ソーシャルリスニングにおけるデータアーティストの役割
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- POSTED : 2014.01.14 09:02
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何を知りたいか → どうすれば知れるか
(データアーティストの概要については、こちらをご参照ください)
ソーシャルリスニングを行うにあたり、まずビジネスのゴールをみきわめることが非常に重要です。その上で、実際にソーシャルリスニングを行う場合に「データアーティスト」の出番となります。
参考:ITpro連載「ソーシャルリスニングで何ができるか」 株式会社ギックス取締役 田中耕比古
ソーシャルリスニングにおける「データアーティスト」の役割
(ITpro連載「ソーシャルリスニングで何ができるか」第5回より引用)
このソーシャルリスニングの6ステップにおいて、データアーティストは主に「Step 2:対象となる母集団を定義する」「Step5:分析の仮説を立てる」「Step6:仮説に基づき深堀りする」という3つのステップで”価値を出す”ことになります。(言うまでもないことですが残りの3つのステップについては、Step1はマーケティングストラテジスト、Step3はマーケティングテクノロジスト、Step4はデータサイエンティストがそれぞれ主要な役割を果たします)
【Step2:対象となる母集団を定義する】におけるデータアーティスト
知りたいことはStep1でクリアになっていますので、ここでは「知りたい物事を”表現する言葉”をどう見つけるか」がポイントとなります。
ITproの連載でも書きましたが、「どんな言葉が”使われている”だろうか」「その言葉に”異議語”が(ソーシャルメディア上に)存在していないか」という所が非常に重要です。その際に、データアーティストは、Yahooリアルタイム検索などを使い「実際の用法」「そのボリューム」「略語・類語」を確認しつつ、「その検索結果への異議語の含有率・含有量」を確認しながら「知りたいことを、最も過不足なく知ることができる検索語」を見極めていくことになります。
この活動は、後工程で実際に”分析”を行った際に、知りたいことがわかるかどうか、の鍵を握ります。正しく業務課題を理解し、業界構造・競合環境を把握した上で、分析設計を行う必要があります。
【Step5:分析の仮説を立てる】におけるデータアーティスト
Step2で決めた母集団について、Step3で収集し、Step4で全体的な傾向値を押さえたら、再び、データアーティストの出番です。
ソーシャルリスニングで分析するのは「定性的な言葉」の情報となります。出現件数や併記率などの定量的な分析はStep4で行っていますので、このステップでは、そこで見つかったファインディングス(発見)を「解釈」をしていきます。ITproの連載では、下記の3つをテクニックとしてご紹介しました。
(1)動きの似たものに気づく
(2)違和感を持つ
(3)細かく分けてみる
(ITpro連載「ソーシャルリスニングで何ができるか」第4回より引用)
(テクニックの詳細は、連載を読んでいただくとして)データアーティストは、これらのテクニックを活用して「発言している”人たち”は何を考えているのか」に肉薄しなければなりません。その上で、”深堀り”するための”筋のいい分析仮説”を見出すことが求められます。
【Step6:仮説に基づき深掘りする】におけるデータアーティスト
Step5で立てた「筋のいい分析仮説」を具体的に確認していきますが、ここでどういう仮説掘り下げをするかは、ケースバイケースとならざるを得ません。(そもそも、仮説の筋が良いのかどうか、もここで初めて検証されるわけですが)しかし、「言葉の用法から、発言者の真意に迫る」「発言の背景(ニュースなど)を探り、発言の理由を知る」といった”発言者”を軸にして考えていくのは、まさしく「アート(感性)」の領域だとギックスでは考えています。(※テクニックの詳細は連載をご参照ください)
ソーシャルリスニングは、あくまでも「人」を知るための活動です。発言そのものに意味はなく、その背後にある「思想」「想い」や、その結果行われたであろう「行動」「振る舞い」にこそ意味があるのです。その観点で「乾いたデータ」に「肉付けしていく・血を通わせる作業」はデータアーティストの腕の見せ所でしょう。
ソーシャルリスニングでは「データアーティストが主役」
上述の通り、ソーシャルリスニングにおける「データアーティスト」の役割は非常に大きいです。もちろん、データサイエンティストによる分析ができているのは大前提となりますが、業務・ビジネスとデータをつなぐデータアーティストが活動の核となるのは間違いありません。このケイパビリティは、今後、ますます重要になってくることでしょう。
また、各種コンサルタントや、事業企画部門の皆様のみならず、ソーシャルリスニング領域に関わる様々なテクノロジーベンダーの皆さんも、拙速に技術的な話に落としてしまうのではなく「データアーティスト」というケイパビリティを磨くことでクライアントへの提供価値向上に活かしていただければと思います。
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