ギックス代表取締役COO 就任に向けて|花谷慎太郎

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「あらゆる判断を、Data-Informedに。」を案件を通じて実現する

ギックス取締役 共同創業者の花谷は、創業以来10年に渡り、当社の事業推進を担当し続けてきました。DI(Data-Informed)事業本部長として、売上責任を負い、案件のデリバリー責任を負い、また、社内外の人材の確保・管理・育成にも力を注いできました。
この度、当社は、網野・花谷の2代表制に移行するとともに、花谷がCOOに就任することを発表しました。(なお、網野は、これまでどおり代表取締役CEOを務めます。)

それに際しまして、代表取締役COOに就任する花谷が、今後の取り組み方針や就任の意気込みについて語ります。

これまでも、これからも”事業推進担当”として経営にコミットする

インタビュアー(以下、質問):
まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

株式会社ギックス代表取締役COO* 花谷慎太郎(以下、花谷):[*:2023年9月の株主総会/取締役会を経て就任予定]
取締役共同創業者の花谷です。2023年9月28日に開催される株主総会およびその後の取締役会を経て、新たに代表取締役COOに就任する予定です。2012年のギックス創業以来、取締役として事業推進を担当してきました。これまで当社は「COO」という役職を設けてこなかったのですが、実質的には私がCOOの役割を担ってきたと思っています。
今回、役職名は新しくなりますが、これまで通りに、事業推進の役目をしっかり果たしていきたいと考えています。

質問:
ありがとうございます。いま、お話が出たのでお伺いしますが、事業推進はこれまでも担当されていたわけですね?

花谷:
はい。特に、2022年3月にマザーズ市場(現グロース市場)にIPOをしたあたりからは、事業推進担当としての私と、経営全般をみる網野の役割が明確になってきていましたので、この機会に、それを明文化しようという話になりました。
網野とは、起業前のIBM時代からの付き合いですが、彼がビジョンを描いて、私がそれを実現するという関係性は、当時からずっと続いています。このコンビネーションはお互いの強みが活きる、相性の良い二人三脚関係だと思います。また、もう一人の創業経営者である田中も、これまで通り戦略検討やリスク許容度の見極めなどの観点を持って下支えしてくれます。

質問:
役割分担の明文化のきっかけは、IPOだったということですか?

花谷:
2019年ごろに上場プロセスに入るまでは、とにかく”全員野球”という色合いが強かったのですが、上場して社会の公器になるにあたって、役割分担がクリアになってきたと思います。ピッチャーはピッチャーの仕事を極めて、キャッチャーはキャッチャーの仕事をする。社内の制度も整備が進みましたし、実務的にも社内の意識的にも、大きく変化してきたと言えます。
また、上場をきっかけに、投資家の皆様とのコミュニケーションが重要な意味を持つようになりました。機関投資家との面談だけでなく、個人投資家の方々に対しても当社の事業内容や成長性をしっかりとお伝えすることが求められています。こうした責務を網野が担うことになり、これまでよりも明確に役割分担を行う必要があると考えるようになりました。

ギックスのビジネス・コンセプトは、やや複雑

質問:
上場による、IR活動強化の一環と捉えて良いですか?それとも、事業推進の強化と捉えるべきですか?

花谷:
「事業推進をしっかりやる」ということが大前提だと思っています。事業を回し、収益を稼ぎ出し、それを投資して事業をさらに大きくする。こういう企業活動そのものを徹底的にやる。それが最も大切だと思っています。そのために、私も代表権を持ち、COOとして足元の売上・利益と、それを実現するためのクライアントへのデリバリー品質にコミットしていきます。
その上で、そうした活動内容を、投資家に限らず、既存クライアントおよびポテンシャルクライアントの皆様にもしっかりお伝えしていくことが求められているのだと理解しています。特に、当社の事業内容は、正直分かりにくいんです。DI事業という単一事業セグメントで定義している理由も、うまくお伝えできていないのではないか、と不安が残ります。マイグルというプロダクトが注目を集めがちなのですが、実際は、マイグルは一つのツール、一つの手段です。我々の事業の目的は、クライアントがData-Informedな判断をできる状態になっていただくことです。コンサルティング(DIコンサルティング)や仕組みづくり(DIプラットフォーム)、そしてDIプロダクト(マイグルなど)の中からクライアントの状況やニーズに合わせて必要なものを選んで組み合わせてご提供することで、それを実現します。
AIとか、機械学習とか、SaaS型プロダクトとか、そういう言葉で語られる領域とは違ったところにも、私たちの強みがありますので、そうした部分を伝えていくことの重要性が増しているのだと理解しています。

質問:
なるほど。外に伝える部分と、実務を回す部分の切り分けですね。

花谷:
もちろん、網野自身がクライアントと話して案件の種を作ったり、具体的な案件においても彼の知見を活用して提供価値を高めていったりするのは、特段これまでと変わりません。私たちはコンサルティングファームですから、網野が上場経営者として経験を積んでいることは、私たちのサービス品質向上に直結しています。
そうした中でも、私が事業推進に責任を持つことで、網野の頭のリソースを”短期的な事業運営”とは異なる領域に振り向けることができる。先ほども申し上げた通り、この役割分担は創業以来変わらないものです。事業が大きくなり、会社が大きくなる中で、今回、その分業体制をより明確に再定義したわけです。

短期的成長と、中長期的成長の二兎を追う

質問:
決算発表資料の中で、二兎を追う、という言葉が使われていました。その観点での花谷さんの役割はどういうものになるのでしょうか?

花谷:
端的に言うと、短期が花谷、中長期が網野、ということになります。
決算説明資料に照らし合わせると、個別課題解決に相当するDIコンサルティングとDIプラットフォームを私が見て、将来の成長の核となる共通課題解決のDIプロダクトを網野が見る、となります。このような書き方がされていると、マイグルは網野の領域なのか?とお考えになるかもしれませんが、そういうわけでもありません。

出所:2023年6月期 決算説明資料(通期)

どちらかというと、
■ 目の前のお客さんに、しっかりと価値提供していく部分が私
■ 将来に向けて、新たな価値提供を模索する部分が網野
という風にご理解いただくとスムーズかなと思います。

質問:
もう少し詳しく教えてもらえますか?

花谷:
まさに、このあたりが「当社のビジネスが複雑である」ということなのだと思いますが(笑)、説明します。
DIコンサルティング、DIプラットフォームは、個別のお客様向けのフル・カスタマイズサービスです。これは、私たちのコア事業であり、提供価値がかなり明確に定義されています。そのため、大半の案件は「既存の提供価値をお客様にしっかりとお届けする」という活動になります。これは、完全に私の担当領域です。
一方で、DIプロダクトは、まだまだこれから作っていくプロダクト群が多く含まれます。そのため、全般的にみると「中長期的に提供価値を模索する領域」ということになりますから、網野の担当領域という風に定義しています。
しかしながら、DIプロダクトの中にも”マイグル”という既にローンチされ、価値提供が行われているプロダクトがあります。これについては、「既存の提供価値をお届けする」ということで、私の担当範囲になります。マイグルの追加機能開発なども、既に方向性が見えているものについては、私が責任をもって担当していきます。

質問:
あくまでも「短期が花谷」ということですね。

花谷:
はい。そのように捉えていただければと思います。今期の売上、来期の売上をどう作るかが私の仕事です。
また、当社の場合は、研究開発リソース(人材)と案件デリバリーリソース(人材)を同じ人物が担当する構造になっていますので、そこのバランスを見ていくことも私の責務です。つまり、開発責任と案件実行責任を負っています。

質問:
網野CEOは、どういう役割を担うのでしょう?

花谷:
網野は、DIプロダクトの領域で言えばマイグル以外の「新しいプロダクト」を考えるところを担当します。また、DIコンサルティングやDIプラットフォームに関しても、従来の提供価値に新たに何かを加えていく、というようなことは網野が担当して検討を進めます。
そうした活動は、当然ながら、協業やM&Aなどにも発展していきます。
網野が未来に向けて事業構造を考え、戦略を検討し、計画を立てていく。それが、今年・来年の事業活動に落ちていく中で、私にバトンタッチされて人材リソースの採用や配置につながっていきます。
もちろん、そんなに白黒はっきりつけて分けられるものではありません。白っぽいグレー、黒っぽいグレーがたくさんあるので、そこは緊密なコミュニケーションを取りながら、進めていきます。

データを用いて考える、という”ビヘイビア”を浸透させたい

質問:
どういう役割分担なのかは、十分にお話しいただけたのではないかと思います。
最後に、就任に際しての意気込みなどあれば、お聞かせください。

花谷:
私たちが掲げているパーパス「あらゆる判断を、Data-Informedに。」を実現することが、非常に重要だと思っています。代表として、また、COOとして、この部分にいかに貢献していくのかについて、お話させていただきます。
先ほども申し上げた通り、短期的な売上・利益責任および、デリバリー責任・開発責任、そして、それに伴う人的リソースの調達・管理・育成が私の担当領域です。従って、実際に獲得した案件を通じて、クライアント企業をデータインフォームドな状態に変革することが、私の大きなミッションです。
また、そうするためには、当社の社員やパートナー企業の皆さんが、率先してデータインフォームドな思想を理解し、それを実践していくことが求められます。この、文化醸成・行動変容も私が行っていくべきことです。
マイグルだけでなく、DIコンサルティングやDIプラットフォームを組み合わせて、クライアントが「データ”も”用いて考える」ようになる。「論理的に考えて、合理的に判断する」ようになる。これを、実案件で価値提供する中で、しっかりと後押しし、実現していければと思っています。

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