここまで出来たら面白いから何とかお願い!」って頼んで、べーシックさん側も「花谷がこう言ってるってことは、ビジネス的にはここまで出来た方が絶対面白いんだな。じゃあやりますか!」みたいなやりとりを度々させてもらいました。

西浦 信頼関係があることが前提ですし、花谷さんは「なぜやりたいのか」開発側にわかるように伝えてくださるんですよね。だからこちらも前向きに「どうしたらできるか」考える。もちろん、私たちも無理なときは無理って言える関係性ですしね。

花谷 断ってくれるという信頼があるからこそ、無理なお願いもできるんです(笑)。

ギックスの開発スピードや「やりましょう」というポジティブさを支えるベーシック

花谷 最近、クライアント企業であるJR西日本SC開発の石神さんへインタビューした際に、ギックスの「開発スピードの速さ」を評価いただきました。レスポンスの速さとかもですけど、「お客様に価値があるものを早く届けたい、議論しながら改善すればいい」みたいな近いカルチャーや姿勢を持ってるから実現できているのかなと。

  • WESPO、WESTERポイント…JR西日本の「ポイント」をめぐる8年物語 対談:JR西日本SC開発 石神孝浩氏 ギックスCOO 花谷慎太郎(2024/9/20)https://www.gixo.jp/blog/25395/

他にも、JR西日本の藤原さんからは、スピード感に加えて「”やってみましょう”というポジティブさ」をご評価いただきました。普通、システム開発会社は「技術的に難しい」と保守的な考え方になる中で、ギックスは「どうしたらできるか」を前提に議論ができる、と。この2つは、まさにベーシックさんのおかげで実現できてるんです。

  • 既存の仕組みで「高速・コンパクト」な開発。JR西日本「WESTER」、“ミスしても良い”が産んだ成長劇(2024/11/XX)https://www.gixo.jp/blog/25836/

西浦 そうやってお客様の声を聞けるのは非常に嬉しいですね。

花谷 改めて、本当にいつもありがとうございます。ここまで積み重ねてきた7年間に感謝するとともに、今後もワンチームでよろしくお願いします!

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