最後の仕上げ (B)レベルに応じて適切なメモをつくる/プレゼンってなんだ?
- TAG : Strategy & Art | プレゼンのコツ
- POSTED : 2014.04.18 09:00
f t p h l
別に、原稿を読めばいいじゃん
本特集では「プレゼンテーション」を成功させるための考え方を整理します。(本文中のスライドは”IDPC:国際開発を目指すプラットフォーム”が企画・運営する”第5回国際開発プランニングコンテスト”での講演内容に加筆・修正・補足したものです)
先日ご紹介した「最後の仕上げ」に関して、掘り下げます。
記憶せねばならないという勘違い
本特集の冒頭でご紹介した通り、世間には、「イケてるプレゼン」に関する大きな誤解があります。情熱に溢れ、身振り手振りを伴って、聴衆の心を揺さぶるのが素晴らしいプレゼンである、という思いこみ。もちろん、それはそれで”素晴らしいプレゼン”ですが、「それしかダメ」なわけではありません。
朴訥に、その場その場で考えながら、思いの丈をぶつけるプレゼンがあっても良いじゃないですか。
まじめに、一言一句、用意した原稿を読むプレゼンがあっても良いじゃないですか。
特に、本特集で想定している「ビジネスの場」で使うプレゼンにおいては、「論理的に正しく判断する(orしてもらう)ために、必要な情報をキチンと伝える事」を目的とするケースが多いでしょう。そうすると「身振り手振りをしながら、相手の目を見て、熱く語って心を揺さぶる」ということに縛られてしまうのは本末転倒ですよね。
しっかりと準備した資料で、聴衆に伝えたかったことを”余すところなく”伝えられるように、原稿を用意しましょう。その上で、もし、それを丸暗記できるなら、それに越したことは無い、というだけのことです。
「自分に必要なメモ」をつくる
プレゼンテーションは「慣れ」の部分が多いと僕は思います。回数こなせば慣れます。ですので、人によって「必要なメモ」は異なります。
初心者はカンペをつくれ
初心者だ、という自覚がある人は「完璧なカンペ」をつくることをお奨めします。もちろん、時間がかかりますし、非常に苦労します。でも、それが作れないと、本番でもっと辛い思いをするかもしれませんから、気合を入れて作りましょう。カンペは、楽器演奏で言えば「楽譜」です。カラオケで言えば「歌詞」です。困ったときに、それがあるのとないのでは大違いですよね。
余談ですが、僕はプレゼンの「冒頭」が怖いです。5分ほど話ぜば自分のペースが作れるのですが、最初の出だしはドキドキしてしまいます。ですので、メモは、最初の5分程度=スライド2~3枚程度に関しては、かなり詳細なものを作ります。話し言葉で書いて、そのまま読んでも大丈夫なように準備します。(もちろん、何回も声に出して読んでみて、違和感が無くなるまで徹底的に書き直します。)実際のプレゼンでそれをそのまま読む、ということは近年は一度もないのですが、まぁ、お守りみたいなものですね。
初見の人に伝わる”説明順序”を考える
また、チャート(表やグラフなど)がある場合には、説明方法・説明順序なども考えておきましょう。縦軸・横軸のどちらから説明するのか。そのチャートで、伝えたいメッセージに、どういう順番でアプローチすれば”初見”でスッと頭に入るのか。(あなたは何度も見ているでしょうが、聴衆は、そのチャートを初めて見るのです。)そういうことを考えて、紙に説明順序をメモしておきましょう。
僕がやっていたのは、まず印刷し、説明したい順序に番号を書きこみ、それを矢印でつないだ上で、話し言葉になるように文章の書き直し・追加をする、というものです。
こういう「カンペづくり」は、話すことを記憶にとどめる訓練、にもなります。千里の道も一歩から、ですね。着実に進みましょう。
連載記事一覧
- プレゼンテーションの種類
- 大切なのは「勝ち」を定義すること
- ”勝ち”を意識して組み立てる
- 伝え方を考える
- プレゼンの”骨子(ストーリー)”をつくる
- ストーリーを”資料”に落とし込む
- 最後の仕上げ
- (A)話すことの優先順位を決める
- (B)レベルに応じて適切なメモをつくる (今回)
- (C)リハーサルをする
- 「本番」を乗り切るためには”忘れる”→”演じる”→”牛耳る”でOK
- 上達のために感想を訊こう
(本特集の記事一覧はコチラでもご確認いただけます)
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